太宰治は“いかにもお誂え向きの富士山を見ると、恥ずかしくなってしまう”という趣旨のことを書いていたはずです。そして霧で富士山が見えない日におばあさんが身振り手振りで懸命に説明してくれたことを“いい富士を見た”と称しています。富士登山競走では近過ぎてある意味見えない富士山(岩と土しか見えない富嶽一景)を、程よい距離で走りながら仰げるとは、こんな経験もなかなかできません。走っている時間以外でも何度も富士山と向き合い、色々な姿を目にして、自分との関係を確かめ合える機会になりました。
レース当日は絶好の天気にも恵まれ、憧れの富士山を間近で完璧に見ることができました。今年は冠雪が遅れに遅れたものの、数日前にようやく積もってくれたとのことです。この季節の富士山は、より立体的と言いますか、斜面や影が一層はっきりと見えます。その分更に気高さも感じるものに思えました。そしてあまりの大きさに(毎度ながら)とことん驚きます。




富士山が見えるのは主に河口湖エリアですが、その姿が見えない西湖の紅葉も夢のような世界です。静かな湖畔を何物にも邪魔されることも縛られることもなく走ることができ、富士五湖の魅力も一段と深く心に刻むことができました。




コースと応援を除く大会全体のテイストは大都会のマラソンのもの(ご当地感は希薄)ですので、好みは分かれると思います。東京マラソンや大阪マラソンを思い浮かべていただければ予想はつくかと思います。海外から参加される方にはこういう形の方が人気があるのかもしれません。沿道の声援に加え、ジャズや太鼓は嬉しいですね。エイドではシャインマスカットだけはしっかりいただき、上り坂の励みになりました(終盤桃ゼリーもあったっぽいですが、17km組との合流後の混雑で取れずでした……。)。




走りは、序盤の渋滞で3時間15分も危ないかというところから持ち直し、グロス3時間9分台、ネットで前半1時間36分0秒、後半1時間32分35秒と上げられたのでよかったです。35km以降は人の間を縫いながらも29分54秒で久々に30分を切れたのも手ごたえがありました。(154bpm, 184spm※, 1.20m, 4.9%, 6.2cm, 47.0%:53.0%, 248ms, マジックスピード3 ※途中106、139や150台、160台と明らかな誤計測が複数あり、それらを除くと190spmは超えています。)




行楽シーズンの河口湖観光はとても無理と判断しました(河口湖チーズケーキ・ガーデンさんには行けました!)が、富士登山競走でお世話になっている富士吉田では、北口本宮冨士浅間神社、新倉山浅間公園忠霊塔、御殿、パン屋さんに和菓子屋さん、定食屋さん、うどん屋さんなど、沢山巡れました。翌日は富士登山競走でお馴染みの馬返しまでゆっくり走って往復できましたし、時間と体力の許す限り富士山と過ごすことができました。自分だけの富嶽百景です。













富士山とこんなに長くつながりを持つことになるとは、少し前までは予想すらしませんでしたが、ご縁とは不思議なものです。今回参加された皆さんも、これまでとは違った、それぞれの富士山の姿を心の中に収めて帰路に就いたことと思います。




河口湖町の皆様、ここでしか体感できない素晴らしいコースを存分に走らせていただきありがとうございました!これからも富士山と河口湖町にしかない魅力を伝える大会を作っていって下さい!
三年続けて山頂コースに参加している富士登山競走。どこまでも真剣勝負の大会です。
エイドで名物は出なくとも幸せかつ穏やかな気持ちで終われる四万十川桜マラソン。四万十川ならではの空気を最大限活かしています。
大都会の大会にもかかわらずご当地色も出していてすごいと思ったのがさいたまマラソンです。スーパーアリーナでのフィニッシュも特別な経験です。
最強のご当地マラソンではないかと思うのがオホーツク網走マラソンです。いいから出てみてください。びっくりしますから。
続きのページには、コース上の絶景、富士吉田の思い出、大変な移動等々、思う存分詳しく書いています。長過ぎますが、一部だけでも伝わるものがあれば嬉しいです。
コメント、スター、↓のバナークリック、SNSなど何でもよいので反応をいただけますと、私が機織りに目覚めます。
次回予告は、“ラララ~ラララ、ラララ~胸騒ぎの腰つき”です。年内のフルはラストですが、マイカップ健康ジョギングになる予定です。
前日
河口湖まで行くだけで前途多難
三島まで(東海道新幹線まさかの大幅遅延)
7時過ぎまで眠り、ゆっくり準備します。朝食は納豆、チーズ、ヨーグルトです。前日の夜はまつや担々ごまとり野菜みそで豚バラ鍋にしました。金沢マラソンの後で買ったサン二コラさんの梅のリンツァーもデザートに付けてご満悦です。石川の味を楽しみました。



08:54新大阪発→11:49三島着のこだま(グリーン取れずでEX早得7の11,630円)で移動、のはずでした。が、新大阪に着くとやけに人が多く、車両点検でダイヤが乱れ運行再開未定とのことで軽くショックを受けます。“一日動かなかったらDNSになるのでは”と思いすらしました。

しばらく待っていると1時間遅れくらいで順次動き出しましたが、予約しているこだまは表示が変わりませんので、とりあえずひかりで名古屋まで行ってみることにしました(指定席予約済みで急ぐ人は自由席可というアナウンスに従って)。
当然ながら動き出したところで途中で止まることもあり遅延の傷口はどんどん広がっていきますが、運よくひかりの1号車では座れたので、そこまで辛くはありませんでした。11時頃には名古屋に着いたと思います。更に幸運なことに名古屋発のこだまにうまく乗れたため、三島には12:45には到着し、バスも1本遅らせるだけで済みました。

三島から河口湖
三島駅90周年を祝う催しも開催されており、後述のパン活もあって新幹線遅延のことも忘れつつあったのですが、行楽シーズンにあってバスが予定通りに着くはずがありません。最初から期待していなかったので、まあそういうもんだよなという心境です。山中湖と河口湖のそれぞれで渋滞が発生し、結局トータル40分強遅れました。河口湖駅に着いたのは15時30分過ぎと、家を出てから7時間以上経過するなかなかの長旅となりました。

例のローソンを撮影するために右側の席を選びましたが、最初に富士山の大パノラマが望める箇所と、山中湖の後のビュースポットのことを考えると、行きは左の方がよかったかもしれません。夏は恐怖からかそこまで富士山を見るぞと思わないのですが、冬は見える方の席を取った方がいいでしょうね。

河口湖
前日受付
バスを出ると流石に気温の低さを感じます。私の好きな寒さなので、特に困ることなく薄着で受付会場の船津浜まで歩きました。10分くらいで着いたと思います。河口湖が見えて来て湖畔に出た時の嬉しさは、何度来てもよいものです。

会場は行楽シーズンということもあり、人が多かったです。そして"International"と書いてあるだけあって、海外の方がとても多いというか体感的には半分くらいの勢いで、ワンダフルなフジヤマが集客力を見せつける日本の人気観光スポットの現実に触れられます。どう頑張っても人が写り込んでしまうので、あまり写真も撮れず、撮ってもアップするのはなというものが多くなります。



人が多くて音の大きな場所は苦手ですし、そこに移動時間が長過ぎたことが重なり、ブースには特に興味を惹かれることなくナンバーカードだけ受け取って帰りました。

正直前日受付は無くてもよい気がしましたが、ナンバーカードを受け取る際に“頑張ってください!”と応援していただけるのは嬉しいですし、応援して下さる方と直に接する機会は限られるので、現地に行く唯一にして最大の意味はここにあると思います。担当の女の子は海外出身の方だったようですが、完璧な日本語で対応してくれました。海外ランナーの方も多く、英語で案内している姿も見られ、大したものだなと感服しました。

配布物もコンパクトで、旅行者にとっては歓迎されると思います。でかくて重いものは結構しんどいところもありますので。


そして忘れていたのですが、河口湖駅から富士山駅に向かう際、特急列車に乗る羽目になると、通路が狭くて立てるスペースが少ないため、かなり圧迫されるのでした。この時期ですから決して嬉しくはない混み具合です。“この時期の富士山は全てにおいて移動のハードルが高いな……。”、と正直ちょっとテンションは下がっていました。

移動中読書は、小川洋子さんの『ブラフマンの埋葬』でした。2004年と少し前に出版されたものではありますが、泉鏡花賞受賞作ということで金沢で買いました。ブラフマンの姿や仕草をどう思い描くかは読者それぞれで、私は昔飼っていた犬のことを思い出しました。レース編み作家が最後に何を思っていたのかも、個人的には想像せずにはいられませんでした。
時間だけはやたらとあったので、ティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』(村上春樹訳)も半分くらい読みました。ドラマもなく、いきなり人の命が終わることは、宮本輝『泥の河』の言葉とも重なりました。レイニー河のストーリーは、人間は、こういう局面に立たされることもあり、他人のそれを受け止められる大人もいたということが心に響きます。全体に、読んでいて明るい気持ちになるはずもないのですが、避けては通れない問題です。
富士吉田
Q-STA屋上からの富士山
富士山駅に着いて最初にやるべきことは勿論、Q-STAの6階から富士山を眺めることです。富士登山競走前日の儀式でもありますが、今回は初めて雪を纏った富士山とこの距離で向き合うことができました。“7月にはあの先の方まで上ったんだよな”と、毎度ながら信じがたい気持ちと、でも比較的最近のことなので、走りながら見た景色や“4時間切ったら名誉ですよ!”の声援の記憶は確かなものとして、重ね合わせることができました。

それにしても明日は上らなくてもよいと思うと気が楽ですし、あのある種の残酷さすら感じさせる岩肌むき出しの姿ではなく、白い雪に覆われた美しい姿には、見とれてしまいました。こんなにきれいなものなのかと。でもこの時期に登山を決行すれば待っている結末は死ですので、本当は夏の方が優しく、今の季節の方が怖いですね。


パン活
- bakary SOLASIDOさん(三島駅)
富士登山競走前日にはお休みだったので、狙っていました。新幹線は遅延したものの、上手く時間が作れてラッキーです。


バジルベーコンのデニッシュは、ブロッコリーもベーコンもデニッシュ生地もやけにおいしく、選んでよかったです。ショコラブルーベリーはブルーベリー、チョコの味だけでなく、カスタードクリームとビスケット生地もハイレベルで、端の方までおいしかったです。


- 木村屋さん
富士登山競走前日と当日終了後にお邪魔して、パンもサービスしていただきましたので、お礼をお伝えしなくてはなりません。お店に入ると、私のことを覚えていて下さり、嬉しかったです。富士登山競走の話もして、奥様にもよろしくお伝えくださいと申し上げたところ、何と今回もブルーベリーマフィンをサービスして下さり、恐縮です。ブルーベリーは大好物です。



富士登山競走の後もサンドイッチを食べました。生地もおいしく、ハムもツナも懐かしい味がします。自家製チョコクリーム入りメロンパンも今や私の中では定番メニューです。ブルーベリーマフィンはジャムたっぷりで大満足です。カレンツ・ノアは富士登山競走の朝食として支えてくれています。この味が好きなんです。




- Bakeryinaさん
前回はチョコアイスを選んだものの、他にも気になるパンがあったため再訪しました。富士登山競走以来ですという話をすると喜んで下さり、枝豆チーズパンをわざわざオーブンでリベイクしていただくというご親切ぶり。焼き立てのおいしさ復活で素晴らしかったです。



ミニクイニーアマンは今回こそ購入でき、キャラメリゼされた表面も中のしっとり感も完璧です。小さくて食べ易いので、次も買いたいとことです。そしてこちらでもミニクロワッサンをサービスしていただき、富士吉田のパン屋さんはどれだけご親切なのかと驚くばかりです。


夕食
喜八さんにしました。大きな通りに面していますが、正に地元の食堂で、テレビで相撲中継を見ながら食べるという昔ながらの空気の居心地がたまりません。カウンターの目の前で焼き鳥も焼いておられ、香ばしい香りがまた食欲をそそります。

豚生姜焼き定食は、お肉の量があることに加え、生姜焼きのたれが正真正銘ご飯が進む味で、大変よかったです。お味噌汁やお漬物もそれぞれに個性を放っており、大らかなのに隙がありません。

店長さんご夫妻もとても優しい方でしたし、常連さんも一緒になって富士山マラソンや富士登山競走の応援をしていただき、また嬉しくなりました。富士吉田はいいお店ばかりですが、またお気に入りのお店が増えました。
お宿
富士吉田のビジネスホテル富士見さんです。甲府宿泊・始発バスのプランも検討しましたが、富士吉田市も歩きたかったですし、当日受付でバタバタするのもあれなので、こちらのお宿にしました。二泊で11,890円とこのエリアにしては破格です。


最寄り駅は富士山駅から少し離れた葭池(よしいけ)温泉駅ですが、特に困ることもありません。大きい道路に面していることが仇となり、車やバイクの音が気になる場面もありましたが、寝ている間は大丈夫でした。設備などは万全で、言うことなしです。


レース当日
レース前
23時頃消灯6:30頃起床です。心拍数はえらく高くでましたしBody Batteryもあまり回復していませんが、何といっても7時間半眠れたので頭はすっきりしています。夜中に騒音で目覚めることもありませんでしたし、十分です。7時には“富士は日本一の山”のチャイムが町内放送で流れ、やっぱこれだよなと笑顔になります。
朝食は木村屋さんのカレンツ・ノアとゆで卵、チーズ、牛乳です。前日あれだけ食べていますので、朝はこれで足ります。

あまり早く行ってもやることがないので、トイレとシャワーを済ませ、装備を整えてから7:42葭池温泉前駅発→7:59河口湖駅着の富士急行線に乗りました。平気で5分くらい遅れてやってきましたが、誰も気にする様子もないのがいいですね。この時間でも車内はそこまで混雑していませんでした。




河口湖駅から船津浜までは昨日と同じく10分くらいです。上に来ている服を脱ぎ、シューズを履き替え、アミノ酸を摂取します。今日の金沢スイーツは、ロンシャンさんのシェフのポテトにしました。程よい甘さが人気のロングセラーです。有松にある地元の名店ですが、金沢駅百番街あんとでも買えますので是非。



ここまではよかったのですが、荷物預けが最奥の地にあり、辿り着くまでも、預けてからも結構混雑します。事前にきちんと予測していなかったのは完全に私のミスです。どうにか預けてからアップがてらジョグで移動し、8:44にはスタートブロックに入ることができました。

軽く動的ストレッチをして、瀬古さんや町長さんのお話を聞きます。左手の旅館の窓からも手を振って下さる方もいて、“いよいよ富士山マラソンが始まるのだな”という気持ちも高まります。


【ちょっと真面目な話】
シューズ
フル3本目のマジックスピード3さんです。コースはそれなりに起伏もあり、あまり適当なシューズを履くと痛い目を見そうなので、勝負シューズとまではいかないまでもハイエンドなシューズを選びました。


装備
暑くないのでTシャツもOKと考え、先週のふくい桜マラソンTシャツからの流れで金沢マラソンTシャツにしました。オホーツク網走マラソン過去大会キャップ、ゼッケンホルダーとマジックスピード3が揃い、asicsメインのコーデとなりました。ミズノマルチポケットパンツ、ザムストソックス、ニューハレ踵二重はいつも通りです。

ワセリンは、Tシャツなので擦れ易さも考慮の上多めに使いました。急な下りもあることから、足趾にも気持ち厚めに塗っておきました。
持ち物
ジェルフラスコに経口補水液半分ずつ、アミノ酸一袋ずつを溶かし、片方にはマグオンのグレープフルーツを溶かしました(後半で甘みが欲しいため)。エイドで固形物は期待できないのですが、気温も低いので水分だけ取ればよく、持ち物としてはこれで十分と判断しました。

練習
広島ベイマラソンの後は特に目立った筋肉痛もなく、やはり平地のフルは身体に易しいと実感します。刺激入れはこれまでは速く走って気分を盛り上げたりもしたのですが、金沢マラソンでつった原因の一つとも考え、今回はみやすのんき先生の本にあった“レースペースの1km3本で十分”という説に従ってみることとしました。
月曜:スロージョグ
火曜:オフ
水曜:有酸素ジョグ 懸垂逆上がり、懸垂
木曜:1km3本レスト長く(4:23, 4:12, 4:12, ソーティマジックRP6)
金曜:有酸素ジョグ33分
土曜:オフ
レース
序盤~前半
- 序盤(早々に富士山目がけての上り)
スタート地点はとにかくうるさいです。折角の河口湖・富士山を前にして何故こんなことをするのかわかりませんが、できるだけ早く通り過ぎるしかありません。マラソンとは我慢のスポーツです。そして予想されたことですが、明らかに走り慣れていない方も多く渋滞も酷いです。最初の1kmは5:15というなかなか立派な記録を残しました。“最初で最後の参加になりそうだし、富士山と西湖をしっかり見るぞ”と気持ちも引き締まります。

最初の方はパン・ダニエルさんを目にしてあのおいしさを思い出したりしたのですが、左折すると富士山のどっしりとした姿が見えます。この季節の富士山は、白く気高く、正に霊峰という姿です。絵や写真では想像できないくらい、大きく見えます。そして雪に落ちる光と影が、言いようがない美しさと鋭さを放っています。

そうして富士山を仰いで走るということは、やっぱり上り坂ということになります。まだ序盤なので苦しくはないのですが、この先を思うとちょっと心配です。一旦左折して平坦になり、油断させておいて折り返し後に続きの上り坂も走らせてもらえる親切設計です。ここで無理すると後々祟りそうです。


この上りは再び富士山絶景スポットですので、もうありがたやありがたやという感じで目を見開きながら走っていたと思います。折り返して下りになってしまうと見えないのですが、今度はバックにあの富士山を背負っているのだという温かさすら感じます。


下りの途中で左折し、京都マラソンの前半や丹波篠山マラソンのようなやや細い道を行きます。7kmの通過は手元32分50秒くらいだったと思います。スタートロスがどれくらいかも不明ですし、グロスでは3時間15分も危うい気配すら漂います。


- 前半(八木崎公園を抜けて河口湖大橋を渡る)
右折して下りに入る辺りでようやく3時間30分の集団を抜きました。開始から35分台ですから、随分とかかったものです。

河口湖の方へ戻って来ると、道の駅かつやまではジャズの応援もありました。最初の大型エイドもあります。スポドリと水はできるだけ取りましたが、気温も低いので、どのエイドでもコップ一つで足りました。給食もあるなと見てみると、袋に入ったままの大きなパンが積んであり、衛生面も余った場合のエコ的な観点からしても完璧だなと感心しつつ、今日はシャインマスカットしかなさそうだと腹を括ります。



この先は最終盤で通るらしく、39kmとか奮い立たされるような数字が見られますが、それはまだ大分先の話です。ここでは、次に来た時に気を付けるような地味な上りがないかということをチェックしながら走っていました。大体キロ4分30秒くらいで落ち着いていたようです。八木崎公園では太鼓と獅子舞の応援もあり、元気をいただきます。


バッティングセンターのネットを右手に見てようやく、河口湖大橋が近いということに気づきました。河口湖大橋の上では、湖面の景色を味わうのも大事ですが、バックに富士山を背負っている事実も忘れてはいません。ある程度進んで“この辺りまで来たら富士山が見えているだろう”と一切後ろを振り返ることなく、肩を不自然な角度に動かしてまでノールック撮影を試みました。後で見てみるとしっかり撮れており、ほとんどのランナーが目にすることのなかった富士山の姿を残すことができました。




橋を渡った先は右手に果物の屋台があること、ほうとうの手作り体験教室があること、夏は日傘を差しても危険な暑さだったことなどを思い出しながら走っていました。折り返してきた3時間15分のペーサーさんとはまだ結構距離がありますが、少しは詰まっているはずです。14kmで64分台だったはずです。


中盤
- 中盤①(川口湖と富士山)
河口湖美術館の前を通り、音楽と森の美術館、ほうとうのお店を次々と過ぎていきます。ここから先は行ったことがない道なので楽しみです。少し先にも観光地エリアがあり、出店やお土産物やさんも沢山ありました。私の大好きなシーズーの散歩をしておられる方もいました。





長崎トンネルを抜けた先の16.5kmのエイドではアミノショッツ赤を配布していましたので、ありがたくいただきました。切れ端が千切れない設計になっているのが高評価です。今回のエイドではこういう実用的なものも登場して大変助かりました。

河口湖ではまだ湖面と共に富士山の姿も見えますので、時々感嘆の声を漏らしながら走っていきます。もみじトンネルはもう数日するとよりきれいになるかもしれません。



途中トンネルがあることは覚えていましたが、どれもごく短かったです。他に、一回入ると見せかけて横に逸れるフェイント(新寺崎トンネル)が、トンネルにもカウントされないのではというくらい短い、鉛筆削り並みの穴もありました。






- 中盤②(例の坂で存分に苦しもう)
そうこうしているうちに21kmを過ぎ、シャインマスカットエイドが登場です。ここは満を持して立ち止まり、勧められるままに三つもいただいてしまいました。やっぱりご当地の名物を食べられると嬉しいものです。他にもチョコ菓子をいただき、これはこれでよかったのですが、じゃがりことかはわざわざここで食べたいという気にもならなかったので、そのまま右折しました。


曲がった先には見るからに長い坂が伸びています。どれくらいしんどいのか、また、どこまで続いているのかは行ってみないとわかりません。給水もあり、22kmから本格的に上りが始まります。そしてなかなか終わってくれません。傾斜はかなり急な部類で、通常のフルマラソンではそうお目にかかれないレベルです。

一応右に緩やかに曲がった辺りで一旦緩やかになるのですが、また急になり、正直相当きついです。普段あまりゼーハーならないのですが、坂の最後の方ではほぼゼーハー状態でした。ウルトラのペースなら楽でしょうが、このペースでこの坂を走り続けるのは骨が折れます。

“上った先にはトンネルがあって、その先は平地”と分かっていますので、それだけを支えに粘ります。左手に復路の選手用に給水が用意されていますので、そこを一つの目印にするとよいでしょう。ガーミンさんによると一番遅いところでは5分2秒かかっています。70mかそこら一気に上るのはしんどいですね。大体30mを超えると堪え方が変わります。
苦しみながらも文化洞トンネルに突入し、最大の危機は乗り越えました。呼吸が整うまでにかなりの距離と時間を要しましたが、この先は“もうあんな上りはない”と思うと、全体に下っているかのようにすら感じました。そしてトンネルを出た際に、“次に戻って来るのは34km”ということを記憶しておくと、後々自らを助けることになります。

トンネルを出て少し行ったくらいで、ようやく3時間15分のペーサーさんを抜きました。これで先週の広島ベイマラソンよりは早く終われそうですが、この気温で3時間10分切れないのもちょっと物足りません。とはいえ序盤とついさっきの上りのロスを思うと、せいぜい3時間12分くらいだろうと考えていました。

西湖は初めて来ましたが、紅葉も進んでおり、対岸の山も目の前の木々も赤く色づいており、目も心も奪われます。静かな湖畔の道を落ち着いて走れるのはとても幸せなことです。道幅も広くて走り易いのもよかったです。2016年にいびがわマラソンに出た時も、紅葉の中を走ったことを思い出していました。


途中日が出ている時間もありましたが、気温が低いので暑さは感じませんでした。ようやくいい季節になってくれたものです。先週までは暑かったのに。一旦西湖から離れて里山のような風景になるのが、おそらく西湖いやしの里だと思います。ここで2時間5分台です。28kmは時計を見るのも忘れましたが、おそらく2時間8分台です。

後半~終盤
- 後半(下りを心待ちに西湖を堪能)
30.3kmでは二度目のアミノショッツ赤が積んでありましたので、減速してしっかり一つだけいただきました。この辺りも下っているくらいの気分ですが、その分どこかで軽く上ったりしているのでしょう。後半まで力を残しておくと気持ちよく走れますね。


それなりにリズムも刻めていますし、ペースも落ちていないと分かっていたので、後は34kmの表示を心待ちに進むばかりです。この湖畔ももうすぐ見納めかと思いながら左の方を見やると、それはそれは美しい世界が広がっていました。



そして待ち焦がれた34kmを通過し、トンネルに入ります。ここからしばらくはとにかく楽です(当たり前ですが)。ここに至るまでに力を使っていると下りでもきついだろうと思いますが、特にダメージもなさそうなので、流れに任せて下ることにしました。左には坂を上って来る沢山の方がいて、心の中でエールを送っていました。

35kmは河口湖を眼下に望む下り坂の途中です。さっき苦しんだ道を上って来る沢山のランナーさんとすれ違いながら進みます。35kmはグロス2:39:11だったそうで、3時間10分切りには31分を少し切る必要があります。今日の全体のペースからすると際どい勝負です。

- 終盤(混雑しても意外と走れる)
下りで勢いに乗りましたので、この流れで行きたいところです。しかし忘れていましたが、ここからは河口湖一周コースのランナーさんと合流するのでした。一応最初の数百mくらいは、“フルは左、17kmは右”という案内があり、皆それに従うのですが、そんなことがずっと続くことは有史以来ほぼありません。誰しも疲れているので、ふらふらと端の方に寄ったり、お友達と並走して後方をブロックします。こういう展開は慣れていますし、そういうものだと受け入れて、間を縫ったり、時折“すみません、抜きます”とお声がけしながら行くのみです。
コース上の混み具合だけであればよいのですが、ここからのエイドは一気に難度が上がります。走りながらコップや給食を取る経験が豊富な人なんてそんなにいませんので当たり前の話です。これも仕方がないので、取れない時はスルーして進みます。一番悲しかったのは、数少ない特産品エイドの桃ゼリー?を取りたかったのに、止まっている人が多くてとても取れなかったことです。足元がガラガラと崩れていくような思いでしたが、スピードが出ているので自業自得です。
周囲との距離を測ることに注力しているので写真を撮るチャンスも限られます。いつもなら人数が知れているのですが、何せ人が多く、予想外の動きをすることを前提に距離を取り目を凝らす必要性も普段の数倍となります。それでも一周目で見かけた着ぐるみ応援のらんなさんは何とか撮影することができました。この辺も前の人がいきなり減速したりするので、結構気を遣っていますが、とにかく最後まで一度も接触せずに走り切ったことはよかったです。

“混んでいるしキロ4分20秒くらいかな”と思って時計を見ると、予想外に4分一桁で調子づきます。心拍数ももっと上がっているかと思いきや166bpmで、これは最後まで余裕で持つと分かりました。一周目からずっと立っていてくれた係の女の子二人組にもお礼を言いつつ、走ります。

残りはもう2.195km、時間にして9分です。一周目と同じく太鼓の応援を受け、しっかりと見届けます。この後で少し上ることは一周目でインプットしていたので、落ちても気にしないようにします。ラストで会場に戻っていく時の景色は、田沢湖や榛名湖を思わせるものでした。“それ程上がっていないけど9分は切るくらいだろう”と思いつつ、見慣れた船津浜へと戻ってきました。

会場の騒音と空虚さはそれまでの静けさと絶景で培った喜びを帳消しにしそうな勢いでしたが、おそらく最初で最後となるであろう一枚を残し、3時間10分を切れたことは確認してフィニッシュしました。

アフター
レース後
会場
私には無理な環境に耐えかねて一刻も早い脱出を決めます。“そこそこのタイムで走れば空いているかも”とちょっと期待していた河口湖ロープウェイは、当たり前のように坂の途中まで列ができていたため、河口湖観光は不可能と悟ります。



いただいたアミノバイタルゴールドに加え、いつも通りプロテイン、プロテインバー2本、アミノバイタル粉、ビタミンCで回復の儀式を執り行います。夏場のようなひどい汗もないため、着替えはあっさり終わりました。マジックスピード3さんは3本目ですのでまだまだ元気です。今回はようやくシューズの長所を引き出せたように思います。


- 河口湖チーズケーキ・ガーデンさん
富士登山競走翌日にもこちらでおいしいチーズケーキをいただいたので、今回も是非ともお邪魔したいところです。人気No.2の朝霧高原チーズケーキと、以前より強く惹かれていた河口湖ロールケーキのフルーツを選びました。二つ買ったので珈琲も二杯いいよとのことで、太っ腹です。

ロールケーキはフルーツもクリームもたっぷりで、ケーキ自体もふかふかでたまりません。朝霧高原チーズケーキはあっさりした味わいで、ふんわりとした口触りもとてもよかったです。


富士吉田にて
- またもQ-STA
13:31河口湖駅発の電車で富士山駅に戻り、Q-STAの展望台から富士山を眺めます。今日は朝からその姿を拝ませていただいたのですが、今は雲に隠れています。あの時間帯だけの粋な計らいだったのかもしれません。富士登山競走にどこまで挑み続けられるかを思いながら、冬の富士山を見つめていました。


Q-STAには書店があると気づいたので、ご当地本コーナーはなかったものの、二冊本を仕入れました。帰ってから読むものがまた増えました。

- 富士山溶岩の湯泉水さん
富士登山競走でもお世話になった日帰り銭湯です。富士山が見える露天風呂が最大の売りですので、昼の明るい時間に勝負をかけます。残念ながら私がいた時間は雲がかかっていましたが、40分くらい入念に交替浴を繰り返して全身もリラックスできたので、十分過ぎるほどです。14:50頃に入店しましたが、案外混んでおらず快適でした。

富士登山競走では毎度苦しみながら横を通り過ぎてしまい、ゆっくりと参拝する機会もなかったため、今回は是非ともと考えていました。発祥が110年とされる由緒からして重厚です。

歩くだけでも失礼があってはならないと硬くなるのですが、大鳥居をくぐり、拝殿では富士登山競走と富士山マラソンのお礼をお伝えすると共に、これからも力を授けていただけるようお祈りしました。


樹齢千年の夫婦桧、太郎杉も静かでありながら威厳に満ちた佇まいで、背筋も伸びる思いでした。東宮、西宮のいわれと歴史も知ることができ、富士登山競走に挑む時には、また少し力をいただけるように感じました。


- 新倉山浅間公園・忠霊塔
春には桜と富士山を眺められる映えスポットとして世界的に知られる場所ですし、数年前に富士吉田の宿で教えていただいて以来、来てみたいと思っていました。夜間ライトアップまでしておられるとのことで、怪我のリスクも抑えられます。そう遠くなく、下吉田駅から少し歩けば着きます。


階段が398段あるそうですが、暗いからか特に気にならず、割とすぐに上り切りました。小高い丘の上ですので非常に眺望がよく、富士吉田の夜景が広がっている様子はとてもきれいでした。夜は流石に人も少ないです。忠霊塔の前でも手を合わせます。
あの暗いところに富士山があり、そこに向かって、あるいはそこから下って来るように光の列が伸びているように感じます。いつまでこうしていられるのか、と思いつつも、こういう生き方ができて幸せだったと確信しながら下山しました。

- 金太郎製菓さん
富士登山競走の時にも、あまりに歴史を感じさせる店構えが気になって仕方がなかったのですが、ようやくお邪魔できました。こちらの看板商品は、ピンポンマン。昭和52年(!)の全国菓子大博覧会「名誉大賞」を受賞したホワイトチョコと白あんのお饅頭です。食べてみると白あんの甘さが口の中に広がると共に、“成程、この組み合わせはありだな”という説得力がありました。


お店のおばあちゃんと色々お話ししたのですが、ピンポンマンを始めとするお菓子は89歳のご主人が作っておられるということで、どうかご無理なさらず、この味でお客さんを喜ばせてほしいなと思いました。あと、富士山に上ることを「とぶ」と仰っていたのですが、話の流れ的に何故そう言うのかを聞けず終いで、次回に課題を残しました。また来ますので、どうかお元気で。

大森パン店 3776Laboさん
日曜営業の貴重なパン屋さんかつ富士登山競走のコース上にありますので、行くしかありません。イートインを選択したところ、温かいお茶まで出して下さりました。


焼きカレーパン、Wチーズパン共に私好みの味と完成度でよかったですし、注目のかめクリームパンも、アーモンドが乗っていてとてもよく合っていました。“何故かめなんですか?”とお尋ねしたところ、“かめが好きだから”とのことで、店内の色々な所にかめの置物や装飾があり、“えっ、こんなところに笑”という感じで楽しかったです。是非猪苗代湖でかめまるに乗船していただきたいところです。


かめまるが気になるかたはこちらの会津磐梯山ウルトラの記事をご覧ください。大会自体はめっちゃきついですが、翌日の観光もやり切りました。
- 夕食:タイガー食堂さん
ホテルからすぐ近くのお店です。店内は昭和の香りが漂う素敵なもので、回復にもよさそうなトンカツ定食にしました。揚げて下さっている音を聞いている間も楽しみですが、サクッと揚がった衣に程よい柔らかさのお肉はとてもおいしかったです。そして豚汁も、味のよく染みた大根も、蕪の漬物も、その家の味という感じで、幸せな子供時代に戻った気すらしました。


お店は53年も続けておられること、毎朝富士山が見られることが楽しみということ、旅行が好きで結構遠くまで行かれていることなど、沢山お話しできました。勿論富士登山競走のこともです。今は御一人でお店を切り盛りされているとのことですが、どうぞお元気でいてください。またお会いしたい方が増えました。


ちなみにお店の名前がタイガーなのは、阪神とは関係なく、“屋号がとらやだから”とのことです。
洗濯や荷物の整理を終え、卵とヨーグルトを食べ、金太郎製菓さんの豆大福で幸福度を上げてから、日付が変わる頃に消灯しました。豆大福は黒蜜でも入っているのかと思うくらい絶妙な甘さの粒あんと、えんどう豆が見事に調和しており、期待以上の逸品でした。

翌日
新倉山浅間公園・御殿
6時半に目覚め、外を見ると富士山がいい感じに朝焼けに照らされています。タイガー食堂さんの前を通りながら、“今朝も富士山を見て元気になっておられるのだろう”なと想像していました。いい富士を見ました。



新倉山浅間神社は宿から2km程なのでスロージョグで移動します。海外観光客人気スポットだけあって7時前にもかかわらず、結構な数の人が下りてきましたし、上にもいました。でもこの時間ならまだ距離を保って写真も撮れましたので十分です。8時過ぎには人の壁ができており、香水が好きな人にはさぞ楽しいであろう状況になっていました。




展望デッキでも朝日を浴びて赤みを帯びた富士山の姿は息を飲むものでしたが、少し上にも展望台があります。そちらまで行く人は激減するのでよりよいものの、それでもはしゃいでいる方もいて物足りません。よく見ると更に奥の方へと登山道が続いているではありませんか。次にいつ来られるかはわかりませんので、行ってみるに決まっています。

トレイルはとてもきれいに整備されていますし、道標もあるので、私のようなトレイル素人でもまず問題ありません。亀石、ゴンゴン石と順に見ているうちに荒倉山山頂に至りました。山頂あるあるで見晴らしはよくないのですが、「御殿7分」とあったので、そちらに行ってみることに。




辿り着いた御殿では、赤松の間から朝の富士山の姿が望めました。ここまできれいに見えるとは思っていませんでしたし、静かで清澄な空気の中で一対一で向き合えるというのが最高でした。簡単に上れるところまでで見た気にならず、行くところまで行ってよかったです。



上りは神社から45分程と標準時間より大分速かったのですが、帰りは下りが怖いので標準時間より遅いくらいでした。トレイルの素養がないとこんなもんです。赤松林の群生地は癒されました。

吉田うどん
宿に戻ってチーズ、卵、ヨーグルト、プロテインバーを食べ、シャワーを浴びて準備万端で出発です。実は吉田うどんを食べたことがなかったので、元祖みうらうどんさんを訪問しました。



開店から間もないにもかかわらず、人気店だけあって早くも席は埋まっています。相席ですが全く気にしません。定番の肉うどんには馬肉とキャベツが入っています。そして吉田うどんということで、麺が太くて硬いのです。単に硬いというとパサパサしたイメージになるかもしれませんが、最初から固くすることを前提にした仕様で、歴史的に男衆が作ってきたものです。あっさりめの汁もよく合っていて、大変美味しくいただきました。

パンの実さん
月江寺の方にあるお店です。恐竜のたまごは煮卵が入っており、見逃せないおいしさです。あんホイップは白いパン生地もよいですし、重量感があり満足度も高いです。お店の前で食べていると、店主さんがお水を持ってきて下さりました。道路の向こうで食べていた別のお客さんにも手渡しておられ、どれだけご親切なのかと驚きます。





馬返しへ(やはり近過ぎて見えない富士山も)
バスまでにまだ時間があるので、富士山駅のロッカーに荷物を預け、水とお金、最小限の荷物を背負って富士登山競走の途中まで行ってみることにしました。スタートは金鳥居、1km程上って左折して少し行き、北口本宮冨士浅間神社から吉田口登山道へと入ります。今まではとにかく坂と高山病と暑さへの恐怖でいっぱいいっぱいですが、今日はスロージョグです。こんなに心穏やかに富士登山競走のコースを巡れる日が来るとは。





進んでいっても意外と富士山が見えるもので、高架、三差路も風景を確かめながら通っていきます。それにしてもこのところ上りに特化した練習をしておらず、周囲に誰もいないと、とても長く感じるものですね。“夏場に当たり前のようにこの距離を走っていたのか”と、自分でもよくやるなと思いました。


当初は中ノ茶屋で帰ろうと思っていたのですが、11月からは冬季休業でひっそりとしていたので、“滅多とない機会だから馬返しまで行くか”とプランを変更します。ここで団子の一つでも食べられたなら喜んで帰っていたと思いますが、これも縁です。



中ノ茶屋から先は路面が荒れるのですが、最初の方はマイルドです。途中舗装路が回復する箇所もありますが、一瞬の出来事ですので気を緩めてはいけないと分かりました。

左手に柵が見えても大石茶屋跡まではまだ少しあること、大石茶屋から馬返しまでは1.2km程ということ、左手にガードレールが見えて入会権者のみ通行可能な道との分岐からもうひと頑張りで馬返しに至ることなど、本番では苦しみしかない時間帯のチェックポイントも認識することができました。




その前まではボロボロのフレッシュフォームザンテパシュートの割にはキロ7分30秒台で走れていたのですが、終盤は流石にキロ8分近くになっていました。
辿り着いた馬返しは、“こんなに狭かったのか”と思うくらいわずかなスペースでした。本番ではここにドリンクやバナナを用意して下さる方が沢山おられ、また、富士登山競走の独特の空気の力でとても大きなものに感じられていたので、新たな発見があったといってもよいくらいでした。


下りは特に何か役立つ知見を得られるわけでもないからとボケーっとキロ6くらいで走っていましたが、距離くらいは測っておけばよかったです。高架から1km下は広場が開けた場所ということしか見ていませんでした。途中給水や信号、写真撮影で止まりながらとはいえ、フル翌日でも2時間強、18kmで高低差600m以上の道のりをそれ程苦しむことなく走れました。今の所フルの記録には結びついていませんが、このダメージの少なさと、とにかく行ってみようという好奇心は強みだと感じながら、金鳥居に戻ってきました。




富士山駅で荷物をピックアップし、15:04発の電車で河口湖駅へ。ここで職場へのお土産を買おうとしたところが、駅ではインバウンド組の大行列が。“10分もあれば買えるだろう”という目論見も甘く5分経ってもさしたる前進が見られないことから、見切りをつけて向かいのお土産屋さんに駆け込み、事なきを得ました。15:30河口湖駅発のバスに乗り込み、ようやくボディペーパーで汗を拭い、長袖長ズボンを着用します(ここまでずっと外国人観光客顔負けの半袖短パンおじさんでした)。


パン活(三島駅)
帰りは三島17:46発→新大阪19:57着のひかりでしたが、微妙に時間があるので、挑戦あるのみです。コロッケパンで有名なグルッペさんは、17:30の閉店直前に辿り着くことができ、ご当地パンの二枚看板、プレミアムみしまコロッケぱんと、みしまフルーティキャロットを購入することができました。コロッケパンは卵まで入っていてリッチですし、ソースともよく合います。フルーツは三島人参のみのようで、“人参だけでこんなに甘くなるのか”とおいしくいただきました。





最後に
山梨県唯一のフルマラソン大会ということで、予てより必ず出なくてはと思っていたのですが、ようやく宿願を果たすことができました。これも大会を開催して下さった河口湖町の皆様のお陰です。唯一無二の富士山を前に走るという貴重な経験をさせていただくことができ、心より感謝しています。
今回は富士山の沢山の姿を、自分でも想像した以上に見ることができ、自分だけの富嶽百景の一部を心に残すことができました。単に目で見るだけではなく、その場に立って感じることが何より一つの風景として自分の中に何かを残してくれます。富士山とは随分濃い関係になってしまいましたので、また度々訪れるつもりです。次は富士登山競走でしょうね。
この機会を与えて下さった皆様に重ねてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
ここまでご覧いただきありがとうございます。