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『日経サイエンス 2025年1月特大号』

英キュー王立植物園で描く 植物の美と科学 山中麻須美

英キュー王立植物園の5人の公認画家の一人である山中による、植物画についての解説
植物画(ボタニカル・アート)
これとは別に植物図(ボタニカル・イラストレーション)というのもあるらしい。ペン画のこと。
植物画家の観察力の高さとして、公認画家のひとりが新種を発見して自身で記載論文まで書いた話や、そこまでいかずとも、場合によっては研究者よりも詳しかったり、研究者と対等の立場で意見を述べていたり、というようなことが書かれている。
それ以外のところでいうと、ロレイン・ダストン、ピーター・ギャリソン『客観性』(瀬戸口明久・岡澤康浩・坂本邦暢・有賀暢迪訳) - logical cypher scape2で書かれていた「本性への忠誠」が生きているな、と感じられる記述がみられる
葉っぱの表と裏がわかるように描く、つぼみと満開のそれぞれの状態を(同時に)描く。標本では分からないところも、生きている状態・標準的な状態でそうなっているように描く(手元にある植物が正しい姿とは限らない)など。
特徴を捉える観察眼による「正確さ」が、写真ではなく植物画だからこそのものなのだ、と。
あと、科学と芸術の両面があるということも。

ノーベル賞で注目 ノンコーディングRNAが拓く新たな生命観  P. ボール

田口善弘『生命はデジタルでできている』 - logical cypher scape2中屋敷均『遺伝子とは何か』 - logical cypher scape2で知って、これらの本に書いてあったことと多少重複もあるが、より詳しい内容が書かれていて、勉強になった。インパクトの強さとか。
2012年、ENCODEが、これまでジャンクと思われていたDNA配列の多くも、RNAに転写されていることを明らかにして衝撃を与えた。


もともと、トランスファーRNAノンコーディングRNAではある。
1990年代にX染色体不活性化の研究で、XIST遺伝子からどのようなタンパク質を合成されるのか調べられていたが、まったくタンパク質は見つからず、実はRNAだった。
lncRNA(長鎖ノンコーディングRNA


ノンコーディングRNAが遺伝子の発現に影響をもたらす方法は2つ
生体分子凝縮体によるもの
クロマチンに影響するもの
また、RNAが足場になる、という働きをすることもある。


アンブロスのmiRNA(マイクロRNA)発見
2000年、ラブカンが線虫以外にも脊椎動物など様々な動物でMiRNAを発見
(アンプロスとラプカンはノーベル賞
1998 ファイアーとメローのRNA干渉(siRNAによるRNA誘導サイレンシング複合体のガイド)発見。ファイアーとメローもノーベル賞
miRNAはチームで働くのではないか、と考えられる。一つのmiRNAは、短くて汎用性があるというか、いろいろな配列と結びつくが、複数の組み合わせで機能することで、特定の配列をターゲットにできる。
このようなあり方は、進化的流動性を高めるメリットがある、と
他にもいろんなRNAが発見されている。


医療への応用も行われている
lncRNAを標的とした、あるいはIncRNA自体を医療応用する方法
研究は進められているが、まだ臨床に至ったケースはない。
miRNAを標的にした方法は、より実用化に近い。


単なるノイズやジャンクに過ぎない、という異論は今でもある、とのこと。
どれくらい機能をもつのがあるのか、その程度、割合というあたりではまだまだ論争がある。
そもそも「機能」とは何なのか。単に足場に使われているようなRNAは、機能を有するといえるのか。
ENCODEのことを考えると、タンパク質をコードしていない遺伝子のことを、もうジャンクだとは言っていられないのは確実だが、実際には、生物学の中で反発も大きいらしくて、これまでの理解を揺るがす存在ではあるみたい。

狩りをする女たち 最新科学が覆す「男は狩猟,女は採集」 C. オコボック/ S. レイシー

「男性が狩猟をしていた」説は影響力がすごく強いけど、これは誤っている、と。
この男性狩猟者説は、リーとデボアによる、1968年の『Man the Hunter』という論文集がきっかけで広がったらしい(意外と最近で驚いた)
実はこの時点で既に、女性も狩りをしていたというデータがあるのに、無視されている。例えば、渡辺仁は、自身のアイヌ研究の中で狩猟を行っているアイヌ女性について記録しているにもかかわらず、アイヌは男性が狩猟をしているという結論を出している、と。
当時、女性は体力的に劣っていると考えられており、スポーツ参加なども制限されていた。
生理学的な研究は、データの偏りが著しく、男性のみしか対象にしていない研究が多いとのことで、今後の研究者には是非この偏りを是正してほしい旨、記事中に書かれていたりする。
一方、データが限られている中でも、女性が体力的に劣っているとは言えなくなっている、と。
エストロゲンがキーで、これは脂肪代謝を活発にする。脂肪による代謝は炭水化物と比較して持久力をもたらす。また、エストロゲンは、筋破壊の抑制にも役に立っている。
また、女性は遅筋が、男性は速筋が発達しているということも知られており、持久力の必要な運動は女性が、瞬発的なパワーは男性がそれぞれ向いている、と。
ところで、太古の狩猟は、獲物が疲れるまで追い続ける、という持久力が求められるものだったとされているので、女性は体力的に劣っていて狩猟に向いていない、ということはなかっただろう、と。
また、ネアンデルタール人の化石から、損傷部位などに男女差が見られない、副葬品に男女差が見られないなどから、ネアンデルタール人社会では男女ともに狩猟をしていたと見られる、と(ネアンデルタール人は、集団規模が小さかったので分業は不利に働くとも)。
また、現代の人類学的調査でも、63の狩猟採集社会のうち79%で女性のハンターがいることが確認されている、と。
男女の分業が始まったのは農耕以後の話であり、狩猟時代には男女ともに狩猟を行っていたのではないか、と。

Science in Images 毛虫の電気感覚

五感とは別に、電場を知覚できる動物がいる。今まで水生生物で確認されていたが、地上で暮らす毛虫の一種にも確認された。ハチの静電気を知覚している。実験で、ダミーの電場を発生させたら、それに反応したと。おそらく、実際には、視聴覚と補完的に使用しているのだろう、と。

SCOPE 動物の細胞に葉緑体を移植

これ、Newton2025年1月号 - logical cypher scape2にも載ってたな。
あと、これ→葉緑体を動物細胞に移植し、光合成の初期反応を確認 東大など | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」
藻類の葉緑体をハムスターの細胞に移植
崩壊するまでの2日間ほど、電子伝達系の反応はみられた(カルビン回路はなかった)、という話らしい

ADVANCES 海のソーラーパネル/ファントムコスト

シャコ貝の内部に虹色に光る部分があるのだけど、それが共生している藻類に光を効果的に集めるためのものだったという話

  • ファントムコスト

お菓子をタダでくれる分にはそれを受け取るが、それに加えてお金もくれるようだったら、怪しく感じて受け取らない。異様に安い航空券とか、そういうものには何か裏を感じて逆に警戒する。人は、何かそこに隠れた動機(ファントムコスト)を感じ取っている。異様に安い航空券について、実は座り心地が悪いんですとか説明すると、受け取るようになる、と。

From nature ダイジェスト 人間はどこまで暑さに耐えられるのか

温度、湿度を自由にコントロールできる設備を利用して、暑さにどこまで耐えられるのか、そして、どのように冷却するのが効率的か、という研究がある。
人間がどこまで暑さに耐えられるのかについて、実は、これまで理論的なものしか出されておらず、公衆衛生ではその数字が使われてきた。しかし、そのモデルは、人間が動かない、汗もかかないという想定で作られている。
なので、これを改訂していこうという動きがある。
冷やすことについていうと、肌が濡れているかどうかは重要。乾燥した状態で扇風機を回すと、逆に心拍があがるが、肌が少しでも濡れていると効果がある、とかなんとか。

nippon天文遺産 昭和23年金環日食観測地 礼文島起登臼(上)

昭和23年・1948年、戦後間もない時期に、礼文島金環日食の観測が行われた話
この日食、中心帯1.2kmという狭い範囲で、日食持続時間も1.8秒という短いものだったのだけど、かなり大規模な観測が実施されたという。
当時の東京天文台の台長である萩原が中心となって行われたもので、戦後すぐの時期に、日本の天文学の一大プロジェクトとして行われたらしい。
観測隊は100人規模で、さらに報道陣が200人規模、礼文島に入ったとか。
日本だけでなく、アメリカもこの観測に興味をもち、GHQとの共同プロジェクトとなり、観測機器は戦車揚陸艦により、観測隊メンバーはGHQが運行した特別寝台列車に輸送された。
この記事では主に、荻原が、文部省と大蔵省との間とか、アメリカとの間とかで調整業務に追われて、出発直前に病気にもなって、と色々大変だったことが書かれている。




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