理性的な変人たちvol.5『口いっぱいの鳥たち』を見てきた。キャリル・チャーチルとデヴィッド・ランによる芝居である。直線的な物語は全くなく、いくつかの短編エピソードみたいなものが次々出てきて、全体的にジェンダーとかセクシュアリティ、階級、精神の病、人種などの問題が…というような感じの話である。一応エウリピデスの『バッカイ』の翻案といえば翻案…のような作品で、八つ裂きにされたり酒に溺れたりというような要素が盛り込まれている。相当に難解なのだが別につまらないとかいうことはない…ものの、たぶん翻訳を介しているせいで相当にわかりにくくなっている+可笑しさがなくなっているのでは…と思われるところがいくつかあった。とくにわかりづらいと思ったのは降霊術のくだりで、どうもカリブの呪術(ヴードゥー?)が題材と思われるのだが、カリブのアクセントを沖縄方言にしている…のまあまあよいものの、日本だとやはりこれがヴードゥーだということが大変わかりにくく、さらに憑いている霊が変わるところもよくわからない。とくに霊が譜面を言うところでは「八分のD」みたいな言い方をしているのだが、これは「八分音符のレ」みたいに訳さないと日本のお客にはよくわからないのではと思う。この場面は英語で見るとけっこう可笑しいのではと思われる。