東京フィルメックスでスー・チーの初監督作『女の子 Girl』を見てきた。
1988年の台湾が舞台である。シャオリー(白潤音)は酔っ払いの父親(ロイ・チウ)と虐待的な母(9m88)に育てられ、不幸な生活を送っている。ところがアメリカからやって来た転校生リーリー(林品彤)が急にシャオリーに接近してくる。リーリーのおかげで楽しい時を過ごせたシャオリーだったが…
酔っ払いの父親に虐待されている不幸な母親が娘を虐待する暴力の連鎖をリアルに描いた作品である、どうもスー・チーの半自伝的な作品らしい…ということを含めて、あまり救いがなくて非常に気の滅入るきつい映画だ。リーリーがまるで空から降ってきた美少女みたいな感じで、何の理由もなくシャオリーに話しかけて親しくし、いろいろ冒険に連れて行ってくれて、全く裏切らずに長い間シャオリーを気にかけてくれる。このふたりの間に少々クィアな感情の流れがあり、ここをもうちょっと掘り下げてくれたらさらに救いのある優しい話になったのに…とは思う。
初監督作としてはまあまあ良くできているのだが、ちょっと荒削りなところもけっこうある。カメラワークは手ぶれしすぎで、これは全く機能していない…というか、気持ち悪くなるだけでなんだかちょっと安っぽく見える。編集についてもわかりづらいところがあって改善の余地ありだ。さらに最後のエピローグみたいなところは要らないのでは…とも思う。とはいえ力の入ったちゃんとした映画ではあると思う。