結婚と性交渉が切り離され、人工授精による子作りが一般化した近未来の日本が舞台である。婚外に恋人を作るか、キャラクターなどを性愛の対象にするのが一般化しており、夫婦間での性交渉は近親相姦などと呼ばれて気味悪がられている。夫婦の性交渉から生まれた雨音(蒔田彩珠)はそのせいでいじめられて育ち、最初の夫に性交渉を強要されかけて離婚した後、朔(栁俊太郎)と結婚する。ふたりは千葉の実験都市エデンに引っ越すが…
原作のドライで不穏で淡々としたトーンを忠実に再現しているとは思うのだが、そのまんま映画にすると説明不足感もあり、またあんまり盛り上がらない感じもある。『コンビニ人間』なんかはなんで映像化されていないんだろうと思っていたのだが、この映画を見て村田沙耶香の作品を映像化するのってこんなに難しかったんだな…と思った。SF寓話なのでリアリティが重視されていないのはまあわかるのだが、架空のキャラクターに雨音や水内(結木滉星)が寄せている恋愛感情の描写があまりにも現実感がなさすぎて(全然、いわゆる推し活っぽいことをしておらず、持っているフィギュアもあんまり可愛くない) 、このへんはもうちょっと脚色してでもリアルさを出すべきでは…という気もした。