松竹ブロードウェイシネマでポーラ・ヴォーゲルの芝居『インディセント』を試写で見た。
1907年初演のショーレム・アッシュ作のイディッシュ語劇『復讐の神』上演をめぐるいざこざを、音楽とユーモアを交えて描いた作品である。少人数の役者でいろんな役をとっかえひっかえやる。『復讐の神』は今はそんなに上演される芝居ではないと思うのだが、当時はユダヤ人社会における売春やレズビアンロマンスを描いた作品ということで物議を醸し、アメリカで上演された際は法的取り締まりの対象になった。タイトルが「インディセント」(いかがわしい)というだけあって、猥褻な内容だと批判され、ユダヤ教コミュニティの外にいる保守派からはユダヤ教徒のいかがわしい暮らしぶりを描いていると見なされ、ユダヤ教コミュニティの保守派からはユダヤ教徒の暮らしぶりをねじ曲げていかがわしいネガティブなイメージをばらまいていると見なされる。このへんはちょっと『エンジェルス・イン・アメリカ』を思い出した…というか、あれもユダヤ教コミュニティ内外の両方の保守派から嫌われそうな要素が入っている芝居なので、ユダヤ系の劇作家が昔から経験していることなのかな…という気がした。