『サムシング・ハプンズ・トゥ・ミー』を試写で見た。
ヒロインはマドリッドで暮らすルシア(マレーナ・アルテリオ)である。父の介護をしながら企業のIT部署で働いていたルシアは勤務先がつぶれたため、タクシー運転手の仕事を始める。ルシアは近所に住んでいて『トゥーランドット』のアリア「誰も寝てはならぬ」を聴いていた役者のことが忘れられず、タクシーにこの役者が乗ってこないかと夢見ていた。
主演のアルテリオの演技は大変良いのだが、それ以外は全然面白いと思わなかった。まず、そもそもポスターでヒロインが『トゥーランドット』に引っかけたいんちき東洋ドレスみたいなものを着ている時点で東洋人としてはちょっとなぁ…と思う。内容については、テンポ感がかなり変で、中盤あたりはタクシー運転手の仕事を描いているだけで非常にテンポがのろいのだが、終盤はえらい駆け足である。さらに途中からキーになってくる芝居の描き方がかなり薄い…というか、同じような内容を『スリングズ・アンド・アロウズ』とか、最近なら『顔を捨てた男』とかがもうちょっと上手に扱っていたと思うので、そこも舞台をふだんから見ている人間としてはかなり不満だった。