Ghostlightを試写で見た。
ダン(キース・カプファラー)は息子を自殺で亡くした後、反抗的で学校で問題を起こしてばかりの娘デイジー(キャサリン・マレン・カプファラー)に手を焼いていた。息子の自殺について訴訟も起こす予定で、心労に耐えかねたダンは職場である工事現場で通行人とトラブルを起こしてしまう。そんなダンを見た近所のコミュニティ劇場の役者リタ(ドリー・デ・レオン)は、ダンをアマチュア演劇の上演に誘う。全く演劇のことを知らなかったダンは『ロミオとジュリエット』について初めて学び、ミュージカル好きの娘との間に共通の話題ができるようになるが…
大変静かで地味だが、アマチュア演劇を主題とするよくできた作品である。序盤のほうではあまりはっきり状況が示されていないのだが、ダンは明らかに息子を失ったことに苦しんでおり、感情を抑圧していてそのせいでいろいろなことがうまくいかなくなっている。そこで演劇を通して自分の感情に向き合うやり方を学ぶ…のだが、そのきっかけを作ってくれるジュリエット役のリタもなかなか一筋縄ではいかない人物で、ロミオ役に年寄り扱いされるのはいかにも気の毒である一方、わりと昔気質の役者なので役者同士の接触や感情の共有のあり方なんかについては現代風のやり方をちゃんと理解できていないところもあったりして、ちょっと危ういな…と思うところもある。それが中盤以降ではアマチュアでお金がなくてもちゃんとみんなでインティマシーコーディネーションについて学んでいこう…ということになり、演出家がインティマシーコーディネーター役を頑張ってつとめて役者陣も感情表現がやりやすくなるという展開になっている。演劇を通して人が癒しや解放を得るプロセスを丁寧に描いた映画である。