シアター・クリエでノエル・カワード作、熊林弘高演出『陽気な幽霊』を見てきた。
チャールズ(田中圭)はルース(門脇麦)と結婚して田舎の大きな家に住んでいたが、霊媒師のマダム・アーカティ(高畑淳子)を呼んで降霊会を催した後、前妻エルヴィラ(若村麻由美)の幽霊が突然出現する。チャールズにしか見えない幽霊エルヴィラはあの手この手でルースを追い出そうとしており、家庭は崩壊寸前になる。マダム・アーカティをまた呼んでなんとかしようとするものの、なかなかうまくいかず…
セットや雰囲気はいいし、みんな頑張ってはいる…のだが、初日だったのもあってチャールズ役の田中とルース役の門脇があまりセリフをうまく処理できていないという印象を受けた。ふたりとも以前に(もうちょっとシリアスな演目で)見た時はわりと良かったような覚えがあるので別に主演が下手だからとかいうわけではないと思うのだが、たぶんノエル・カワードが要求するセリフの特殊なテンポや機知みたいなものが日本でよく上演されるタイプの翻訳劇とはかなり違っているので、不慣れなんだろうと思う。とくに序盤はふたりとも妙にセリフがもたついたり詰まってるみたいな感じに聞こえたりして、どうもテンポが良くないな…と思った。私は何回かカワードをイギリスとかアイルランド役者で見たことあるのだが(この演目は映画だけで舞台では見たことない)、なんかもっと初っ端からいっぱい笑えることが多かったような気がする。もっと経験のある俳優が演じているマダム・アーカティとエルヴィラが出てきてからはそれに引きずられる感じでテンポが上がってちょっと良くなったと思うのだが、いやはやノエル・カワードは日本でやるのが本当に難しいんだな…と思った。
なお、この芝居の感想を調べようと思って検索したら不倫の話題ばかり出てきてビックリした。全然知らなかったのだが主演のひとりが不倫スキャンダルの渦中だそうで、芸能人の不倫なんてまったくどうでもいいくだらないゴシップだと思うので、検索の邪魔になってひたすら迷惑なことである。