チャリングクロス劇場で新作ミュージカル『スティレット』(Stiletto)を見てきた。1730年代初頭のヴェネツィアが舞台で、カストラートのマルコと奴隷の娘である黒人のソプラノ歌手ジョイアのロマンスを軸に不倫あり殺人あり汚職ありの波乱の物語が繰り広げられる、いろいろてんこもりのメロドラマである。次から次へといろんなことが起こるので、全体的にちょっと詰め込みすぎでは…と思うようなところもあり、最後の裁判の場面で殺人疑惑と汚職は直接は関係ないのでは…というようなツッコミどころもあるのだが、まったく退屈はしないし、また歌はけっこうドラマティックで歌手陣も上手く、聴き応えがあった。全体的にオペラのパロディとかオマージュみたいな作品なので、たぶん私がオペラに詳しかったらもっと楽しめたのだろうと思う。