バレエドキュメンタリー『コール・ミー・ダンサー』を試写で見た。
ムンバイ出身のマニーシュ・チャウハンは大学に入るくらいの年になってからボリウッド映画のダンスに魅せられ、自己流でブレイキン系のストリートダンスを身につけて頭角を現すようになる。テレビのオーディション番組出演をきっかけにダンススクールで学ぶことになり、そこでイスラエル系アメリカ人のバレエ教師であるイェフダ・マオールに見出される。イェフダの教え子でライバルだったアミールはイギリスのロイヤルバレエ学校に入学できることになるが、だいぶ年をとってからバレエを始めたマニーシュはクラシックバレエ団には入れない。一方で変わったキャリアパスが注目されてマニーシュのこれまでの人生を描いた映画『バレエ:未来への扉』も作られるようになる。マニーシュはイェフダのすすめでコンテンポラリーダンスの世界に入り、苦労しながらプロとしての成功を目指す。
とにかくバレエの世界の厳しさがわかるドキュメンタリー映画である。バレエを始めたのが遅かったことがマニーシュにとっては大変なハードルになっており、才能はあるがなかなかクラシックバレエの世界では受け入れてもらえないし、インド出身であまりお金がないのも足を引っ張る要因になる。新型コロナウイルス感染症の流行でロックダウンが始まり、このまま何もせずに年をとって結局プロのダンサーとして成功できないのではないか…とマニーシュが不安にかられるところはなかなかきつい。一方でイェフダは技術のことについては厳しいが非常に生徒想いの先生で、才能のありそうな生徒がチャンスをつかめるよう常に協力しており、マニーシュが成功できるよう全力を尽くす。そのおかげでマニーシュがニューヨークでソロのダンサーとしてプロへの道を踏み出すところで終わっており、明るい結末になっている。