ウェクスフォードオペラ祭2日目の夜は『批評家』を見てきた。チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォードがリチャード・ブリンズリー・シェリダンの有名な18世紀の戯曲をオペラ化したものである。キアラン・マコーリーが指揮、コナー・ハンラティが演出をつとめている。
原作は劇作家がリハーサルに批評家を呼ぶという内容なのだが、この作品では劇作家パフ(マーク・ランバート)が自分の作品をオペラにするということで、批評家だけではなく作曲家が同席するという展開になっている。パフと作曲家ダングル(ジョナサン・ホワイト)、批評家のスニア(アーサー・オリオーダン)は歌わず、この3人はパフとダングルが作ったオペラのリハーサルを見ながらいろいろ話したりコメントしたりする。このオペラがとにかくひどい内容で、エリザベス朝のスペインとイングランドのアルマダの海戦を描いたメロドラマチックな作品なのだが、登場人物の名前からしておかしいわ、設定に無理があるわ、途中で全然話に関係ない場面が挿入されるわ、全く歌いもしゃべりもしない人がひとりで出てくるだけの妙な場面があるわ、出来の良くなさそうな舞台作品のいろんな要素を面白おかしくパロっている。出演者のほうも傍白をデカい声っで言ってしまったり、いろいろ混乱している。批評家はせっかく呼ばれているのに、リハーサルに呼ばれたのが嬉しいのか、たまに文句は言うもののたいして役に立たない(これは批評家としては見ていてキツいところである)。音楽のほうもベートヴェンなどさまざまな作曲家の作品をパロディにして組み込んでいてコミカルだ。とにかく笑えて洗練された諷刺をやっている作品だと思った。