パーカー・フィン監督『スマイル2』を見てきた。低予算で大ヒットしたホラー『スマイル』の続編である。
この作品は前の作品の6日後から始まる。ヒロインであるポップスターのスカイ(ナオミ・スコット)は薬物中毒と交通事故による長期休業から復帰するが、事故の後遺症である痛みに耐えるため、ヴァイコディンを扱っている昔の友人に再度連絡をとってしまう。ところがその友人が目の前で笑みを浮かべながら残虐なやり方で自殺をしてしまう。それ以降、スカイの周りで奇妙なことが起こり始める。
手持ちカメラ撮影を織り込んだ犯罪映画みたいなシークエンスから始まるので、「ほんとにこれで超常ホラーになるのか…?」と思うのだが、それが中盤くらいからスカイの話にちゃんとつながる。前作からけっこう残酷描写がある映画だったが、第2作はさらにゴア描写がアップしているような気がする…というか、超常ホラーではあんまり予想しないような銃撃戦や交通事故の克明描写から始まるので、意外性がある。前作よりも予算がかかっており、スカイのポップスターとしての暮らしぶりとかコンサートの様子を撮る際のデザインなどはジャッロ風のちょっとオシャレな色調で割合ちゃんとお金を使ってやっているように見え、ホラーのお金の使い方としてはけっこう良いのではないかと思った。
『アラジン』ではジャスミン役だったナオミ・スコットがスクリームクイーン役なのだが、このキャスティングがかなり良い…というか、私は『アラジン』でも『チャーリーズ・エンジェル』でも、スコットは気品があって可愛らしいのに、いまいちふんわり優しい感じで強い存在感というかパンチがないのがなかなか難しいところだと思っていたのだが、この映画はそういうふわっとした稀薄さみたいなものがたいへんうまく働いている。スカイはポップスターなのだが、ショービジネスで生き抜くための腹の据わった強さみたいなものに欠けており、中身はプレッシャーや過労に弱い、どこにでもいるような若い女性である。そのせいでひどく身勝手な行動をとったり、他人を傷付けて取り返しのつかないことをしてしまったりするのだが、そこにスマイルの病がつけこんでくる。このあたりの機微をスコットが大変上手に演じており、とくにイベントでスピーチをする場面の居心地の悪さなどはたいていの残虐描写よりイヤな感じで、見ていていたたまれなくなる一方、話はちゃんと盛り上がるのがいいと思った。