『エイリアン:ロムルス』を見てきた。時系列としては『エイリアン』と『エイリアン2』の間のお話だそうである。
ヒロインは劣悪な環境の星でウェイランド=ユタニ社により奴隷のような契約で働かされているレイン(ケイリー・スピーニー)である。アンドロイドであるシャイなきょうだいアンディ(デヴィッド・ジョンソン)とともに他の惑星に旅立ちたいと思っていたが、会社が勝手に労働期間を延長してしまう。にっちもさっちもいかない状況に追い込まれたレインは、以前のボーイフレンドだったタイラー(アーチー・ルノー)の誘いで、何人かの仲間とともに打ち捨てられた宇宙ステーションから冷凍冬眠装置を盗んで逃げる計画に参加することになる。ところがその宇宙ステーションは訳ありだった…
狭い空間や暗い空間などをいかにも怖い感じに撮るという『エイリアン』第1作に倣ったスタイルを採用しつつ、無重力を使ったり、広い空間を高速で移動するようなアクションを盛り込んだりしてうまくメリハリをつけている。きちんと今風のSFホラーに仕上げつつ、たいへん『エイリアン』シリーズらしい美的なこだわりも感じられる作品である。貧しい若者たちが一発逆転のために盗みに入るという犯罪サスペンスっぽい展開で、序盤はバカっぽい人からやられて…みたいなところもありつつ、アンディとレインの関係がわりときちんと描かれており、ケイリー・スピーニーはシガニー・ウィーバーよりだいぶ線が細いのに、リプリーの精神を受け継いだしっかり者のファイナル・ガールをちゃんと演じている。終盤はちょっとImmaculateを思わせるところもあり、出産に対する恐怖や女性が中絶できることの重要性というのは、アメリカのホラー映画では現在ものすごくリアルに感じられるポイントなんだろうな…と思った。
『エイリアン』おたくがとても楽しく作ったんだろうな…と思うところがたくさんあるのだが、そこが面白いところでもあり、悪ノリともとれると思った。アッシュにそっくりのロボットであるルークが出てくるところなどは「おおっ!」と思いつつ、イアン・ホームは既にお亡くなりになっているので、あまりにも現実とつながっていてなんとなく居心地悪かった。よく考えるとアッシュもイアン・ホームも企業によって無理に生かされていることになると思うので、映画会社がウェイランド=ユタニ社と同じくらい強欲なことをしているようにも思えてくる。また、アンディがとある有名なセリフを言うところはとても笑えるのだが、これも時系列を考えるとなんかちょっとおかしくないか…という気もしてくる。一番気になったのは最後のところで、亡くなった登場人物の遺体の処理があんまりきちんと示されていないところがあり、これって次作でなんかものすごく強引な展開を持ってくるつもりなのでは…?とちょっと不安になった。