ビューリーズ・カフェ・シアターでジョイスの『ダブリン市民』の短編2本を舞台化した「小さな雲」「対応」を見てきた。ジム・ロシュとリアム・フーリカンが翻案・演出・出演をつとめており、どちらもひとり芝居で音楽がつく。いずれもあんまり後味は良くない短編である。ロンドンで成功しているイグネイシャス・ギャラハーとダブリンでくすぶっているリトル・チャンドラーの会話を中心にした「小さな雲」のほうがまだユーモアのある展開だし、音楽が赤ん坊の泣き声を現すために使われているあたりも面白おかしい演出なのだが、最後は寂しい雰囲気だ。「対応」は家庭内暴力の予感で終わるのでかなりイヤな感じのする作品である。