スモックアリー劇場でコート・ジェスター・シアターによる『ドリアン・グレイの肖像』を見た。サミュエル・クラークの台本・演出によるもので、4月に見たキップ・ウィリアムズによる『ドリアン・グレイの肖像』とは全くの別物である。なお、スモックアリーは何度も行っているのだが、いつもはボーイズスクールという小さいスタジオのほうで、今回初めて大きいメインスペースに入った…ところ、椅子が段違いにマシだった。
映像を駆使したウィリアムズ版に比べると全く予算がかかっていない芝居だが、気の利いたしっかりした作りの作品でけっこう面白い。肖像画のかわりにドリアン(フィニアン・スミス)が自分で額縁を持って中に入って絵のフリをするとか、予算がないのを逆手にとって笑わせるところもある(先日スモックアリーのスタジオのほうでやっていたThe Last IncelでもPC画面を四角い枠で表現しており、ちょっとそういうのが流行っているのかもしれない)。楽団が出てくる場面では役者陣がそこらへんのいろんなものを楽器に見立てて弾くフリをしており、ここも笑えた。
このプロダクションのドリアンはとてもイケメンだが中身はなーんにも考えていない感じなのが良いと思う。先日見たウィリアムズ版のサラ・スノークのドリアンはなんだかんだでちょっと複雑そうな性格だと思ったのだが、フィニアン・スミスのドリアンは単純で影響されやすくて子どもっぽく、それなのにとてもハンサムなのがいろいろ運の尽きという感じである。全体的に役者陣は良かった。