バーレスク・ホール・オブ・フェイム・ウィークエンド3日目の夜は34th Annual Tournament of Teaseということで、コンペティションである。夜の20時から5時間くらいかけてデビュー部門、小グループ部門、大グループ部門、タイトルの挑戦者がショーを披露する。昨年から性別でのカテゴリ分けがなくなっており、性別を問わず同じ基準でタイトルを争う。
全体的にどのショーも粒揃いで高い水準ではあるのだが、わりとみんな安全策をとっているのか、そこまでビックリするほど独創的だとか技術がすごいというようなものはあんまりなかった気がする。また、審査のほうもけっこうオーソドックスなものを選んでいる気がした。話によると去年はけっこうあっと言わせるようなものが多かったらしいので、ちょっと逆に振れたのかもしれない。一番面白かったショーは去年のタイトル保持者であるサムソン・ナイトのステップダウンショーで、タイトル保持者として、自分はタイトルにふさわしいくらい才能があるのか、大丈夫だろうか…みたいな不安と戦いつつ、自信を再び取り戻してチャンピオンとしてみんなを楽しませる…みたいなコンセプトをユーモアと完成された技術で表現しており、さすがに去年の優勝者はすごいと思った。
個人的に、デビュー部門で記憶に残っているのはEgo Von Hubrisで、脱いでも脱いでもスーツが出てくるというコミカルでバーレスクの決まりを逆手にとったようなショーをやっており、発想が面白いと思った。通常タイトル部門では、ランナーアップになったマーゴ・メイヘムが衣装がどんどん替わる面白いギミックを使ったこれまたコミカルなSFっぽいショーをやっており、非常に私好みだった。また、2004年のタイトル保持者であるダーティ・マティーニのショーは相変わらず鉄板だった。
なお、グループ部門について、小グループ部門はめちゃくちゃ私が苦手なタイプのショーをやったリリー・スナッチドラゴン&マーク・アンソニーが、「これ、私は嫌いだけど白人にはウケるだろうな」と思って見ていたらやはり賞をとっており、ちょっとどんよりした。東アジアや東南アジアの女性に対する偏見をモチーフにしたショーで、『ハリー・ポッター』シリーズのチョウ・チャンに関する語りから始まるあたりはおっ…と思ったのだが、赤っぽい衣装を着たアジア人女性が束縛を解いて服を脱いで行く一方、後ろにいる白人のボーイフレンド(という設定のドラァグキングであるマーク・アンソニー)はあんまり何もせず、脱いだり踊ったりもせず、最後はただ歩いて出て行く…みたいな構成で、白人が別にこらしめられるでもおわびするでもなく、アジア人女性が勝手にひとりで解放されるだけだから白人のお客さんには口当たりがいいんだろうなーと思って見ていた。私はこういうタイプのショーは非常に嫌い…というか、結局この構成だと、白人は何の努力もせず、アジア人の女性がひとりで頑張って脱いでキラキラすればいいんだよ!みたいな感じになるので、勘弁してくれ…と思って見ていた。
大グループ部門のほうはチーズケイク・バーレスク・レビューが賞をとったのだが、これは女性スーパーヒーローが市民を助ける様子を描いたコミカルなショーで、大変気持ちよく笑えて元気が出るキュートな内容だし、黒い地味な帽子がキャプテン・アメリカの楯に変わるところとかは衣装にも工夫があったので、賞をとるのは当然だと思った。この部門には日本からハロムナ!が出ていたのだが、米米クラブの「FUNK FUJIYAMA」にあわせたセルフオリエンタリズム的なショーで、これはクラブとかではウケるかもしれないがコンペティションでは賞はとれないのでは…と思った。セリフオリエンタリズムっぽいものを白人に見せるというのは、見るほうも評価しづらいし、ちょっと今は難しくなってきていると思う。

