𠮷田恵輔監督の新作『ミッシング』を試写で見た。
沙織里(石原さとみ)と豊(青木崇高)の夫婦は、小さな娘の美羽が行方不明になって以来必死に捜索を続けていたが、全く手がかりは見つからない。地元のテレビ局員である砂田(中村倫也)以外は報道も関心を示さなくなる。砂田が調査を続けるうち、どうも沙緒里の弟である圭吾(森優作)が何かを隠しているらしいことがわかってくるが…
ミステリっぽい謎解きではなく、子どもが失踪した後の夫婦の温度差や、姉弟の間のぎくしゃくした関係、報道のあり方などを中心に据えた重い人間ドラマである。出てくる人たちは悪意はないのだが誤解されやすいところや失敗しがちなところがあり、とくに沙緒里は自分がそういうタイプであることを自覚しているのでネットの中傷などにとても敏感だ。沙緒里役の石原さとみが、疲れ切った庶民的な女性を非常にリアルに演じている。全編、深刻で真面目な話で、とくに何かが劇的に解決するとかいうわけではないのだが、最後は少し明るい後味で終わるのがいい。