この辺りは未知の法則に支配されているようだ。なかなか面白い、少し書き留めておこう。
「Windowsの上でLinuxが動く?便利そうだが、儀式(設定)が難解そうだ…」 「Hyper-Vや、会社のプロキシという結界の中でも、その魔法は通用するのだろうか?」 そんな不安から、WSL2という、禁断の召喚術に二の足を踏んでいる、若き冒険者のあんたへ。もう、心配は無用だ。
この羊皮紙には、WSL2の召喚を検討している全てのWindowsの民に向けた、手順を一つひとつ丁寧に解説する「完全詠唱の書」を記した。 驚くほど簡単になった基本の召喚術から、Hyper-Vという入れ子の世界や、プロキシという結界の中での、より高度な儀式まで。あんたが直面するであろう、あらゆる疑問や不安を、この一枚の羊皮紙が、全て解決してくれるだろう。
この羊皮紙のあらまし
- この羊皮紙のあらまし
- この羊皮紙が導く者
- 詠唱レベル1:【基本編】コマンド一発!魂の召喚
- 詠唱レベル2:【応用編】Hyper-Vという、入れ子の世界での召喚
- 詠唱レベル3:【実践編】召喚後の、魂を育てる儀式
- 羊皮紙を巻く前に
- 砂漠で見つけた魔法のランプ
- ラクダの独り言
この羊皮紙が導く者
- WSL2という、禁断の召喚術に、初めて挑む全てのWindowsの民
- Hyper-Vという、入れ子の世界で、WSL2を動かしたいと願う上級魔法使い
- プロキシという名の、強力な結界の中で、WSL2をセットアップする必要がある者
詠唱レベル1:【基本編】コマンド一発!魂の召喚
まずは、この魔導書の、最も基本的な呪文から始めよう。 Windows 11(またはWindows 10 v2004以降)ならば、以下の儀式だけで、WSL2とUbuntuの魂が、あんたの元へ降臨する。
- PowerShellを「管理者」として、その祭壇を開く。
以下の、たった一行の、魔法の呪文を詠唱する。
wsl --install- あとは、ただ待つだけ。PCを再起動すれば、あんたのWindowsに、Linuxの魂が宿る。
詠唱レベル2:【応用編】Hyper-Vという、入れ子の世界での召喚
ここからは、Hyper-Vという名の、仮想の箱庭の中で、さらにWSL2を召喚したい、上級者向けの秘儀だ。 「仮想の中の、さらに仮想」を実現するには、「入れ子構造(Nested Virtualization)」を許可する、二つの特別な呪文を、ホストOS(親PC)のPowerShellで唱える必要がある。
# 仮想化の拡張を許可する Set-VMProcessor -VMName "<VMName>" -ExposeVirtualizationExtensions $true # MACアドレスの偽装を許可する Get-VMNetworkAdapter -VMName "<VMName>" | Set-VMNetworkAdapter -MacAddressSpoofing On
この二つの呪文を唱えなければ、WSL2は「初期設定エラー」という名の、拒絶反応を示すだろう。

詠唱レベル3:【実践編】召喚後の、魂を育てる儀式
魂を召喚したら、次は、その魂が快適に暮らせるよう、環境を整えてやる儀式だ。
【重要】プロキシという名の結界を突破する
会社のネットワークという、強力な結界の中で旅をするなら、この儀式は必須だ。aptやwget、そして環境変数。三つの異なる古文書に、プロキシサーバーという名の、通行手形を正確に記さねばならない。
aptの古文書 (
/etc/apt/apt.conf)Acquire::http::Proxy "http://<user_id>:<password>@<host>:<port>"; Acquire::https::Proxy "http://<user_id>:<password>@<host>:<port>";wgetなどの古文書 (
/etc/wgetrc)https_proxy = http://<user_id>:<password>@<host>:<port> http_proxy = http://<user_id>:<password>@<host>:<port>魂に直接刻む、環境変数の古文書 (
/etc/profile.d/proxy.sh)export http_proxy=http://<user_id>:<password>@<host>:<port> export https_proxy=${http_proxy} export no_proxy="127.0.0.1,localhost"
大地を清め、言葉を授ける
プロキシの結界を突破したら(あるいは、その必要がなければ)、apt updateとupgradeで大地を清め、language-pack-jaで、日本語という我々の言葉を授ける。
羊皮紙を巻く前に
「wsl --install」
この、あまりにシンプルな、たった一行の呪文。
それだけで、Windowsの利便性と、Linuxの強力な魂を、同時に手にできる時代がやってきた。もう、デュアルブートや、別のPCという名の、面倒な旅支度は必要ない。
この羊皮紙が、あんたの不安を取り除き、快適なWSL2ライフという、新たな冒険への第一歩となることを願う。
東の空が白んできた。次のオアシスへ向けて、そろそろ荷造りを始めるとしよう。
砂漠で見つけた魔法のランプ
- DockerをWSL2にインストールする、かつての冒険記録
- Microsoft公式の古文書 (WSL Install)
- 清水理史の「イニシャルB」による、賢者の解説
- Hyper-V上のWindows 11に、魂を吹き込む儀式 (1)
- Hyper-V上のWindows 11に、魂を吹き込む儀式 (2)
ラクダの独り言
ご主人が「窓の中に、ペンギンを召喚する!」とか言って、また黒い画面に呪文を打ち込んでいる。俺に言わせりゃ、窓は窓、ペンギンはペンギンで、別に一緒にいなくたっていいだろうに。まったく、人間ってのは、ごちゃごちゃと混ぜるのが好きだな。おっと、また腹が鳴っちまった。
