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准胝陀羅尼経に現れる阿鉢羅是多菩薩と訶利底菩薩――在家向け准胝法という視点から

 覚えていないと思いますが、過去に「准胝経」つまり『仏説七倶胝佛母心大准提陀羅尼経』に出てくる尊を今後紹介していくと宣言し、最初に多羅菩薩を紹介しました。

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 その後、多羅菩薩は師のご助言もあり、当院になくてはならない尊となりお像を自作するに至ったのは過去の記事の通りです。

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 その後、准胝陀羅尼経に登場する尊に触れてこなかったので、いまさら忘れたころにですが💦……お経に登場する阿鉢羅是多菩薩(あばらせいたぼさつ)と訶利底菩薩(かりていぼさつ)について、説明したいと思います。

 ただ、なぜこのお経にこの二尊が登場したかを明確に述べているものはおそらくない気がするので、多方面から情報収集した私の持論であることを最初にお断りしておきます。

 

 この経は、いわゆる准胝法――とくに在家向けの行法として読むと、非常に特徴的な構造を持っています。阿鉢羅是多菩薩と訶利低菩薩の名が登場するのは転法輪(あるいは塔)の前で准胝陀羅尼を唱え、塔の周囲を右回りに繞る。すると、その行に応じて、阿鉢羅是多菩薩と訶利低菩薩が現れ、行者の願いを成就させる、と説かれています。

 このお経で語られているのは、むろん高度な密教行ではありません。陀羅尼と身体動作だけで成立する、きわめて簡潔な行です。

 だからこそ、この経に現れる尊たちの意味を丁寧に見ていく必要があると感じました。

阿鉢羅是多菩薩とは何者か

 准胝陀羅尼経に現れる**阿鉢羅是多菩薩(あばらせいたぼさつ)**は、サンスクリット名 Aparājitā(アパラージター)の音写です。

 アパラージターは、インド密教では十忿怒王尊の一尊とされ、日本では無能勝明王として知られるアパラージタ(Aparajita)の妃、すなわち無能勝妃と理解されてきました。

 まあ、普段は耳にすることはないご尊格ですよね。

 

 この尊は、もともとヒンドゥー教起源の土俗神であったと考えられていますが、仏教に取り入れられる過程で性格が大きく変化します。

 『無能勝大明陀羅尼経』では、釈尊成道の際に無能勝明王が魔物を降伏したと説かれ、また『摂無礙経』では、釈尊が忿怒身を現じた姿であるとも記されています。

 つまりアパラージターは、釈迦の覚りと結びつけられ、忿怒相をもって障碍を降伏する、きわめて実践的・実働的な尊として再定義されていきました。

図像的特徴

『サーダナマーラー』に説かれるアパラージターの最大の特徴は、右手で平手打ちのしぐさをとる姿です。この印相は、他の尊には見られない、アパラージター固有のものとされています。

 また図像では、ガナパティ(ガネーシャ)を踏みつけ、ブラフマーなどのヒンドゥー神が傘をさしかける姿で表されます。これは、ヒンドゥー教的世界観に対する仏教側の優位性を示す、当時の常套的表現と理解されています。

訶利低菩薩とは何者か

 これはご存じの方はいるでしょう。つまり訶利帝母(かりていも)、別名鬼子母神です。

 訶利帝母は、もともと子を奪い食らう鬼神として恐れられていた存在ですが、仏典では、釈尊によってその行いを戒められ、母としての苦しみを悟ったのち、子を守り、衆生を養う存在へと転じたと説かれています。

この性格は、准胝信仰と非常に深く結びついています。

七倶胝仏母という尊名が示すこと

 准胝尊は「七倶胝仏母」と呼ばれます。七倶胝とは無量の数、すなわち無量の仏を生み出す母という意味です。

 ここでいう「母」は比喩ではなく、生み出す、生起させる、仏徳を顕現させる、という生成そのものの原理を指しています。

 その意味で、准胝尊は、子を授ける仏母としての性格を、尊名そのものに内包している尊です。准胝が子宝・安産と結びついて信仰されてきたのは、後代の民間信仰の付会ではなく、この「仏母」という性格に由来するものだと考えられます。

訶利帝母の役割

 そのうえで、訶利帝母は、生まれた命を守る、育てる、生活として持続させる、という役割を担います。

つまり、准胝仏母=生み出す力訶利帝母=育て、守る力、という関係です。

 准胝信仰が在家の切実な願い、とりわけ子に関わる願いに強く応えてきた背景には、この二重構造があったと私は考えています。

准胝陀羅尼経における二尊の現れ方

 准胝陀羅尼経では、准胝尊そのものは前面に出ず、しかし「七倶胝仏母心」という形で性格は明示され、その行に応じて、阿鉢羅是多菩薩と訶利帝母が具体名で現れる、という構成になっています。

 阿鉢羅是多菩薩が、障碍を砕き、行の道を開く尊であるのに対し、訶利帝母は、その結果を、生活の中で、持続可能な形にする尊として現れます。

これは、准胝法が「悟るための修行」以前に、「生きるための行」であったことを、はっきり示しているように思われます。

七観音』における解釈について

 この箇所について、『七観音』(伊藤丈 著)では、准胝陀羅尼経の一説として、文殊菩薩の随伴者である阿鉢羅是多菩薩と訶利帝母が現れる、という趣旨の現代語訳・解説が示されています。

 この整理は、胎蔵曼荼羅(原図曼荼羅)において、阿鉢羅是多が文殊院に配されていることを踏まえた、後代の体系的注釈としては理解できます。

 ただし、経文そのものを読むと、准胝陀羅尼経の本文には、文殊菩薩の名、文殊菩薩の説法、文殊菩薩の命による尊の出現、はいずれも記されていません。

 この点から見ると、阿鉢羅是多菩薩と訶利帝母は、誰かの随伴者として現れるのではなく、行そのものに応じて現れる尊として描かれていると読む方が、経文の流れには素直だと私は感じます。

文殊菩薩について(補足)

 もちろん、後代の密教体系において、阿鉢羅是多が文殊院に整理されたこと自体を否定する必要はありません。

 ただしそれは、体系化された後の理解であって、准胝陀羅尼経が伝えている行の感覚そのものとは、必ずしも同一ではないように思われます。

まとめ

 准胝陀羅尼経における阿鉢羅是多菩薩と訶利帝母は、准胝仏母という生成の原理を背景に、行に応じて現れる実働の尊であり、在家の生活世界に直接作用する存在として描かれていると、私は考えています。

 この二尊の配置を見ると、准胝法が、生活を捨てずに行じるための密教であったことが、とてもはっきりしてきます。

 

 経文に書かれていることと、後代に整理された体系とを丁寧に分けて読むことで、准胝法が本来持っていた在家行としてのリアリティが、より鮮明に見えてくるのではないでしょうか。

 

祈願のお申込みについて

 本院で承っている祈願につきまして、以下解説ページから。

本尊准胝仏母祈願

当院のご本尊である准胝仏母さまの祈願です。滅罪、延命、求子に強いご尊格です。

 荼枳尼天尊祈願

荼枳尼天とはお稲荷さまの仏教でも呼び名です。

商売繁盛、学業増進、立身出世など増益につよいご神さまです

人型加持

 病気平癒、健康維持にとてもよく効く祈祷で、お加持をした「お札」を毎日枕の下に入れてその札に「悪いもの」を吸い取ってもらうように機能させます。人によっては患部に当てるよう袋を作ってお守りのようにしている方もいます。不動明王による祈祷を行いますが、当院では延命に強い准胝仏母の力もお借りして祈祷致します。

 文殊菩薩祈願

「三人寄らば文殊の知恵」というように智慧を象徴する尊格です。学業増進祈祷、無明を断ち切る祈祷などでお力をいただけます。受験用のお守りもお出ししています。

先祖供養・家族の敬愛祈願

光明真言にによる供養(光明供)にて、ご先祖供養を致します。光明真言には強い滅罪の功徳がございます。祈願を叶えるには先祖供養がしっかりできているのが大前提です。

多羅菩薩(ターラー菩薩)祈願

(「どんな衆生でも救う」という使命を持って誕生した慈悲深い菩薩さまです。皆様の願いを菩薩さまにお伝えするお手伝いをします)

星祈祷

年始(旧正月)に「星祭」を行い、祈祷札をお出ししておりますが、随時「星祈祷」をお受けしています。

不動明王祈願 

不動尊華水供を修法致します。

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