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垣根を超える准胝信仰

 准胝仏母の信仰、日本ではあまりメジャーとは言えないですね。残念ながら。

 でも、世界を見渡してみると、ある国では絶大な人気を誇っています。

 試しに「cundi」という単語で画像検索をしてみてください。びっくりするくらいの数の准胝仏母の画像が出てきます。

 その国とは――「中国」です。

 日本の仏教は中国経由で伝わったものがほとんどなのに、なぜ日本ではそこまで准胝仏母が知られていないのか? 不思議ですね。その理由はいくつかありそうです。

 なかでも仏教が伝わった時代の違いが関係が大きいのかな? と私は考察しています。

 日本に仏教が定着したのは、主に唐代の密教が伝えられたとき。最澄天台宗)や空海真言宗)が持ち帰ったもの。この時点で准胝仏母も日本に伝わっていましたが、密教の中心的な仏としての位置には至りませんでした。

 一方、中国ではどうか? 実は時代が進むにつれ、「顕密双修」という考えのもとで「なぜか」准胝仏母が密教の象徴仏として定着していく流れが起こります。

 では、どうして中国ではここまで准胝仏母が重視されるに至ったのか?を探っていきます。

一つの超重要な書物を紹介します。

『顕密円通成仏心要集』

 これは、中国の遼代に書かれた仏教の本で、顕教密教を統合しようとしたものです。特に異様に准胝仏母の修行法が詳しく書かれているのがポイント。

 個人的には准胝信者必読書だと思うのだが、何分中国の古い文献。さらに中国の古い仏教思想が背景にあるため、ハードルが高い。そこで、「なぜ中国で准胝仏母が人気あるのか?」を探るための第一歩として、できるだけ分かりやすくポイントを整理してみようと思います。

※参考:顕密円通成仏心要集の顕密観 遠藤純一郎著

顕教密教の橋渡し

 今本は、天台宗華厳宗といった中国仏教の流れを踏まえている。そして仏教を5つに分類する※「五時教判(ごきょうはん)」という考え方を使っています(知ってますか?)。つまり、「顕教の教えを学びつつ、密教にも進めるよ!」というスタンスを強調しているということ。

五時教

天台宗の教相判釈の総称で、華厳時・鹿苑時・方等時・般若時・法華涅槃時の五つを指すすべての経典を釈尊が一生の間に順に説いたものと考え、その順序に5段階をたてたもの

② 准胝仏母と密教の実践

この本特筆すべきことは、准胝仏母(七倶胝仏母)を中心とした密教修行に力を入れていることです。具体的に次の修行法が紹介されています。

  • 六字大明咒(オム・マニ・パドメ・フン)
    準提仏母の修行で使う重要なマントラ真言)です。

  • 准胝陀羅尼(じゅんていだらに)
    密教ではとても重要な呪文で、在家の人でも唱えて修行ができるとされています。

  • 鏡を使った修法(准胝鏡)
    鏡を仏そのものと見立て、仏の加護を直接受けるという考え方が述べられています。そうですね。ここで准胝独部法が登場します。

 なぜ六字大明咒? 准胝陀羅尼? と思った方。もしくは「あれ? もしかして?」と思った方、いろいろいると思います。そうです。この書物、明らかに「あのお経」の影響があるのは間違いないですね。「あのお経」とは、このブログではおなじみで当院の次第にも一部入れている「カーランダビューハ」こと『大乗荘厳宝王経』ですね。参考記事はこちら↓

ryona.hatenadiary.jp

顕教密教の関係性

 この本では、「顕教密教は対立するものではなく、互いに補い合う関係である」を強調します。特に、密教は「仏道完成のための手段」として位置づけられており、華厳宗の教えと密接に結びついています。

 華厳宗では、「この世界のすべては仏の智慧によってつながっている」という法界観(ほっかいかん)が重要視されます。『顕密円通成仏心要集』では、密教もまた、この法界観の中に含まれるものとして再解釈されています。つまり、「密教の修行は、世界のすべてとつながるための手段である」という考え方です。

④ 中国密教の独自発展

『顕密円通成仏心要集』では、中国で翻訳された密教経典、特に不空(ふくう)訳の『大日経』がよく引用されています。ただし、それをそのまま取り入れるのではなく、華厳宗の教えと組み合わせることで、中国独自の密教観が形成されました。さらに、中国道教の影響もあり、密教の実践がより独自の変化を遂げたと考えられそうです。

 また遼の時代は、特に密教華厳宗が強く結びついており、国家の仏教儀礼にも組み込まれていた(しかし、宋の時代になると禅宗が台頭し、密教の影響は弱まっていきます)。

⑤ 日本の密教法華経との関係

日本の密教、特に天台宗密教台密)は、中国密教の伝来ですが、その後は日本独自の発展を遂げました。天台宗では、法華経を根本経典としながらも、大日如来を中心とする密教の修行を併修します。これは、『顕密円通成仏心要集』の「顕教密教の融合」という考え方に通じるとも言えます。

また、日本の真言宗では、「密教は究極の仏道であり、顕教を超えるもの」という考え方が強調されることが多いですが、本書では「密教は華厳の中に含まれる」とされている点が特徴的です。つまり、日本の密教とは少し違う方向性の顕密融合が描かれています。

⑥ まとめ

『顕密円通成仏心要集』は、遼代の仏教文献で、顕教密教を統合しようとしたもの。特に華厳宗の影響が強く、密教華厳経の法界観の中に位置づけられています。

  • 准胝仏母の修法が中心で、在家信者でも実践可能な密教行法が紹介されている。
  • 准胝鏡を用いた修法では、仏を視覚化し、その加護を受ける方法が述べられている。
  • 密教は華厳の一部とされ、中国では顕教密教が統合される方向性が強かった。
  • 日本の密教天台密教真言密教)とは少し異なるスタンスであり、顕教を完全に超越するものとは見なされていない。

 准胝信仰に関心がある人にとっては、密教の実践と顕教の教えをどう統合するかを考える上で、とても参考になる書物と言えるでしょう。

 以上見てきた通り、この書は、宋代に編まれた仏教文献で、顕教密教を統合する視点から成仏への道を説いたものです。「どうやって密教的な修行をより幅広い仏教実践の中に取り入れるのか?」を模索した書とも言えるでしょう。

 また、密教が最も栄えたのは唐代ですが、会昌の廃仏(845年)を経て密教は衰退し、宋代には禅宗浄土教が主流になっていました。そんな時代にあえて密教の修法を取り上げ、顕教と結びつける試みを行ったのが『顕密円通成仏心要集』ということになります。

 また上述の通り准胝仏母がめちゃくちゃフューチャーされています。六字真言、准胝咒、准胝鏡、まさに准胝独部法の強調。ここで抑えておくべきポイントは「顕密双修」という文脈の中で独部法が説明されていることつまり「顕密双修」のカギを握るのが独部法だと言っているように私は思いました。

 そして『顕密円通成仏心要集』が中国仏教に与えたとても影響は大きく、結果的に准胝仏母が「密教の象徴仏」として広まる原因を作った、とされます。

 おそらく『顕密円通成仏心要集』の影響を受けたであろう宗派として黄檗宗があります。黄檗宗は中国・明代の禅宗の流れを汲みつつも、密教的な要素を強く残した宗派。特に准胝仏母に関する独部法の経典が伝えられている点。黄檗宗儀礼では陀羅尼や真言が用いられ、中国密教の伝統を色濃く受け継いでいます。

 

 そろそろまとめにいきたいのですが『顕密円通成仏心要集』が示しているのは、「顕教密教の垣根を超えて、准胝仏母の修法を在家信者でも実践できる形にした」ということではないでしょうか? つまり在家の仏教徒でも経典を読むだけではなく、陀羅尼を唱えたり、実際に修法を実践することが大切だという考え方の推奨です。

 日本の密教は「出家」「在家」の分断が厳しい印象です。それは日本の伝統の形なので重視するべきでしょう。しかし日本の密教、中国の密教という垣根、顕密の垣根、出家、在家の垣根を超えた仏道の中心を考えたときに、その中心に准胝仏母を据えてみるのもいいかもしれないという想いが芽生えました。

 垣根を越えて、誰もが准胝仏母の真言を称え、日々の祈りを大切にし、智慧と慈悲の道を共に歩むこと――これが准胝信仰であると。

祈願のお申込みについて

 本院で承っている祈願につきまして、以下解説ページから。

本尊准胝仏母祈願

当院のご本尊である准胝仏母さまの祈願です。滅罪、延命、求子に強いご尊格です。

 荼枳尼天尊祈願

荼枳尼天とはお稲荷さまの仏教でも呼び名です。

商売繁盛、学業増進、立身出世など増益につよいご神さまです

人型加持

 病気平癒、健康維持にとてもよく効く祈祷で、お加持をした「お札」を毎日枕の下に入れてその札に「悪いもの」を吸い取ってもらうように機能させます。人によっては患部に当てるよう袋を作ってお守りのようにしている方もいます。不動明王による祈祷を行いますが、当院では延命に強い准胝仏母の力もお借りして祈祷致します。

 文殊菩薩祈願
「三人寄らば文殊の知恵」というように智慧を象徴する尊格です。学業増進祈祷、無明を断ち切る祈祷などでお力をいただけます。

先祖供養・家族の敬愛祈願

光明真言にによる供養(光明供)にて、ご先祖供養を致します。光明真言には強い滅罪の功徳がございます。

多羅菩薩(ターラー菩薩)祈願

(「どんな衆生でも救う」という使命を持って誕生した慈悲深い菩薩さまです。皆様の願いを菩薩さまにお伝えするお手伝いをします)

星祈祷

年始(旧正月)に「星祭」を行い、祈祷札をお出ししておりますが、随時「星祈祷」をお受けしています。

不動明王祈願

 

不動尊華水供を修法致します。

e-mail

JYUNTEIIN@gmail.com

 

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