今日は『金翅鳥院』で大般若会があった。私も式衆として随喜させていただいた。
式を終えた後、ある知り合いから……
「美人になりましたね」
と言われた。
誰が美人だって?
どうやら、私が、らしい。
「おいおい、笑わせんじゃね~ぞ?!」
私の容姿を知る人はみなそんなリアクションをしたに違いない(笑)。
確かに五十五歳のおじさんをつかまえて「美人」と形容するのはおかしな話だ。
でも、私を「美人」と言ったこの方は、ある業界?ではとても有名な方で、ちょっと(かなり?)感性が吹っ飛んでいるので、この感想もさもありなんだったりする。
「美人」というのは一般的には「美しい女性」というイメージでしょう。でももちろん私がそのような容姿であるはずもなく、恐らくはこの方が言いたかったのは「大般若会で行った転読の所作」や「纏っているものが美しかった」ということらしい。
まあ多分にリップサービスで気持ちよくさせてもらっただけという感じがしないでもないが(笑)←これがおそらく真実。
まあそれでも、せっかく気分良くさせていただいたので少しだけ考察してみようと思う。
纏っているものが美しいとは具体的にはどんなところだろうか?
私は、このエピソードのキーワードは「所作(しょさ)」であるだろうと考察してみた。
たとえば分かりやすい例では、茶道や華道といえば、優雅で美しい所作を連想される方が多いでしょう。一つ一つの動作には深い意味が込められており、その繰り返しが内面的にも整い、その人の動作そのものが、雰囲気が美しいというのはよく聞く形容だ。
そう言われれば、私も少しばかり納得のいく理由は見えてくる。
天台密教は「所作」に対して重きを置いている節がある。
ここでポイントになるのは我々が日常行う密教の修行は、決められた所作をきっちり行うことで神仏とやり取りしているということ。
この修行の結果として、今日の転読という「所作」でも般化(一部の経験が、広く適用されるという心理学用語)があり「美人」と形容されたのなら何とも有り難い話ではないか(笑)……
では、天台密教がなぜ「所作」を重視するのか?という話をしたいと思います。
少し上級者向けになるので気合を入れて読むように!!
日本の密教で主要な経典は?
密教に詳しい人なら「大日経」と「金剛頂経」という2つの経典を挙げるでしょう。 でもこれが天台密教という縛りを入れるとこれにもう一つ重要なお経が加わります。
それが「蘇悉地羯羅経(そしっじからきょう)」です。
おそらくあまり聞いたことがないお経だと思います。でも天台密教では、『蘇悉地羯羅経』を『大日経』『金剛頂経』と並ぶ三部秘経の一つとして位置づけ、特に重要視しています。だから皆さんもこの機会に覚えましょう!
もっと言うならば『蘇悉地羯羅経』は、天台密教では「教王」と称されます。これは『大日経』と『金剛頂経』の教えを超えた、修行の根本的な指針を説く経典であると考えられているからです。
さて、少し話は難しくなりましたが話は見えてきましたか?
想像力がある方は話が見えてきたはずです。
今日のブログのテーマは?
「所作」ですよね?
で、私が今強調したお経は「蘇悉地羯羅経」です。
ということで、結論に入りましょう。
お経のタイトルをまず分解して理解します。
「蘇悉地」とは?
蘇悉地(そしっじ): サンスクリット語で「妙成就」。つまり修行を通じて「素晴らしい結果を得ること」を表します。
羯羅(から): 「作」や「作法」を指し、修行を行うための具体的な方法論を示します。
繋げると『蘇悉地羯羅経』は、「成果を得るための正しい所作を体系的に説いた経典」となります。
出てきましたよ!「所作」というキーワードが。
この経典では、息災(災いを除く修法)、増益(福徳や寿命を増す修法)、降伏(悪縁や障害を打ち破る修法)といった修法を成功させるには、単に印を結び、真言を唱えるだけでは不十分と説いています。
なら何が必要なのだ?と。
それは
①厳格な手順: 各修法の細かい段階を守ること。
②正確な観行(瞑想): 仏や曼荼羅を正しく視覚化し、深い集中を保つこと。
③本尊との関係理解: 修法の対象となる仏や菩薩(本尊)と、それによって得られる成果(悉地)との関連を深く理解すること。
そして、これらはすべて、具体的な所作を通じて成し遂げられると強調されます。
ここまでの説明は、天台寺門宗のサイトに詳しい解説があるのでもっと詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください。
ここから思い切って、持論を展開するならば『蘇悉地羯羅経』は密教経典の学術的な枠組みでは「初期密教経典」であり、上述した大日経や金剛頂経の方が歴史的は新しい密教経典です。
だから中期密教経典である「大日経」「金剛頂経」を「純密」と呼ぶのに対して『蘇悉地羯羅経』に限らず「初期密教経典」は過去には「雑密」と呼ばれ軽んじて語られることがあったりもしました。
またチベット密教の密教経典の分類でも段階的に①「初期密教経典」=「所作タントラ」②「中期密教経典「大日経」=「行タントラ」③中期密教経典「金剛頂経」=「瑜伽(ゆが)タントラ」④「後期密教経典」=「無上瑜伽タントラ」といい、④が最上とされます。
※タントラとは密教経典のことです
今回の主役である『蘇悉地羯羅経』は初期密教経典であり所作を重視している。そしてチベット密教でも確かに「所作タントラ」と位置付けている。私の個人的な、ほんとに個人的な意見を思い切って述べてしまえば、チベット密教を含めたすべてのタントラの中でも「所作」を重視する『蘇悉地羯羅経』はやはりすべての密教経典の中でも「教王」として位置づけられるとかんがえられないだろうか?
「美人」なんて言われたから少し、語り過ぎたかな(滝汗)
※星祭りの申し込みについてお問い合わせいただきました。
詳細は後ほどご案内しますが、取り急ぎ以下のリンクにある申し込みフォームより申し込みください(すでにお申込みいただいた方は、受理していますので大丈夫です)
祈願のお申込みについて
本院で承っている祈願につきまして、以下解説ページから。
当院のご本尊である准胝仏母さまの祈願です。滅罪、延命、求子に強いご尊格です。
荼枳尼天とはお稲荷さまの仏教でも呼び名です。
商売繁盛、学業増進、立身出世など増益につよいご神さまです
病気平癒、健康維持にとてもよく効く祈祷で、お加持をした「お札」を毎日枕の下に入れてその札に「悪いもの」を吸い取ってもらうように機能させます。人によっては患部に当てるよう袋を作ってお守りのようにしている方もいます。不動明王による祈祷を行いますが、当院では延命に強い准胝仏母の力もお借りして祈祷致します。
文殊菩薩祈願
「三人寄らば文殊の知恵」というように智慧を象徴する尊格です。学業増進祈祷、無明を断ち切る祈祷などでお力をいただけます。
光明真言にによる供養(光明供)にて、ご先祖供養を致します。光明真言には強い滅罪の功徳がございます。
(「どんな衆生でも救う」という使命を持って誕生した慈悲深い菩薩さまです。皆様の願いを菩薩さまにお伝えするお手伝いをします)
年始(旧正月)に「星祭」を行い、祈祷札をお出ししておりますが、随時「星祈祷」をお受けしています。
※不動尊華水供を修法致します。
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