『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』を見てきました。
前評判でティモシー・シャラメがクズがクズだクズだ、と聞いていたのでクズが卓球をやる映画なのかな、と思っていたら、もっと様子がおかしかったのでびっくりしました。ある意味、卓球そんなに関係ないな。
卓球愛が倫理観をも凌駕する卓球映画、というわけですらなくてシャラメが卓球をする理由って「これが得意だからこれで一点突破していこう」という野心。全然内面のない主人公なので、単純な話の癖に見る側をそれなりに困惑させる作品でもありました。
なんでこんなしょうもない人の話を二時間もみなきゃいかんのだ、ということですね。
冒頭から笑わされるのは、精子が卵子に向かって泳いでいく映像から物語ははじまるのです。
「どういうことなんだ、卓球映画だろ」と思っていたら、実際シャラメが特になにか考えたり感じたりしている様子でもないのに、とにかく一番を取るべく卵子に向かって必死に泳ぐ、という内容。見終わってからオープニングイメージのあまりの的確さにしばし驚愕したのでした。
あいつ、卓球する精子だったのか。
そんなクズ・シャラメに対して、「デリカシーも倫理観もないけど、若いし、面白いから、ちょっと遊んじゃおうか」となる元女優が、グウィネス・パルトローで、そこも良かったですね。
うわ、グウィネス・パルトローがちゃんと仕事してる!
と思うとぐっと目が離せないのでありました。
内容がほぼ全編クソエピソードのわりには、ラストが意外にも泣きのシーンに落としたのが、「さて、これはどうなんであろうか」とちょっと考えたんです。シャラメのファンサービスに走りすぎて急に映画が方向転換したんじゃないかな、とか。
しかし、考えてみれば、シャラメ自身が卓球する精子なんであれば、ちゃんとトップになった精子が着床して新生児としてこの世に居場所を確立したのを目撃して感動するのは理に適っているんじゃないか、と思って納得することにしたんでした。
すごい変な映画で面白かった。
ちなみに英語版予告の方が、「卓球する詐欺師の映画だな」ということがちゃんと伝わって、正しい心構えで見に行けると思いました。