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『ブゴニア』~ジェシー・プレモンスはよく頑張った

『ブゴニア』を観てきました。

 

予告の段階から楽しみにしておりまして、ジェシー・プレモンスがエマ・ストーンを誘拐したら「どう考えてもエマ・ストーンが勝つに決まってんだろっ!」

と、誰だって思うじゃないですか。

そこのところを、ちょっと確認しなければ、と思って観てきました。


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自閉症スペクトラムのいとこと二人で困窮生活を送っているジェシー・プレモンスはある日、大企業のCEOエマ・ストーンを誘拐する。地球侵略のために派遣されてきたアンドロメダ星人なんだから、地球を救うために皇帝と交渉をさせてほしいという突飛な要求に、ふたりの会話はかみ合わない。そこへ有名CEO失踪事件の調査中の幼なじみのダメ保安官が家にやって来て、事態は思わぬ方向に急展開していく。

 

大変面白く観ました。

よく考えてみると説明の足りてないところ、というか、あとから「しかし、あれはどういうことだったのかな」という箇所が結構あるのですが、それはそのままで、観る人によってすこし受け取り方が変わるのかもしれません。

精一杯の正装をする礼儀正しさとか、好青年ぶりが端々に見えるのでした

 

私が面白かったのは、幼なじみの保安官。この手の誘拐事件に登場する保安官ならば切れ者でしかるべきところを、初登場から「あ、こいつは無理だな」というがすぐにわかる立ち居振る舞いです。

そんな保安官を、まあまあ親切にあしらうジェシー・プレモンスが、またなんとなくケア体質の好青年感もあったりして、陰謀論者のわりには共感を誘います。親しくしたいわけでもないのに、とりあえずココナッツケーキを買っておいてあげたりして。

 

 「早く行ってくれないかなー」という雰囲気をちらちら出しているジェシー・プレモンスの横で、うれしそうにペラペラ喋る保安官。聞いているとどうも、ベビーシッターとして世話をしていたころにジェシー・プレモンスに対してなんらかの「許されないことをした」というような話をしきりにするんです。

ふつうに言葉通りに聞いていると「性的虐待があった」というようなことを言ってるんですが、なんとなくその話をしている二人の態度がちょっと妙な感じがします。

 保安官のほうは、贖罪をしたいというよりは「二人にしか通じない話をしたくて仕方ない人」みたいなかんじで、むしろジェシー・プレモンスに懐いているだけにも見える。

ジェシープレモンスの方でも、「いや、いいんだ」とか言いながら、さっさと会話を切り上げたい、という感情以外のものは持ってないように見える。

 この保安官は保安官で、「ジェシー・プレモンスとの間になにか決定的な絆があった」という妄想に囚われている人なんじゃないかな、というふうに、私には見えたのです。

 

「・・・・・・そういう風に見えなかった?」

という話を、映画を観た人に聞いてみたら、いや自分は保安官の言葉どおりに受け取ってみてたけど。という返事が返ってきて、そうか、なるほど。と思ったんでした。私はジェシー・プレモンスの”ケア体質”というところにだいぶ興味を持ってみたいたということなんだと思います。

 登場人物がすごく少ないものの、誰の言うことをどう信じるかってところで、どうせぎゃふんと言わされる映画ですから、いろんな可能性を探りながら観ると楽しい。

 

ジェシー・プレモンスがねえ、あと一歩だったんですよね。あんなに頑張ったのに、本当に惜しかったなあ。

 

 

  • キルステン・ダンスト

ジェシー・プレモンスは『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で、たいして出番は多くないのに最も強い印象を残した赤メガネです。良い役者さんですね。

 




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