年始早々、風邪気味です。どういうわけか、近年は風邪っぽくなると目が充血するようになってきて、栄養不足の外猫みたいな面構えになるようにになってきた。どういう仕組みなんでしょうか。
軽い風邪ならジェイソン・ステイサムで治るだろうということで、葛根湯飲んで『ワーキングマン』を観てきました。
よくしてくれた上司の娘が誘拐された。誘拐されたルートをたどっていくと麻薬密売と人身売買をしているろくでもないロシアンマフィアだったので、乗りこんで次々シバく。というようなストーリーでした。
昨年の正月映画『ビーキーパー』とおなじく、ステイサムが真顔で冗談みたいな悪役をひどい目に遭わせる映画です。
『ビーキーパー』に比べると多少映画っぽくなっていたのは、今回は少なくても人質は居るんですよね。あと、娘がいるのだけど養育権を義父(娘の祖父)が持っていて、その義父はステイサムの暴力性を理由に娘から遠ざけようと弁護士を立てて画策しているんです。一応、セットアップとしては「オレはもう暴力は封印したんだ」みたいな葛藤があることになっている。
多少はステイサムのバイオレンスに足枷をつけようとする方向性は探っているんですが、ただ映ってるのがやる気満々で厳つい顔のステイサムですから、観てる側は「どうなっちゃうのかしら、ハラハラ」みたいなことは一切なくて、そういう脚本上のフリまでふくめて、まあ、ギャグである、という。
だいたい、ロシア人の雑魚マフィア兄弟が鯉のぼりみたいなスーツを揃いで着てるんです。「オーダーメードなんだ」とか言って毎日着ている。さすがにそのギャグ度はステイサムの顔と合ってないだろ、と思うんですが、あれを押し切れるところが強さというものですかしらね。
社会システムの中で取りこぼされているところに公平性をもたらしてくれる正義の暴力というものが「あったらいいなあ」という願望は、普遍的なもので、そこにたいするステイサムのしっくりハマり具合は、なかなかの爽快さです。
スタローンって自分が看板の映画のときは、油断すると自分探しに嵌まり込んで筋肉を観たかった人を混乱させたりしますが、脚本家としての参加だと何の屈託もなく「単なる発動装置」としてステイサムを扱うのも、面白い。