『プロセキューター』を観てきました。
ドニー・イェンは、『ジョン・ウィック:コンセクエンス』のときの座頭市芝居があまりにもカッコよかったので
「また盲目の剣士やってくれるかな?」
などとついつい思ってしまうところでありますが、当然同じことばかりやるはずもないのでありました。
ドニー・イェンは最初ベテラン警察官として登場します。「……軍隊?」って思うくらいの重装備の警察組織の第一線で活躍してるわけですが、どうもその立場では思うように悪を追求できない。そこで一念発起して、勉強。検事になるわけです。
新人検事として法廷に立ちはじめますが、そこでもやっぱり正義は行われていない。ということで、やけに腕っぷしの強い検事として法廷の内外で社会正義を求めて大暴れすることになる、という話。
ドニー・イェンのルックスがルックスなので、しばらくは違和感も感じずに見とれてたんです。「ドニー・イェンさえ居ればなんとかなる」という安心感だけで飯が進む感じがすごい。
見た感じ40代くらいなので、まあ法曹界ならこれくらいの新人もいるのかな、くらいのもんです。異常に高さのあるドロップキックとかしてる姿はなんなら20代。
しかし、ふと役者としてのキャリアの長さと見た目の齟齬に思い至り、年齢を調べたら62歳なんですね。検事になっても普通に定年やないかい。
ドニー・イェン、生物として色々すごすぎる。
話は、最初こそ馴染みの薄い中国名がたくさん出てくることに戸惑ったり、香港独特の司法システムがわからなくて「えーと?えーと?」ってなったりもしましたが、最終的には、なんてことない『走れメロス』なので、一生懸命理解しなくても十分楽しめるのでした。
”独自の正義感を持った強い人がやってきて、硬直化した現行システムの中では救われない弱者を救ってくれる”というクラシックな勧善懲悪物語は、「こういう人、現実世界にも居たらいいよなー」と観る人をうっとりさせるに足るエンタメの喜び満載でした。
その一方で、現実の香港の政治状況などを考えるに「政府系組織の中に鉄拳制裁で正義をなしてくれる存在がいるのだ」というストーリーにどれくらい素直にのっかっていいのか、ちょっと自信が持てないところもあったりもするのです。
すごく面白かったけど、観たまんま楽しんでて良いもんだろうか。実際どうなの、そのへん。
ananで香港映画特集号が出るくらい香港映画が復活してきているというのはもちろん大変な朗報。『トワイライト・ウォリアーズ 決戦 九龍城』も最高の映画です。
冷静に考えると話がグダグダなのに、観てるとなんとなく納得してしまう謎映画。かっこいいけど、なんなんだ。