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『国宝』~バックステージものは基本的に面白い

『国宝』を観てきました。

ヒットしているのは知っていたものの、正直そんなに興味なかったのでずっと横目でみていたのですが、いつまで経っても上映回数もほとんど減らないままロングライン上映続いているのを見るにつけ、ついに覚悟を決めて行ってきたんでありました。


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……面白いのね。

基本的にやくざ映画みたいなドラマで、ドス持って殴り込みに行くところで、化粧して舞台に上がるシステムなので、誰が観ても面白いようになっている。すごい。

 

話題になってる主演のふたりが本当に演じたという歌舞伎のシーンも、映るたびに

「頑張ったんだねえ」

と思うくらいはうまくて、しかし

「なんて美しい」

というほど自然すぎては見えないという、フィクションとして絶妙なところをわたっているのが、スリリングで良かったです。

 

踊りそのものは子役の役者さんの方が印象的に見えた

後ろ盾がなくて苦労している主人公の喜久雄が、業界有力者の令嬢を籠絡する顛末があるんです。

それが娘の父親にバレて「なにしてくれてんのじゃ」と怒鳴り込まれます。娘が喜久雄をかばって

「やめて。私、家を出るっ!」

ってなったのを、当の喜久雄が

「ガーン(有力者と縁切れたら意味ないじゃーん)!」

ってなってるシーンが面白くてね。

深窓の令嬢が自分との恋を貫くために家出を決意したのをみて、速攻がっかりする主人公、なかなか斬新。

「うちの娘になにしてくれとんねん」タイム

それに続くシーンが、また良いんです。

一門に白眼視されながら仕方なく令嬢と駆け落ちする羽目になるんですが、喜久雄は出ていきたくないからグズグズして屋敷前で幼馴染と仲良く殴り合ったりしてるんです。

それを車の中(運転席)からひとりで見てる令嬢の

「……あ、これ明らかに失敗したな」

の顔がまた、すごくいいですね。

こういう、地獄が動き出してもう止められないのを、為すすべもなく見ている人物を映画の中で見るのは好きです。自分の人生で見るのは最悪ですが。

 

主人公は、顔立ちが大変美しいというので女性にもよくモテます。

高畑充希との濡れ場があるんですが、びっくりするほど色気なくて、からくり人形みたいに喜久雄がカタカタ動いてる、という妙なシーンでした。

「ムードとか出さないから背中の彫り物だけ映させてくれ」というような事務所との契約でもあったのだろうか、などと思いながら観ていました。

そしたら、びっくりしたことに、ほぼ同じ、全く色気のない濡れ場が女性だけ変えてもう一度あるんです。

「ということは、これはつまり喜久雄のセクシュアリティがここにはないというシーンなのか」

と思うと、あっちもこっちも見た目以上に孤独がたくさん映っていたんでありました。

 

拒否権のないシュークリーム面接

あとは、謎の存在感を放つ田中泯が、人でごった返す舞台裏で挨拶にきた若者二人に裸のままの高級シュークリームを渡す嫌がらせとか、非常に良かったですね。

狭い場所で偉い人から直接渡される裸の高級シュークリーム……梨園怖い。

 

 

原作は昔読んでいて面白かったような記憶があるのですが、意外とおぼえていなかった。

 




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