『大統領暗殺裁判 16日間の真実』を観てきました。
どう考えても、絶対おもしろいだろうと思いつつ観に行ったんですが、予想してたよりだいぶ面白くて参りました。
ちゃんと説明しようとすればある程度複雑な話になるうえに、関わる人数が多い、しかも全員おじさん、個性のわかりにくい軍服かダークスーツばかりで、主役のひとりは密室から出てこられない立場となれば、「さて、どうやって観せてくれるんでしょうか」と、そこを楽しみのひとつとして観に行くことになるわけですが、”突破力のあるバカが話を引っ張る”という、意外にも朗らかさを持った手法でした。
暗い韓国現代史を目の当たりにしているにもかかわらず、まったく誇張演技ではないのに劇場のクスクス笑いを誘う役者さんの力量に見入ります。また、韓国映画におなじみのなんだかわからないご飯を猛烈な勢いで掻き込んでいる顔つきが魅力的。
そして”本人の意志なんかどうでもいいからとにかくこの人物の生命を守る”という困難な決意をした弁護士には、その決意に至る個人的な動機があるはずだと考えて堀りに掘った作り手の、しつこさもまた素晴らしい。
外的な事象としてはまったくハッピーエンドとは言えないものの、正義とするものが違うもの同士が理解し合って見つめ合うシーンには非常に胸を打たれました。

また、出番こそ多くないんですが戒厳軍の副官が素晴らしい役なんです。自分の上官がいきなりハグされたのでどう振る舞っていいかわからなくて「画面の後ろの方でオロオロしてる」という芝居が、数秒なんだけど観客を引き込む力が強い。上げるところはとことん上機嫌、落とすところはどん底まで落とすエンタメ力を観ることです。なんであんなにくいシーンを入れられるのか。最高かっ!
ほとんど三部作と言っていい作品群。全部おもしろいですね。