『F1/エフワン』を観てきました。
『トップガン マーヴェリック』の制作チームが結集したというのが宣伝文句にもなっておりますが、中身もびっくりするくらい純度の高いトップガンでした。
戦闘機をF1マシンに乗り換え、トム・クルーズをブラッド・ピットに乗り換え。
一見、乗り物の話でありながら実はミドルエイジ・クライシスの話であって、さらには流れ者とコミュニティの衝突の話でもある。どこに出しても恥ずかしくない立派なトップガンと言える作品です。
ブラピの全然駄目なときの芝居が好きでね。
開発責任者から「あんた、全然人の話聴かないよね」ってド詰めされてるのに、
「……んあ?」とか言って普通に聴いてない表情が本当におかしくて、自分のチャームを知ってる人は手に負えないな、と思ったもんです。
しかも、これから口説こうと思ってる相手の話を聴いてないというキャラクター造形。なるほどトムだったらこの芝居にはならないだろうなあ、と思うとまた興味深いところなのでした。

「あの年寄りまた訳わからんことやって」とか舐められてるうちにできるだけうまく立ち回るというチートは、中年過ぎたらみんな手にしておきたい武器です。
とはいえ現実では、お金のない弱小チームでボケたふりしてあんなに車壊しまくっていたらさすがにすぐクビだろうとは思うので、ブラピ以外の人類には用法用量はそれなりに注意とは言えましょう。

本来ならIMAXで観るべきところ、時間の都合で吹き替え2D版をみたのですが、ブラピのチームメイトの若者の吹き替えが大変に”棒”で、必要以上に「使えない奴感」が出てしまっていたのは少々気の毒な点でした。
DAZNの毎年値上げ攻撃に降参する2024年までは一応普通にF1を観ていた私としては、ちょいちょい映り込む本物シーンも結構楽しく、中でもフェルナンド・アロンソにセリフがあったには心の”いいね!ボタン”をだいぶ押しました。そりゃあF1ドライバーでロートルといえば、とりあえずアロンソのこと考えながら見るものねえ。
年寄りのフリしちゃうところが面白いブラピと、若いフリしちゃうところが面白いトムクルの対決でした。