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『Mr.ノボカイン』~英雄が姫を救出しても良いのだ

『Mr.ノボカイン』を観てきました。

「”痛そう”をウリにしたコメディなら、私は観なくてもいいかなあ」

と思っていたんですが、映画がやたら立て込んでいるこの時期にもかかわらず「面白い」と勧められてしまったものだから、うっすらと疑いの気持ちも抱きつつ行ってきました。


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まあ、見事でした。

途中3個所くらい「うわー、痛い。無理」ってなって劇場でがっちり目瞑りましたけど。

無痛症を扱っているし、コメディだけど、無痛症を面白いことだと考えているわけではない、というテーマ上、「(本来なら)痛いシーンは、しっかり痛く見える必要がある」ということは非常によく理解できるので、「うー」とか「ひー」とか言いながら観ましたとも。

 

話は目も覚めるほど古典的かつ一直線の騎士道物語。囚われのお姫様を救出に行く英雄のお話、ただその一本の筋で話が進みます。

もちろん私のごとき中世ならぬ時代の女は

「はいはい。女は救出されることによって英雄の資格を与える道具としてしか世界に居場所がないんですね。それもう飽きたわー。女つまんないわー」

とか言い出しますから、作っている方はそこは本当に一生懸命やってくれるわけです。

 

なぜ騎士は”他ならぬあの姫”でなければならないのか。姫は”単に姫であること”以外に何をしているのか。姫が理想的な弱者じゃなかったらどうするのか。姫は黙って救われるのを待つのか。

「英雄が姫を助け出す」っていう古典的な話には、語り落とされてきちゃったけど本当は語るべき視点がまだまだいっぱい残っており、それを丁寧に描きながら、身体は痛くないけど心は痛いヒーロー頑張るわけです。すごい、素直に応援できる。

 

最後に黒人の女性警官に勇気を称えられつつも

「だいぶ重大犯罪重ねたけど、あなたは中産階級の白人男性だからほぼお咎めなしね」って言われるところも非常によかったですね。

姫が助かって「めでたし、めでたし。じゃねえんだよ」と。

ふざけていそうで、大変誠実な映画でありました。

 




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