『終わりの鳥』を観てきました。
予告を観ても、そもそもどういうジャンルの映画なのかさっぱりわからなくて楽しみにしてました。「うーん、そう来るのか」と思いつつ観まして、大変面白かったです
15歳の少女が病気で死ぬ、っていうところに感情的に強く引っ張られてしまうとなかなかジャンル映画として成立しないが、死にゆく少女に感情のよりどころがないとテーマとして成立しないだろう、どうすんだどうすんだ。やってみせてごらんなさーい。くらいの勢いで観にいきましたら、すごいスレスレのところを通ってA24映画に仕上がっていたので感動しました。
少女は少女で、もちろん本人の中にはいろいろありましょうが肝の座った子でもあって、手持ちのカードでちゃんと人生最後まで駆け抜ける準備はできている、という魅力的な存在なのが良いのです。

最大の問題を抱えてるのはお母さんで「病気の娘の母」というストーリーを失ったら自分がどうなってしまうのかわからないということでパニックになります。
さては私好みの「母殺し物語」になるかしら、って思うところですが、そうでもない。
「娘最優先で自己犠牲の母」像だったらそうなりそうなところを、謎のアッパーキャラのせいで悲しみ方が不定形過ぎて、気の毒とかいう次元を突き抜けてくれているのです。むしろ困惑。

一応ストーリーは着地させていたけど「いや、あのお母さん、まだあんまり物事よくわかってないんじゃないかなあ」という気はするんです。それでもちゃんと親子間で取るべきコミュニケーションは取れたし、なんとなくお母さんはお母さんで、気づき始めてることはあるようだし、思いの外後味よく終わりました。
とにかく、いっぱい問題あるにせよお母さんが雑で素晴らしい。人生につらいことがあっても「雑な人間」としての生活を全うしようとすること自体は立派なことじゃあるまいか。
