『イレイザーヘッド』と『マルホランド・ドライブ』を勝手に二本立てにして観てきました。
リンチ追悼特集みたいなものですから、昔の名画座なら一回の入場料で二本観られるところでしょうが、そこはシネコンの時代。同じシアターで15分休憩を挟んで上映されるというのに、二回分のチケットを買い、入れ替えのために途中でいったん外に出て再入場の手間が掛かるのでありました。
それにしてもいまどきデイヴィッド・リンチをスクリーンで観せてもらえるのは大変ありがたい。
一本目が『マルホランド・ドライブ』でした。
なんか最初にわけのわからない惨事から始まったので「なるほど、映画が進むにつれて少しずつ状況が明らかになっていくんですね」と思っていたら、別にそんなことないまま終わったので大変反省しました。なんでも分かるとか思って甘えてすいません。
途中途中で「なにかを強盗しに来たらしいんだけど、やたらドジで結果的に3人も殺すはめになって窓から逃げるドジなおにいちゃん」とか「ノーブラでやけにくねくねしながら女優志望を人に斡旋するポン引きみたいな尻軽ちゃん」とか、やけに魅力的な人がちょいちょい出て、
「なんだなんだ?それから?それから?」
と思って興味津々で観てたら、その人はもう二度と出てこない、とか。そういう因果律脳を次々脱臼させられて混迷の末に終わった2時間半。ああ疲れた。
脳みそ疲れ切ったところで始まった二本目が『イレイザーヘッド』です。
その点、こちらはずいぶんわかりやすかったですね。
画面にずっと”原因”と”結果”が写っておりました。なんか赤ちゃんみたいだけど完全に共感を阻む生物と、精子っぽいニョロニョロしたものでいっぱい。
原因があれで結果がこれなんだからなんの不合理もないはずなんだけど、どうしても理不尽な感じがして仕方ないのは「たぶん自分が消しゴム頭だからなんじゃないか」っていう推論も、わかりやすくて漫画みたいでした。
一見暗そうにも見えるけど、いかにも若者らしくて非常に良い。
結果的にデビット・リンチは何十年と映画の世界で禄を食み続けて巨匠になり、天国のミューズと一体になれたのだと思うと、しんみりもするってもんでした。
特に『マルホランド・ドライブ』あたりは家でひとりでみてると途中で観るのやめてしまいそうな気もするので、劇場でかけてもらえるのは本当にいいですね。
リンチ作品、もっと色々スクリーンでみたいなと思ったのでした。