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魔術師いわく「現金は便利だぞ」

朝気づいたら「デビットカードの利用を制限しました」という謎メールが届いていた。なんだろうと思って入出金を確認してみるが別に怪しそうなものはない。

無理に頭を絞って思い出すと、数日前の買い物で、ワンタイムパスワードの受信がうまくいかず決済が中途半端になったまま放置してしまったものがあった。その程度のことでいちいち利用制限かかるなんて面倒だな、と思ったものの、解除してもらわなければ生活に困るのでサポートセンターに電話をする。

 

オペレーターの人は意外にも「昨晩深夜に海外サイトで162円の決済をされましたか」と言うではないか。

「この円安の時代に海外で162円分、何を買うのですか」などと答えても仕方ない。その出金は私も見て「なんだろう?」とは思ったのだが、額が額なので何らかのサービスの為替調整的なものだろうと思ったのだ。

最近海外から発送される予定の古本を一冊買ったばかりなのでその関係じゃないかと言ってみるが、古本の注文と162円の請求は別の場所から来ているという。

 

だとすると、詳しい明細が出てくるまでわからないのではあるけれど、残高いっぱい決済可能な情報を持っているのに162円だけ使う犯罪者がいるとは考えずらい。電話の向こうもちょっと困った様子になる。

金額の問題じゃないとはいえ、162円で利用制限かかることなんかあるとは知らなかった。前に私がおなじデビットカードで2万円のフィッシング詐欺にあったときに気づいてすぐ連絡しても「仕方ないですね」くらいの対応だったのはどういうことだったのか?あれも海外決済だと言っていた気がするが。

 

しかし162円とはいえ、わからない以上は「利用制限解除してくれ」というわけにはいかない。泣く泣く、おそらく問題がないであろうカードの停止をした。

停止したら2時間後くらいから手続き可能だから自分でウェブから再発行してくれ、と言われる。

仕方なく2時間待ってアクセスしたら案の定、銀行関係のIDやらパスワードやらが多すぎて混乱の末、ログインエラー続出、アクセス制限がかかって手も足も出ない。

IDとパスワードを確認するとなると郵送になるし、それを待ってからデビットカード再発行の手続きとなるとまたそこからさらに時間がかかる。その間は普段の買い物もATMでの出入金もできない。なんで私がこんな目に。

 

財布代わりのデビットカードを失ったまま、近所のスーパーに買い物にでかけ、私はしみじみと思った。

「現金ってめっちゃ便利だなっ!」

IDもパスワードもなしに買い物ができるの、超すごくない?

 

(あとで調べたら決済時、ちょうど1ユーロ162円だった。やっぱり海外書店からの決済方法の有効性の確認だったんじゃないのかなあ)

 

やさぐれつつタロット引いてみたら「魔術師」が出る。世界は理解不能で、銀行はよくわからない錬金術でケムに巻いてくる一日だったのはおっしゃるとおりでありますよ、ええ、ええ。

 




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