『ザ・バイクライダーズ』を観てきましたよ。
TOHOシネマズの溜まったポイントが期限切れそうになっていたので「何か観なくては」と取り急ぎチケットを購入したんです。その後で初めて集団でバイク乗ってる人たちの映画だということに気づいて「いかん、まったく興味がない!」ってなりました。
でも観たら面白かった。
トム・ハーディーが相変わらずほとんど獣みたいにアーとかウーとか唸ってるだけで、何言ってるのか全然わからなかったです。ああいう、どこに置いてもとりあえず無礼な感じのするトム・ハーディーはだいぶ好きです。字幕にするとちゃんと喋ってる感が出てしまうのがむしろ勿体ない。
そこにもってきて狛犬のように仲良しなのが「めっちゃ美形」という以外にとくに何もできないオースティン・バトラーで、こちらも極度のボキャ貧でした。

どっちも喋れないものだから「リーダーの座をお前に譲りたいんだよ」「だが断る」みたいな、本人たちには極めて重要であろうやりとりのシーンでも、間がもたなくて事実上のキスシーンみたいになってるのが相当おもしろい。観てるこっちも「もういいからチューしちゃったらいいんじゃないの」という気にならざるを得ないホモソーシャルの極北なのでありました。
役者のチャームによってこの二人がいちゃいちゃしていられた頃は幸福な時代だったように見えるのだけど、なんだかよくわからないうちに集団が違う方向性で拡大していき、それを制御できる視野を持った人は内部に居なかった、というお話。
こういう「形骸化して身動き取れないオラオラ集団」には『氷の微笑』のシャロン・ストーンを派遣すれば一瞬でみんな自由になれるのにな、と思いつつ観たものです。
映画全体の語りは妻の目線からされている冷静さと、バカしか出てこないという思い切りの良さによって、物悲しいながらもなかなか愉快な映画になっておりました。
進退窮まったホモソーシャル物を観ると「誰かシャロン・ストーンを呼んであげて!」って思います。