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8月の曇天の中気づくこと

台風が北上中というニュースと関係あるのかないのか、久しぶりに長く続く雨と時々吹き抜ける風を感じる一日だった。”過ごしやすい”というほど気温が下がっているわけではないもののジリジリ照りつける日差しがないだけでも気持ちが少々楽で、「よし、今日は色々やる気出しちゃうぞ」という運びになるのかのと思ったら意外にそうでもない。

灼熱の日以上に、なんとなくダルいのだ。隙あらば座りたくなり、一度座ったらもう動きたくない雨の一日。なんとなく身体が回復したがっている風で、不快なだるさではないが、あっという間に時間が経ってしまうことは確かでもある。

 

まあ、そういう理由でダラダラとスマホを見ている羽目になった。普段は「スマホを見るならKindle端末を開く」という生活リズムを作るべく、座るところにはだいたい読書用端末が置いてあるので、怠けているなら怠けているなりに読書だけは捗るところなのだが、今日はたまたま「立ち上がって一歩移動しなければ届かない場所」に端末があったのだ。そしてその「一歩」が億劫な体調だったのだ。

「今日のあたし、すごい駄目」と思いながらスマホを見ていると、曇天でもともと暗かった室内がさらに暗くなってくる。

そこでハタと気付いてしまうのだ。細かい文字の、複雑な漢字が、どうやら読めない。こんなに印刷が悪いってことあるかしらとしばらく不思議に思っていたのだけど、思いついてメガネを取って顔を近づけてみる。

 

紳士淑女のみなさん。あれは、なかなかに衝撃を受けるもんでありますね。

さっきまで「印刷が悪い」と思っていた潰れた文字がいきなりものすごーく、はっきり見える。

ははーん、これは。

同世代の友人知人たちが次々と陥落していく中、自分は最後までわりと大丈夫な方の組だったので余裕をかましていた噂のアレか。まさか「猛暑の切れ間に夏バテでだらけていたことがきっかけで気づく」というシナリオがあるとは思わなかった。

 

「読書はずっとしていたいから本が読みにくくなったらやだなあ」と思ってきたものだけど、考えてみれば先に見えにくくなるのはたぶん本よりもスマホである。そのうえこのご時世、「スマホをあまり見なくなる」のであれば、どちらかというと良いことであるような気もする。この程度の「近眼用メガネを外して顔を近づければだいたいなんでも見える」というレベルで時が止まれば、これってそれほど悪い話でもないような気はするが、ま、問題は、そう都合よく時は止まらないってことだよねえ。

別にどうってこともないが、なんとなく面白くてニヤニヤする。

 

 

 

 




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