2月15日の夜に久々に木星を撮りました。木星をまともに撮るのは一昨年の10月以来です。
最後に撮ったのはω星団のエントリの最後で触れたように昨年1月17日でしたが、これは冬季の悪シーイングのせいでまともに写りませんでした。
それ以来冬季が見頃になる木星の撮影は気が乗らなくて、まるまる一年間木星を撮っていなかったのですが、昨日の横浜は春みたいな天気だったのでワンチャン行けるか?と思って重い腰を上げました。
22時頃に準備を始めて23時前から撮影を開始したのですが、シーイングはイマイチ。川底の石みたいにグニャグニャに揺れる真冬のシーイングほどではありませんが、細部が解像しない感じです。AS!4でスタックしてもAPを小さくすると「おせんべいノイズ」と僕が呼んでいるアーティファクトが出てしまいます。
「おせんべいノイズ」についてはこちらを。詳細は不明ですが悪シーイングで発生する継ぎ目破綻の亜種だと思っています。
APを大きめ(80)に取ると改善したので撮影続行しましたが、あまり期待もできないし木星も傾き始めてベランダの天井に隠れそうだったのでそろそろ終わりにしようと思った23:40頃、最後に撮ったデータを仮処理すると急にディテールがはっきりしだしたので撮影続行。24時前まで撮影しました。
して仕上げたのがこちら。

高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F41.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / ZWO AM3 / L:ZWO ASI290MM (Gain 313), RGB:ZWO ASI662MC (Gain 423), SharpCap 4.1.11817.0 / 露出 L:13ms x 1000/3000コマ x 3, RGB:17.6ms x 1000/3000コマ x 4 をスタック処理して de-rotation 後 LRGB 合成/ AutoStakkert!4 4.0.11, RegiStax 6.1.0.8, WinJUPOS 12.4.0, Photoshop 2026, Lightroom Classic
木星の北が上の構図です。絶好調とまではいきませんが悪くない写りです。大赤斑が見えない時間帯だったのが残念。北赤道縞の西側(画像の左側)*1 にバルジ*2 が見えています。最初にモノクロカメラのプレビューを見てこれが大赤斑かと思ってカメラの向きを逆さにセットして撮ってしまいました。
ガリレオ衛星は写野内にはイオとガニメデが入っているのですが、写真に写っているのはイオだけです。ガニメデはイオと木星の間にいるのですが、木星の影の中に入って見えていません。
というわけで思ったよりだいぶ良く撮れたのですが、明日からまた冷え込むようです。週末にはまた暖かい日が来そうなので撮ってみるかも。
今期の木星は真冬が見頃(1月10日が衝)でした。来期も真冬(2月11日が衝)です。とにかく日本の冬のシーイングは惑星撮影には厳しいので、春が見頃になる時期が来るのが待ち遠しいです…
Bluesky 使いませんか?
実は最近 X (旧 Twitter) をほとんど見ていません。日本の天文コミュニティではほとんどの人が X で交流しているのですが、僕は一昨年あたりからメインの SNS を Bluesky に移行しています。
天文関係の投稿も去年から Bluesky をメインにしていて、最近は Bluesky にだけ投稿しています。天文リフレクションズの公式アカウントもピックアップ投稿のみですが、アクティブなので、天文系のニュースも最低限は Bluesky 内で追っかけられます。
Bluesky は当初は動画投稿ができないなど使いにくい面がありましたが、現在は動画も投稿できるようになっていますし、サードパーティーのクライアントも出てきて使い勝手の面でも自由度があります。
個人的におすすめなのは日本製のクライアント TOKIMEKI です。
古き良き TweetDeck 風のマルチカラム表示をサポートしていて、Bluesky にはなかったブックマーク機能や下書き保存機能(どちらも最近公式で実装されましたが)などの機能を追加しています。
また、これが自分的には決定的だったのですが、X (旧Twitter)のツイートの埋め込み機能があります。TOKIMEK からツイートのリンクを埋め込み形式で投稿すると、TOKIMEKI のタイムライン上ではツイートの内容が埋め込みで表示されます。X を離れたとはいえ、情報源としてはまだ X を参照する必要がある場面が多いので、ライフログとして SNS を使っている身としては見やすい形でツイートの引用ができるのは助かります。
X を離れた理由は色々ですが、一番の理由は X のオーナーであるイーロン・マスクが信用できないことです。彼が Twitter を買収して以来、Twitter ブランドを投げ捨てて X というクソダサいわかりにくい名前にしてしまったり、運営スタッフを大量解雇したり、その後もマネタイズの強化の影響で広告が増えたり収益化目当てのスパム(いわゆるインプレゾンビ)が増えたり、タイムライン構築アルゴリズムに手をバトルを煽るようなものに改悪していったせいで恒常的に揉め事が発生するようになっており、SNS としての居心地は悪化の一途をたどっています。
ちなみにコミュニティノート機能(クラウドソーシング型ファクトチェック機能)だけは評価できる、という声をよく耳にしますが、コミュニティノート機能は元々イーロンの買収の前から実装されていたもので、日本でのリリースが遅れていただけなので、イーロンの功績ではありません。*3
タイムラインのアルゴリズムの問題については「X は対戦型ソーシャルメディアだ」と言っているように刺激的で論争的な極論が目立つようにデザインされ、ツイートの収益化システムがインプレッションを求めて過激なツイートを投稿する動機付けになっている面もあります。
「自分は「おすすめ」タイムラインを見ないから関係ない」とも言ってられません。フォローしているアカウントがRTで流すツイートもそのアカウントがアルゴリズムで見せられたツイートかもしれません。あなたが X に居続けることが他の人を X に留まることを動機付けて結果的に邪悪なアルゴリズムの餌食になっているかもしれません。
X のドメイン x.com がイーロンの私物ではないか?という点も懸念材料です。このドメインはドメイン情報を見る限り登録者は GoDaddy.com のままで、イーロンが個人的に買い取った時のままのようです(twitter.com は登録者が Titter, Inc. になっています)。なのでイーロンが Twitter を手放したらツイートの埋め込みやリンクがどうなるかわかりません。
イーロン・マスクが放棄したhttps://t.co/ebK2dyklW3ドメインをXVIDEOSが取得して世界をめちゃくちゃにして欲しいという気持ちはある。
— 🌻ナょωレよ″丶)ょぅすレナ🌻Blueskyで僕と握手 (@rna) July 24, 2023
こんな埋め込みもどうなるかわかりません。イーロンが x.com ドメインを手放すことはなくても、Twitter を手放してから自分のサービスようにドメインを利用して x.com ドメインのツイートのリンクを全てリンク切れにしてしまう可能性は十分あります。
以上は X というSNSのシステム面での問題点ですが、それとは別にイーロン・マスクの人間性とか政治的振る舞い、トランプ政権に参画してDOGEを率いてやらかした数々など、個人的に許しがたい面はたくさんあります。そのあたりは個人個人の政治的立場によっては容認できたり、なんなら歓迎する人だっているかもしれませんが…
諸々合わせて僕としては X に留まり続けることはリスクが大きいと考えて Bluesky に引っ越しました。Bluesky だってエコー・チェンバーでは?リベラル人口が多くて意見の多様性がないのでは?という意見には一理ありますが、それでも X よりはマシだと思うんですね。
SNSのエコー・チェンバーがどうのって話、多様な意見がある方がいいって言っても、分極化が進んだ意見の分布は果たして望ましい「多様さ」なのか?という問題はある。
極端な意見同士では対話が進まなくて分極化がますます進む悪循環になりうるし。
模式的に図にしてみたけど、右側の分布の方がある意味「多様さ」は少ないけどまだマシじゃない?
— なんばりょうすけ (@rna.horobi.com) 2026年2月15日 12:45
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ということで今後(というか既に)ブログの更新通知なども https://bsky.app/profile/rna.horobi.com で行っていきます。例外的な状況や知人の広報・宣伝に協力する等の事情がある場合を除いて基本的に X には投稿しません。
X のタイムラインの閲覧もなるべく減らしていきます。一切見ないと言っていた時期もありましたが、なかなかそうもいかないですね。でもタイムラインを常に見ていると期待しないでください。
一時期は主だったアカウントに通知設定して通知欄でチェックするようにしていたのですが、最近は通知漏れが発生したり、通知欄に「おすすめ」のツイートが交じるようになったり… さすがに広告だけは出てこないようですが、今後はわかりません。なので、通知も常にチェックしている・できているとは限りません。
DM 着信だけは今も通知設定を ON にしてありますので、何かあったら DM でお願いします。でも、できれば Bluesky の方で声をかけてもらえると助かります。
本当は X も Bluesky も Mastodon も一度にチェックできるマルチSNSクライアントがあればいいのですが、X はクライアントアプリ向けの API を閉じてしまったので*4 残念ながらそれも叶わぬ夢です…
*1:木星面に立った時に太陽が沈んでいく方向を西としています。天球上では東方向です。木星面上に日本地図を重ねた図を思い浮かべるとわかりやすいです(関西方面が西で関東方面が東)。
*2:barge: 濃い褐色の楕円形の斑点。参照: 今シーズンの木星の観測 -その見所と観測の際のポイント-。
*3:元々 Bird-watch という名前で開発され2021年7月にリリースされたが、日本では2023年7月から利用可能になった。参照: 「日本における Twitter コミュニティノートの利用状況」The 38th Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2024
*4:これもイーロンの意向です。