11月21日の深夜に馬頭星雲と M42 のツーショットを撮りました。実は夜の早い時間に土星だけ撮るつもりでいたのですが、シーイングが悪くて思うように撮れず、せっかくの快晴だし極軸を合わせた赤道儀もあるんだし、何か撮ろう、と思って先日購入してレモン彗星の撮影に使った Askar FMA180 pro で撮りました。カメラは久々にモノクロ冷却CMOSカメラ ASI294MM Pro を使いました。これが後々悲劇に繋がるのですが…
定番構図ですが、ちょうど良い焦点距離の鏡筒がなかったこともあり、今まではそれぞれ単体でしか撮ったことがありませんでした。
最初にHα撮ってR,G,Bを撮って、最後にLを撮る予定でしたが、Lを撮り始めた頃に子午線反転が必要になり、子午線反転に失敗してカメラを破損し、色々あって撮影続行が不可能になりました… 詳細は前回の記事をご覧ください。
カメラの撮影機能自体は無事でフラットやダークの撮影はできたので、撤収後HαとRGBだけで画像処理しました。結果はこちら。

Askar FMA180 pr (D40mm f180mm F4.5) / ZWO LRGB Filter 31mm, ZWO Ha Filter 31mm / ZWO AM3, 30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 2.6.13 による自動ガイド / ZWO ASI294MM Pro (46 Megapixel, Gain Ha:300, RGB:150, -10℃), SharpCap 4.1.12946.0 / 露出 Ha:120秒 x 20コマ + 60秒 x 8コマ + 30秒 x 8コマ + 8秒 x 8コマ + 4秒 x 16 コマ + 2秒 x 16コマ, RGB: 60秒 x 8 コマ + 15秒 x 8コマ, 総露出時間84分40秒 / PixInsight 1.8.9-3, Lightroom Classic で画像処理
多段階露光したデータを使ってHDR処理しています。HDRComposition 後に HistogramTransformation で軽くストレッチしてから HDRMultiscaleTransform でパラメータを試行錯誤して M42 の中心部が白飛びし過ぎないようにしました。
HαはHDR合成後のRGBのRチャンネルに40%ブレンドし、それをL*a*b*分解してLチャンネルに40%ブレンドしています。適当にやったわりにはそれっぽいカラーバランスになりました。
46 Megapixel で撮ってますが、露出時間が少なくてセンサー解像度をあまり活かせなかったかも。露出時間少ないと淡い星雲ではピクセル毎のキャッチする光子の数のバラつきが大きくなってザラザラした画像になってしまいますし、せっかくモノクロセンサー + カラーフィルターで撮ってもRGB毎にバラつきが出るのでカラーノイズも出てしまいます。
それにしても馬頭星雲というか、馬の首の形の暗黒星雲の背景になっている散光星雲、デカいですね… HII領域のどこまでを星雲とするのかよくわかりませんが、南北の広がりは M42(+ M43)とランニングマン星雲を合わせたよりも大きいくらいです。
まあ、写真ではHDR処理で輝度差が縮まってわかりにくいですが、馬頭星雲の方が圧倒的に淡くて暗いので、オリオン座の「大星雲」の名を譲る必要はないのですが。
色の違いも不思議です。馬頭星雲はHαで光るよくある赤い星雲ですが、M42 はご存知のように写真ではピンク色に写ります。
どちらも水素ガスの星雲では?と思ったのですが、M42 は中心部にあるトラペジウムのメンバーの若い大質量星(O型主系列星)が出す強い紫外線を出していて、そのエネルギーで水素のHβ線と酸素のOIII線(どちらも青緑色)が出ているそうです。*1
それはそうと、FMA180 pro、焦点距離180mmで RedCat 51 の250mmとそんなに差はないと思ってたのですが、これで狙える250mmでは無理があった構図が意外とあっていいですね。
星像は結構いいとは思うのですが、等倍で見るとマイクロフォーサーズの画角の周辺でもコマ収差?が少々目立ちます。RedCat 51 と比べるとちょっと、という感じ。まあ値段が倍くらい違うので比べちゃいけませんか…