以下の内容はhttps://rna.hatenablog.com/entry/20250815/1755231014より取得しました。


ZWO AM3 買いました

先日ついカッとなって ZWO の波動歯車赤道儀 AM3 一式をポチってしまいました。サマーセールで在庫処分価格になっていて昔の SX2 一式ぐらいの値段になっていたので… おそらく近々 AM3N が出るのでしょうけど、AM5 と AM5N の差を考えるとコスパ的には今の AM3 でいいや、と。

AM5 でなく AM3 なのはやはり重量。野外に持ち出すことを念頭に置きました。カウンターウェイトなしの AM3 は3.9kg、Star Adventurer GTi とカウンターウェイトを合わせると 2.9kg + 2.3kg = 5.2kg でかなり軽くなります。それでいて搭載可能重量は2kgアップ。

8月1日にKYOEI TOKYO さんの通販で AM3 本体、ハーフピラー、カーボン三脚、ウエイトシャフト一式を発注。8月3日に届きました。

https://rna.sakura.ne.jp/share/Screenshot 2025-08-15 at 09-32-45.png

ちなみにハーフピラーは AM5 用とありますが、確認したところ AM3 でも使えるとのことで、実際使えました。

一緒に注文した ASI662MC はえらく安かったので ASI290MC の後継になればと買ってみました。これはセール価格になる前から安くてちょっと不安になりましたが… こちらについてはまだ通電して接続確認程度しかできてないのでまた後日。

8月4日に開封して室内で軽く動作をテスト後ベランダで FSQ-85EDP をカウンターウェイトなしで載せてテスト撮影。8月8日にはミューロン180Cをカウンターウェイト付きで載せてテスト撮影しました。両日とも天候が悪くちゃんとした作例は撮れませんでしたが、オートガイドの精度等はある程度確認できました。

各パーツの簡易レビュー

以下赤道儀一式の各パーツについて簡単にレビューします。実戦で使い込んでのレビューでないためあくまで簡易レビューということで。

TC40 カーボン三脚

基本的には大型の中華カーボン三脚です。パイプが太くて段数が少ない(2段)ので頑丈そうです。脚のロックはナット式です。伸縮はロックをかなり緩めないとスムースに伸ばせませんが、ロックを少し緩めたくらいではガクッと縮んでしまわないのでちょうど良いのかも。

取り付けパンも大型の中華カーボン三脚に付属するものとよく似たタイプで、テーパーのついた金属製のもので、三脚ヘッドの穴に嵌め込んでネジで固定します。取り付けパンの固定は基本的にヘッド横のネジ一本ですが、固定用の金属ピースがパンのテーパーに嵌る仕組みで強度的には大丈夫そう。

取り付けパンの中心にもネジ穴があって裏側からも三脚の閉じ止め(?)の樹脂製パーツを挟み込む形でネジ止めします。樹脂製パーツが間にあるので赤道儀本体を固定する意味では補助的なものだと思います。

付属品でストーンバッグと交換用の金属スパイク式石突が同梱されていました。三脚ケースはなし。スパイク式石突は先が細長いタイプで地面に突き刺して使う想定と思われます。石突のネジ規格は標準的なもので Velbon の可変石突 V800 も取り付けできました。

高さは脚をいっぱいに伸ばして設置してビクセンの SXG-HAL130 を一番縮めて設置した時よりも少し高いくらいです。それぞれ AM3 と SX2 を取り付けるとほぼ同じ高さになります(SX2 の方が背が高いので)。今までベランダでは SX2 + SXGハーフピラー + SXG-HAL130 で三脚を10cm弱伸ばして使っていたので、TC40 にハーフピラー PE200 を付けてもちょっと高さが足りず、地平線近くは死角になりました。

市販の中華三脚で代替できないかと思い取り付けパンの寸法を測りましたが、パンのテーパーの最大径が85mm、取り付け面は88mm。寸法的には INNOREL RT90C が近いですが、こちらはテーパーの最大径は85mmですが、取付面は96mmで、互換性があるかどうかはよくわかりません。

PE200 ハーフピラー

純正のハーフピラーです。しっかりした造りで、ただの金属パイプではなく、筒の内面に骨というかリブのようなものが3本入っており、ビクセンのSXGハーフピラーと同等かソレ以上に頑丈そうです。重さは体感でSXGハーフピラーと同じくらい。数字的には0.2kg軽いはずですがあまり軽い感じはありません。

箱出しの状態で TC40 用の取り付けパンがピラー下部に組み付けてあり、そのまま TC40 に取り付けられます。ピラー上部には TC40 用の取り付けパンが取り付けられます。取り付けパンの固定は TC40 と似た形ですがこちらは固定ネジが3本あります。

Sky Watcher の三脚に取り付けるためのアダプターが付属していましたが、Sky Watcher の三脚は持っていないので試していません。

BC230 ウエイトシャフト

太さ20mmの金属棒です。ビクセンのバランスウェイトが取り付けられます。ミューロン180Cを載せる時にバランス的に不安なので買っておきました。

ウェイトの抜け止めのネジが付いていない?と思ったら、赤道儀本体のシャフト取り付け穴を塞いでいるネジをシャフトの末端にねじ込んで抜け止めにする方式でした。

AM3 赤道儀本体

AM3 赤道儀本体は発泡スチロールを丈夫にしたような素材(発泡ポリエチレン?)でできた持ち手とロック付きのケースに入っていました。

このケースは見た目よりは丈夫そうですが、やはり柔らかい素材ですし、開閉部分にはヒンジがなくて樹脂製のテープみたいなものがあるだけなので強度的にキャリングケースとして使うには不適だと思います。あくまで保管用として使うのがよさそう。

ケースは赤道儀の高度がどの位置になっていても収納できるように窪みが彫ってあって、ケースに入れるために高度を調整を台無しにしなくても良いのがいいです。その点を除くと窪みの寸法はタイトで取り出しにくいのが玉にキズ。また、赤道儀本体のアリミゾクランプを最大に開いた状態では蓋が閉まらないので少し締めておく必要がありました。

赤道儀本体はコンパクトなだけに密度があり、持つと意外にずっしり重さを感じます。外装の赤は写真で見るよりメタリックで綺麗です。

ハンドコントローラーとそれ用のカールケーブルと ASI Air 用?のUSBケーブル、ピリオディックモーションの測定レポート(中国語/英語)、マニュアル(中国語/英語)が付属していました。KYOEI で買ったので KYOEI の保証書が入っていて、そこに日本語版マニュアルのダウンロード用のQRコードとマニュアルのPDFのパスワードが印刷されていました。

電源は 12V でプラグ径は ASI294MC Pro 等の冷却CMOSカメラの電源と同じです。SX2 用の電源プラグは径が違うので使えません。

スマホアプリからの制御に対応していて、接続方式には Wi-FiBluetooth を選べます。制御用アプリの名前は付属の中国語/英語のマニュアルでは ASI Mount となっていましたが、これは現在は SkyAtlas という名前になっています。このへんは KYOEI の日本語マニュアルでは修正されています。

操作感等は実写テストの節で後述します。

全体的に

各パーツを触ってみた印象では全体的にしっかりした造りで手抜きや雑さを感じる部分はほとんどありませんでした。手で回すネジには引っかかりや余計な遊びがなくヌルっと回りますし、取り外す必要のないネジには抜け止めのワッシャーが付いていてネジをなくさないように工夫されています。値段に負けないだけの気合の入った製品と感じました。こう言っちゃなんですが、Sky Watcher 製品の割り切りの対極に位置するというか(笑)

実写テスト

まず8月4日にタカハシ FSQ-85EDP を載せてテストしました。カウンターウェイトはなしです。正直ビビっていましたが転倒等はありませんでした。この日は強風(風速5m以上あったと思います)が吹いていたのですが、バランスがズレた機材を支える方向の風向きだったので、逆向きの強風が吹いていたらどうだったのかはわかりませんが、いわゆるイナバウアー姿勢にはならなかったため、大きくバランスが崩れることがなかったのもあると思います。

制御アプリの SkyAtlas では STAR BOOK TEN にはあった、子午線越え何度まで導入するか、追尾を続けるか、という設定がなく、子午線越えの対象の自動導入では強制的に鏡筒が反転し、追尾中に子午線を越えると自動的に追尾が停止するため、イナバウアー姿勢は取れないのです。

追記 2025-08-20:
AM3 をUSBで PC に接続して ZWO ASCOM Driver (ASIMount)で設定するとイナバウアーできるようになりました。別記事で解説しています。

ちなみに SkyAtlas は iPhone 15 Pro で動かし、AM3 とは Bluetooth で接続しました。部屋の中から窓越しに 2m ほどの距離からの制御ですが、接続は安定していました。アプリをバックグラウンドにして放置すると接続が切れて、アプリから手動で再接続する必要がありますが、それほど手間ではないです。でも直前使っていたマウントに自動接続するようにして欲しかった…

ZWO AM3 + タカハシFSQ-85EDP
ZWO AM3 + タカハシFSQ-85EDP

オートガイドのテストでは M15 を撮りました。強風故にガイド精度は参考程度にしてください。後述するミューロン180Cでのテスト結果から見てこれが AM3 の実力というわけではないと思います。

AM3テスト撮影 (FSQ-85EDP + ASI294MM Pro Bin1 等倍)
AM3テスト撮影 (FSQ-85EDP + ASI294MM Pro Bin1 等倍)
高橋 FSQ-85EDP, フラットナー1.01× (合成F5.4), SIGHTRON IR640 Pro II Filter 48mm / ZWO AM3 + 30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 2.6.13 による自動ガイド / ZWO ASI294MM Pro (46Megapixel, Gain 125, 10℃), SharpCap 4.1.11817.0, 露出: 2分 x 20コマ / PixInsight 1.8.9-3, Lightroom Classic で画像処理

星像は丸いですが、風でガイドの乱れもそこそこあったので、かなりぽってりした星像になっています。月が出ていたのでIRパスフィルターを使っていたのですが、そのせいもあるかもしれません。

数字的にはRA/DEC共にRMSエラー1.0秒角以内でガイドできていました。調子の良い時のSX2と同程度です。しかし強風の割にはガイドが安定していて、時折強風でブレた後もそこから蛇行(ハンチング)に陥ることなく修正できていました。

バックラッシュがないというのがここまで効くのかと。構図の修正で SkyAtlas から手動で動かす際もピタッと止まって SX2 のように行き過ぎることがありません。

8月8日にはミューロン180Cを載せてオフアクシスガイドのテストも行いました。こちらはさすがにカウンターウェイトを付けています。

ZWO AM3 + タカハシ ミューロン180C + ビクセン バランスウェイト3.7kg
ZWO AM3 + タカハシ ミューロン180C + ビクセン バランスウェイト3.7kg

SX2 で使っているのと同じ 3.7kg のカウンターウェイトです。クランプフリーでバランスを取れない波動歯車赤道儀ですが、トルクを信じて適当な位置にウェイトをセットしました。

ターゲットは今回も M15。この日は風も穏やかでした。カメラは前回と同じ ASI294MM Pro ですがF値が暗いのと満月に近い月が出ていたのでHαフィルターで撮ったため、感度を上げるために11Megapixelモード(ASI294MC Pro 相当の解像度)で撮りました。

ZWO AM3 テスト撮影 (ミューロン180C + フラットナーレデューサー + ASI294MM Pri Bin2 等倍)
ZWO AM3 テスト撮影 (ミューロン180C + フラットナーレデューサー + ASI294MM Pri Bin2 等倍)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), 高橋 Mフラットナーレデューサー (合成F9.8), ZWO Ha Filter 31mm / ZWO AM3, ZWO OAG + ZWO ASI290MM + PHD2 2.6.13 による自動ガイド / ZWO ASI294MM Pro (11Megapixel, Gain 300, 20℃), SharpCap 4.1.11817.0, 露出: 3分 x 4コマ / PixInsight 1.8.9-3, Lightroom Classic で画像処理

露出が圧倒的に足りないですが、星像はしっかり丸いです。オートガイドは今までの感覚なら絶好調と言える精度で、RMSエラーはRA/DEC共に0.5秒角前後でした。蛇行も一切なし。

AM3 でミューロン180Cは過積載かとも思ったのですが、これだけ安定しているなら少なくともDSO撮影については問題なさそうです。

波動歯車赤道儀はピリオディックモーションが大きめなのでオートガイド撮影できない惑星撮影では使いづらいのでは?と思って惑星撮影のテストもやりたかったのですが、夜中から雲が出てきてテストできませんでした。

というわけで…

簡単ではありますがテスト結果は良好で、今後の主力赤道儀として使っていきたいと思っています。あとは野外でのテストもしたいのですが、この暑さでは… もうちょっと涼しくなってからテストしてみたいと思います。




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