7月25日の夜、SCW の予報はイマイチだったのですが、Twitter で HIROPON さん(id:hp2)の出撃を見て自分もベランダで何か撮ることにしました。
深夜まで晴れれば土星を撮るのは決めていたのですが、せっかくの新月期なので DSO も何か撮りたいと思い、土星を撮るのと同じ μ-180C で M27 亜鈴状星雲をクローズアップで撮ることにしました。そろそろオフアキ(オフアクシスガイダー)の使い方を復習しておかねばと思っていたところだったので。
ZWO OAG は今までまだ2回しか使ったことがありません。
2回目はカラーカメラでの撮影ですが、こんなことを書いていました。
フィルターホイールは余計なんですが、オフアキを入れると 48mm の UV/IR Cut Filter を取り付ける場所がなくて… 手持ちのパーツではうまい組み合わせがなく、結局は前回と同じ構成でカメラだけ差し替える形にして、フィルターホイールのLフィルターを使うことにしました。
…と思っていたのですが、後からよく見るとフラットナーレデューサーの2インチ差し込み部分の先端が 48mm フィルターネジになっていました。今試してみたら、ZWO の 48mm Duo-Band Filter を取り付けた状態でも μ-180C の2インチスリーブの奥まで差し込むことができ、普通のフィルターならまず大丈夫そうです。ただし、ここにフィルターを付けるとオフアキに入る光にもフィルターがかかるので、ナローバンドフィルターを使う場合は十分明るいガイド星がみつからなくおそれがあります。
今回はまさに 48mm のデュアルナローバンドフィルターを使いたかったので、この問題を解決する必要がありました。
オフアキ(ZWO OAG)より後ろ(カメラ側)に 48mm フィルターを取り付けられそうなパーツは ZWO のマウントアダプターぐらいですが、普通に組むと光路長が長すぎます。ZWO EOS-EFマウントアダプターII は、EOSマウント側パーツとカメラ側パーツを分割してカメラ側のパーツの内側に 48mm フィルターを装着できる仕様で、このカメラ側パーツをなんとか ZWO OAG に接続できないかと思案していたのですが、ふとパーツ箱を見ると見慣れない変換リングが…

これを、
こうして、
こう!
できあがり!
謎の変換リング、どうやら内側が M42 メス、外側が M54 オスのリングで、単体で買った憶えはないし一体何のパーツの一部なのか見当がつきませんが、ZWO OAG のメインカメラ用42mmアダプターの M42 ネジにこの変換リングを噛ませると ZWO EOS-EFマウントアダプターII のカメラ側パーツを接続できました!
これに ZWO EOS-EFマウントアダプターII 付属のM42延長リングを接続して現物合わせすると光路長もちょうどいい感じのようで、1, 2mm 差はある気がしますが、いざとなったらシムリングで調整しようということで、接続はカメラ側から順に以下のようになりました。
- ZWO ASI294MC Pro (延長筒なしでフランジバック6.5mm)
- T2 extender 11mm (ZWO ASI294MC Pro 付属の延長筒、光路長11mm)
- ZWO EOS-EFマウントアダプターII M42延長リング(光路長5mm)
- ZWO EOS-EFマウントアダプターII カメラ側パーツ(光路長14.5mm?)
- 謎の M42-M54 アダプター(female to male, 光路長0mm)
- ZWO OAG (光路長16.5mm)
- タカハシ接続リング M54-M48 (光路長1.5mm?)
- タカハシ Mフラットナーレデューサー
上の構成で光路長の合計は 55.0mm です。厚み1.85mmのフィルターがあると光路長が約0.6mm伸びるので実質 55.6mm。フィルターによる光路長の変化の計算はそーなのかーさんのこちらの記事を参考にしました(近似解の方を使いました)。
タカハシのカメラマウント DX-WR 接続の規格は対物側からセンサー面まで 56.2mm なので 0.6mm 光路長が足りないのですが、ZWO のパーツの寸法はそこそこ誤差があるようですし、あまり厳密に合わせてもしょうがないと思い、実際プレビューで周辺星像を見ても特に悪化しているようには見えなかったで、結局このまま使いました。
ガイドカメラは以前同様 ASI290MM です。接続構成が変わったこともあってガイドカメラ側のピントがズレてしまっていたのですが、すぐに調整できる範囲でした。ガイド星も少し調整するとすぐ見つかりました。
ガイド自体は比較的順調でした。ガイドカメラの露光時間は2秒だと反応が遅れてガイドが少し荒れる感じだったので、1.5秒にしました。明るいガイド星があるならもっと短くてもいいかも。これで RA/DEC 共にRMSエラーは 1" 弱。もう少し精度が欲しいですが、SX2 だとバックラッシュが大きいせいか赤緯ガイドが蛇行しがちでこれ以上は難しそう。
結果はこうなりました。

高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), 高橋 Mフラットナーレデューサー (合成F9.8), ZWO Duo-Band Filter 48mm / Vixen SX2, ZWO OAG + ZWO ASI290MM + PHD2 2.6.13 による自動ガイド / ZWO ASI294MC Pro (Gain 300, -5℃), SharpCap 4.1.11817.0, 露出 90秒 x 40コマ (総露出時間 60分) / PixInsight 1.8.9-3, Lightroom Classic で画像処理
色合わせは PI の SPCC で Narrowband filters mode で R を Wevelength 656nm, Bandwidth 15nm、G と B を Wevelength 500nm, Bandwidth 35nm に指定しました。
ちなみに後からだいこもんさん(id:snct-astro)の記事を思い出して、Sony のベイヤーフィルターと ZWO Duo-Band Filter を合成したフィルターを定義して再処理してみたのですが、ほとんど見分けがつかない結果になりました…
ガイドが甘いのかピントが甘いのか星像がイマイチ眠い感じですが、まずまずの迫力です。デュアルナローの効果もあって赤い水素ガスの領域のモクモクした感じも写りました。酸素ガスの青い領域の構造も見えていますが、Chisakari さん(id:chisakari)が IDAS NBZ-II を使って撮った写真のような外側に羽のように広がる青いガスは写りませんでした。
実は微かに写ってはいるのですが、総露出時間60分ではこれを無理やりあぶり出すとノイズだらけになってしまいます。F値も暗いですし、露出時間を10倍くらいはかけないと無理そうです…
ちなみに M27 を最後に撮ったのは2019年の夏でした。
まだ冷却カメラを導入していなくて惑星用カメラで無理やり撮ったものです。これに比べるとだいぶ良く撮れたとは思うのですが、大げさな機材を使うほど欲が出てしまいますよねぇ…
この後土星を撮りました。タイタンが写野に入るタイミングでしたが、シーイングは先日ほどではなく… まだ処理していませんが、処理したらアップします。


