2月24日の深夜、ケンタウルス座の球状星団「ω星団」を撮影しました。
ω星団(NGC5139)は全天最大の球状星団ですが、北半球からは地平高度が低く見えにくく、メシエ・カタログにも載っていません(メシエが観測していたパリからは見えなかったため)。日本だと北海道は無理ですが、東北以南では見えるはず、なのですが、光害地では厳しいだろうとずっと敬遠していました。
が、前日に Twitter に仙台から電子観望で見えたという投稿があり、それなら横浜からでも写るかも?と思って調べてみました。
ベランダからだと真南に建物があり、低空の天体は南中前には遮られてしまうのですが、その東側はかなり開けており、高度2.5度くらいからはクリアーです。SCW の予報では深夜は相模湾沖まで雲がない快晴。ならば今日撮れるか?Stellarium のシミュレーションだと0:40あたりから1:20くらいはチャンスがありそう。高度は2.5度から4.0度。実際に使えるフレームが撮れるのは20分間くらい?
以前なら諦めていた低空の撮影ですが、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)とアトラス彗星(C/2024 G3)の撮影で、高度1度台までクリアーな天気は実際にあるし、そんな時は高度2度台でも7等星ぐらいは写る、ということを知ってしまったので、条件さえ揃えば写るはず、と思って撮影することにしました。
とはいえ低空がどこまで晴れるかは運次第で、せっかく機材を出しておいて何も撮れずに終わるのも辛いので、夜半から深夜まではしし座の銀河 M105 + M96 + M95 のスリーショット(NGC3384, 3389 を含めれば5ショット)を撮ることにしました。これについてはまた後日。
0:20 頃に銀河の撮影を終えてオメガ星団を導入。まだ遠くの家屋の陰に隠れて見えません。しかし近くの5.75等星はプレビューでもはっきり見えているので、シミュレーション画像を見ながら構図を合わせて待機。0:38ぐらいから屋根の上にぼんやりとその姿が見えてきました。高度は3度弱。

高橋 FSQ-85EDP (D85mm f450mm F5.3), フラットナー1.01× (合成F5.4) / ZWO IR-Cut Filter 48mm / Vixen SX2 / ZWO ASI294MC Pro (Gain 354, -10℃), SharpCap 4.1.11817.0 / 露出 2秒 / PixInsight 1.8.9-2, Lightroom Classic で画像処理
この低空で2秒露出でもわかる存在感。家屋の屋根が写野の外に出た0:50頃から撮影開始。南側の建物の通路の照明からの迷光がプレビューでもわかるくらい目立ってき1:20頃に撮影を終了しました。
この後せっかくなのでとケンタウルス座A(NGC5128)も撮ろうとしたのですが、既に建物の照明の射程内に入ってしまっていてまともに撮れませんでした。でも丸い銀河の前に暗黒帯が横切る様子は写っていたので次の機会に狙ってみたいです。
撤収後 PixInsight の Blink で写りを確認し、低空のカブリがひどいフレームと照明の迷光のカブリが認められるフレームを除外すると総露出時間は約20分になりました。結果がこちら。

高橋 FSQ-85EDP (D85mm f450mm F5.3), フラットナー1.01× (合成F5.4) / ZWO IR-Cut Filter 48mm / Vixen SX2, D30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 2.6.13 による自動ガイド / ZWO ASI294MC Pro (Gain 150, -10℃), SharpCap 4.1.11817.0 / 露出 30秒 x 39コマ, 総露出時間 19分30秒 / PixInsight 1.8.9-2, Lightroom Classic で画像処理
結構ブレてますし、大気色分散で星像も色ズレしていますが、その大きさ、球状星団らしい姿は見て取れます。周辺のカブリが取り切れなくてクロップしてごまかしたので1.5倍くらいに拡大した構図になってますが…
ブレているのはオートガイドがほとんど機能しなかったからです。ガイドカメラの写野に地上の灯りが入っておりコントラストが低下してガイド星が一つしか選べず、それすらしょっちゅう見失う有様でした。オフアキ使った方がよかったのかも?
しかしデカいですね。M22 もデカかったですが、それより一回り以上デカい感じです。
球状星団は微恒星の写りでだいぶ大きさが違って見えるのですが、 Stellarium のデータではω星団の大きさは M22 の1.7倍だそうです。
まあ、球状星団の中のかなり明るい星しか写っていない写真を見てどれだけデカいとか言ってもしょうがないですね。デカさを堪能したい方は k (id:mayururii)さんがリモート撮影でオーストラリアから撮った写真を見てください。迫力が違います!
というわけで写りはビミョーですが、遠征しないと撮れない、多分一生見ることもない、と今まで思っていたω星団を撮れて満足しました。
近況
アトラス彗星(C/2024 G3)で燃え尽きてここ一ヶ月ほどコレになってました。。。
ウテナ「北斗七星… そういえば、今日は星の話、しませんね。」
鳳暁生「…本当のことを言おうか。実は星なんか、全然興味ないんだ。」
『少女革命ウテナ』第37話
アトラス彗星も南半球ではすごい姿が見えていましたが最後は燃え尽きちゃいましたね。近日点を無事通過とか言ってましたが決して無事ではなかった…
実は1月17日もアトラス彗星を撮っていたのですが、さすがに昼の空ではだいぶ見えにくくなっていて、日没後は空が暗くなる前に低空の雲に邪魔されて残念な写りにしかなりませんでした。その後夜になってから木星と火星を撮っていたのですが、なにぶん冬のシーイングではイマイチで仮処理だけしてほったらかしでした。まあこのへんは気が向いた時にアップしようと思います。あと WinJUPOS 12.3.12 のレビューも書かなきゃ…