1月10日、11日もアトラス彗星を撮りました。10日はベランダから、11日はマンションの廊下の端から撮りました。
3日目 (2025/1/10)
1月10日はベランダからだと彗星の出てくる位置の近くに木と電柱と電線がありどうにも避けようがなく、かといってマンションの廊下の端(東の端)からだと南東に近い位置は死角に入りそうですし、いつもの公園からだと低空は全く見えません。
#天文なう アトラス彗星撮影準備中。どうも今日は電線の隙間を通る数分しかチャンスなさそう…
— 🌻ナょωレよ″丶)ょぅすレナ🌻 (@rna) January 9, 2025
この狭い隙間に雲が来たら万事休すといったところですが、結局は地平線まで雲ひとつない快晴になり、6:10頃に木立の影から出てきたところから彗星の姿を確認できました。

William Optics RedCat 51 (D51mm f250mm F4.9 屈折), ZWO IR-Cut Filter 48mm / Sky-Watcher Star Adventurer GTi / ZWO ASI294MC Pro (Gain 0, -10℃), SharpCap 4.1.11817.0 / 露出 738ms〜641ms x 15 総露出時間 約10秒 / PixInsight 1.8.9-3, Lightroom Classic
彗星の高度は1.23度。コマは明るいですが尾はやはり短く狭い電線の隙間に収まっていました。
電線をまたいで次の隙間に見えたのが 6:13 頃。高度は1.65度。
こちらは6:10の写真よりも彗星の姿がシャープに写っています。超低空で星像が肥大していたのでしょうか。尾の見え方は変わってないようです。彗星が高度が上がって明るくなる一方で朝焼けも広がって背景が明るくなり、2つの要素が打ち消し合っているのでしょう。
次に彗星が見えたのは電柱と電柱上の機器の後ろを通り過ぎた約10分後でした。
すっかり空が明るくなって、フレーム毎の露出時間は1/10秒。それでも尾はギリギリ見えています。とはいえここからはもう写りが良くなる見込みはないのですが、惰性でさらに10分ほど撮ってから撮影を終了。プレビューで彗星が薄明の空に溶け込むのを見送って6:45頃に撤収を開始しました。
4日目 (2025/1/11)
1月11日はお休みするつもりでした。ここまで3連チャンの上、11日は昼からアイドルイベントがあり、しかもアトラス彗星は前日よりさらに東寄りに出てくるため、写線*1 を障害物に邪魔されるベランダではなく外で撮らなくてはならないからです。
今日のアトラス彗星どうしようかな… ベランダからは厳しいけど、昼から用事あって体力温存したいので外に出るのも避けたい…
— 🌻ナょωレよ″丶)ょぅすレナ🌻 (@rna) January 10, 2025
彗星は太陽にさらに近づき観測条件も悪いし… と思ったのですが、マイナス3等級まで行ってるかもとの誘惑には勝てず…
とかいいつつお外にきてます。アトラス彗星出現位置にやっと導入して追尾止めて待機中。。#天文なう
— 🌻ナょωレよ″丶)ょぅすレナ🌻 (@rna) January 10, 2025
結局マンションの廊下の東の端に陣取りました。来ちゃった… って感じですが、赤の他人の部屋の前なんで怒られたらそこで終了です。緊張感が半端ない。
マンションの北側なので、いつものドリフトアライメントが使えず、ガイドカメラ付けてごちゃごちゃするのも避けたくてポーラードリフトアライメントもやりませんでした。画像処理は PixInsight の CometAlignment を使えばスタックできるし、極軸は少々いいかげんでも赤道儀で追尾すれば写野回転も十分小さかろうということで。*2
なのですが、おかげで彗星の出現位置の導入には苦労しました。コカブでアライメントを取って*3 座標で導入を試みたのですが、だいぶズレているようで、仕方なく人力プレートソルブしてみたもののどうしてもうまくいかない、と思ったら、見比べていた Stellarium がリアルタイム表示になってなくて全然違う時刻で止まっていたせいでした…
その後なんとか彗星出現位置を写野のセンターに入れて追尾を止めて待機の態勢が整いました。ここまで1時間くらい寒い中で立ちっぱなしだったので部屋に戻って手足を温めてから使い捨てカイロを2つ持ってきて待機。
待機中。 pic.twitter.com/49Ue8CYrgd
— 🌻ナょωレよ″丶)ょぅすレナ🌻 (@rna) January 10, 2025
この場所からだと電柱に邪魔されず、遠方の鉄塔と手前の木はありますが、高度1.6度くらいから障害物が一切ありません。そしてこの日も地平線まで雲一つない快晴。
6:14頃、既に朝焼けはだいぶ広がっていましたが、鉄塔の隙間越しにアトラス彗星が見え始めました。高度は1.25度。鉄塔とその電線を通り過ぎて6:16頃からオールクリアー。

William Optics RedCat 51 (D51mm f250mm F4.9 屈折), ZWO IR-Cut Filter 48mm / Sky-Watcher Star Adventurer GTi / ZWO ASI294MC Pro (Gain 0, -10℃), SharpCap 4.1.12946.0 / 露出 312ms / PixInsight 1.8.9-3, Lightroom Classic
この日の分の写真は複数のフレームをスタックせずに単フレームで処理しています。
最初 CometAlignment + ImageIntegration でスタックした写真も作ったのですが、鉄塔のシルエットがクッキリしているだけに全体的に手ブレしたみたいな写真になってしまって、彗星もブレて見えてしまって…
そこで新星景みたいに止まっている地上風景を合成して仕上げようかと思って CometAlignment の reference frame を処理していたら、それだけで彗星がちゃんと見えるし、なんならスタックしたものよりクッキリ写っていたのでし、もうスタックはやめて単フレームだけで処理することにしました。これだけ背景が明るいとノイズも全然許容範囲です。
スタックするとシンチレーションによるブレでぼやけるというのもあるんでしょうね。Blink で動画で見ると遠くの鉄塔もシンチレーションでゆらゆら動いているし、彗星も瞬いていたので、なるべくクッキリ見えるフレームを選んで処理しました。
ちなみに全体にもやもやしたノイズがありますが(特に白黒反転して強調したもの)、これは背景光のショットノイズではなく、構図を変えても同じパターンで動かない固定のノイズでスタックしても消えません。*4 センサーのノイズにしては空間周波数が低すぎるのでフィルターか保護ガラスのムラかと思うのですが未検証です。
撮影中に朝焼け空の明るさはどんどん変化していくので、露出をリアルタイムに調整しながら撮っていてなかなかPCから目が離せなかったのですが、せっかく外に出て撮影しているので、隙きを見て双眼鏡で鉄塔の方向を見てみると、彗星の姿が見えました!
いかにもな彗星、というよりは、朝焼け空に付けた白っぽい引っかき傷、的な見え方でした。上の写真は眼視よりはクッキリしていますが、色調などは眼視のイメージに寄せて処理しているので、この写真を薄目で見たらだいたい双眼鏡で見た時の印象に近いです。
その1分後の6:17の写真。
さらに2分後の6:19の写真。
空はだいぶ明るくなっていましたが、色合いのせいか、これが一番よく写っています。彗星はこのくらいまでは双眼鏡でも見えていましたが、その後は薄明に紛れて見失ってしまいました。
確認できる尾の長さはやはり画像上で 200 pixel 前後、視角としては 12' 前後でしょうか。もっとノイズの少ないカメラや長焦点の望遠鏡で撮ればもう少し淡いところまで確認できたかもしれません。
その後10分ぐらい惰性で撮り続けて、その後6:40頃までプレビューで彗星を眺めながら時々記念写真的に撮影していました。最後は 1/60s の露出でしたがストレッチするとまだ尾が出ているのがわかる程度に見えていました。名残惜しかったですが、他人の部屋の前ですし、いいかげん住人が起きてくるかもしれないので、撤収しました。
ということで…
そして今日、1月12日の朝は曇りということで撮影はお休み。4連チャンの後なのでむしろホッとしてしまいました。前日は夜までイベントでしたし、深夜には見逃せない番組があり、翌朝もまた見逃せない番組があって、その間に撮影を入れるのは無茶でしたので…
その後のアトラス彗星は、SOHO 衛星の LASCO/C3 コロナグラフの撮影画像に出現とか、天文台の観測で核が分裂していたとか話題に事欠きませんが、明日以降観測条件は非常に厳しくなる模様。とはいえ、昼間でも望遠鏡なら確認できるとか赤外フィルターを使えば結構写るとかいう話もありますので、天候と体調が許せばなるべくチャレンジしてみようと思います。















