以下の内容はhttps://rna.hatenablog.comより取得しました。


木星とイオの通過 (2026/3/21)

3月21日の夜に木星を撮影しました。だいぶ春らしい天気になりシーイングも良さそうで、夜の早い時間ではありますが大赤斑も見えそうということで日没前から準備して天文薄明が終わる前の19:00頃から撮影を開始しました。

大赤斑の位置はいつも SKY & TELESCOPE のスマホアプリ Jupiter Moons のチャートで確認しているのですが、このアプリの表示ではこの日の大赤斑は19:00頃には既に中央と西(木星面上では東)の端の中間ぐらいに位置しており、20:30頃には大赤斑が見えなくなるようでした。

これでは大赤斑が綺麗に撮れないな、やめとこうかな、と思っていたのですが、アプリの表示を最近撮影した写真と比べると、*1 どうやらこのアプリの大赤斑の位置は40分ほど進んで表示されるようです。だとすると19:00頃には大赤斑はほぼ正面を向きます。

というわけで撮影したのですが、ちょうど木星面上にイオとイオの影が見えていました。CMOSカメラのプレビュー映像でも見えていました!木星の衛星の影はプレビューでもよく見えるものですが、木星面上を通過する衛星本体がプレビューで視認できたのは初めてでした。

そのくらい好シーイングでした。木星が既に遠いのが惜しいのですが、2時間近く撮影し続けてキャプチャデータは1TBを越えました。そのうち3つの時点でのデータを画像処理して仕上げたのがこちらです。

木星とイオの通過 (2026/3/21 19:07)
木星とイオの通過 (2026/3/21 19:07)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F41.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / ZWO AM3 / L:ZWO ASI290MM (Gain 310), RGB:ZWO ASI662MC (Gain 461), SharpCap 4.1.11817.0 / 露出 L:13ms x 1500/3000コマ x 3, RGB:17.6ms x 1500/3000コマ x 3 をスタック処理して de-rotation 後 LRGB 合成/ AutoStakkert!4 4.0.11, RegiStax 6.1.0.8, WinJUPOS 12.4.0, Photoshop 2025, Lightroom Classic

木星とイオの通過 (2026/3/21 19:43)
木星とイオの通過 (2026/3/21 19:43)
撮影データは上に同じ。

木星とイオの通過 (2026/3/21 20:14)
木星とイオの通過 (2026/3/21 20:14)
撮影データは上に同じ。

de-rotation で木星面上のイオが不自然にならないように画像処理するのに苦労しました。これはおそらく de-rotation する前に完全な wavelet 処理をやっておく必要がありました。

今までは wavelet をかける前の stack のみの画像か、またはそれに軽く wavelet をかけた画像を de-rotation して、最後に仕上げの wavelet 処理を行うようにしていたのですが、これをやると de-rotation 後の wavelet で木星面上の衛星とその影の周りに切り貼りしているのが丸わかりになるようなアーティファクトが発生してしまいました。

de-rotation 前に wavelet 処理を済ませていれば、WinJUPOS の衛星の de-rotation の Option の設定 'Correction of the planetary moons and shadows' の Masking radius arond moons and shadows の値を上手く選べば(今回のデータでは1〜2ピクセルが正解でした)アーティファクトはほとんど出ないようです。

ただし、上の2枚目のデータではどうしてもイオの縁が不自然にクッキリしてしまったので、reference time の単一Lフレームのデータを輝度データとして重ねて65%ブレンドすることで不自然さを緩和しています。

また、F値の暗い機材で撮ったノイズ多めの撮影データだと1500フレーム程度のスタックでは強い wavelet をかけた時に粒の大きなノイズが浮いてしまって de-rotation でスタックしてもザラザラ感が残ってしまいます。そのため wavelet は弱めにしてあります。

それにしてもいいものですね。木星の自転で動く大赤斑、木星の周りを公転して木星面を通過するイオ、そしてそのイオが木星面に落とす影。日没が遅かったせいで1枚目の写真より前のイオの木星面通過の前半は撮れませんでしたが、3枚目の後のイオの通過後の影の通過の最後までは撮れました。

これは是非ともタイムラプス動画にしたいところですが、一昨年の秋のデータもまだ処理できてないんですよね…

これは4時間以上、今回は2時間近く撮影しているので、これを全フレーム手作業で処理なんてしたくないので自動化しようとしていたのですが、昨年 WinJUPOS にタイムラプス動画作成支援機能 'Save image sequence' が追加されました。が、残念ながらこれは長時間のタイムラプスには向かないものでした。

上の記事の最後に書いた .icm ファイルの解析と .icm ファイル生成ツール作成の計画も、あれから進んでいません。なかなか腰を落ち着けて作業できないのですが、AI使って進めてみるのも手ですかね…

*1:実は3月4日に大赤斑が見えるタイミングで撮影しました。寒気のせいかシーイングが最悪でボケボケの写りになってしまいましたが、大赤斑の位置を確認するにこの写真を参照しました。

花粉月光環 (2026/2/28)

2月28日の夜、アイドルイベントからの帰り道で月を見上げると月齢11の月の周りに何やら虹色の環が… SNSで昼に花粉光環が見えると話題になっていたのでこれも花粉光環?月の場合は花粉月光環と呼ぶそうですが、スマホのカメラで撮っても虹色の環が写るので目がおかしいわけではなさそうです。

スマホの写真では物足りないので帰宅後望遠鏡で撮ってみました。最初は RedCat 51 (f=250mm)で撮っていたのですが、焦点距離が長すぎて花粉光環が見切れ過ぎるので、FMA180 pro (f=180mm)で撮りました。低速シャッターで撮ってストレッチしたものです。

花粉月光環 (2026/2/28 22:55)
花粉月光環 (2026/2/28 22:55)
Askar FMA180 pro (D40mm f180mm F4.5) / ZWO IR-Cut Filter 48mm / ZWO AM3 / ASI294MC Pro (Gain 170) SharpCap 4.1.11817.0, 露出 1/4秒 x 200コマ / AutoStakkert!3.1.4, Photoshop 2026, Lightroom Classic で画像処理

これだと中央の月面が白飛びして残念なので、露出を変えて月面を撮りました。

月面 (2026/2/28 22:57)
月面 (2026/2/28 22:57)
Askar FMA180 pro (D40mm f180mm F4.5) / ZWO IR-Cut Filter 48mm / ZWO AM3 / ASI294MC Pro (Gain 170) SharpCap 4.1.11817.0, 露出 1/2000秒 x 200/500コマ / AutoStakkert!3.1.4, RegiStax 6.1.0.8, Photoshop 2026, Lightroom Classic で画像処理

等倍で見るとクレーターも結構見えています。口径40mmの小さな望遠鏡でも意外と写るものですね。

そしてこの月面を花粉月光環の写真に不透明度50%で比較暗合成しました(露出やレベルの補正も調整しています)。位置合わせは AS!3 で COG(Center Of Gravity)で位置合わせしてあるのでそのまま重ね合わせています。*1

花粉月光環(別撮りの月面を合成) (2026/2/28 22:55)
花粉月光環(別撮りの月面を合成) (2026/2/28 22:55)

こうして見ると光環の直径は赤い部分で約4.5度ほどでしょうか。

光環は大きさのほぼ揃った粒子(この場合は花粉)に当たった光の波が回折によって曲りることでできます。回折角は粒子の直径が同じなら光の波長が長いほど大きくなり、同じ波長なら粒子が小さいほど大きくなります。

粒子の直径 d と光環の半径 \theta と光の波長 \lambda の関係は、光学系のエアリーパターンの第1明環の半径の計算式と同じになります。

\sin\theta = 1.63 \frac{\lambda}{d}
d = 1.63 \frac{\lambda}{\sin\theta}

これに \theta = 2.25(度)、\lambda=0.65(μm)を代入すると d は約27μmとなります。スギ花粉の直径は30〜40μmなのでちょっと小さいような。まあ光環の直径が目分量なのでこんなものですかね。

というわけで、なかなか綺麗な花粉月光環ですが、これが見えるということは空に大量に花粉が舞っているということなので… 花粉症のみなさんは備えましょう…

*1:花粉月光環の写真は月面が白飛びしているので本当に COG で位置が合うのかは微妙かも…

木星 (2026/2/15) / Bluesky 使いませんか?

2月15日の夜に久々に木星を撮りました。木星をまともに撮るのは一昨年の10月以来です。

最後に撮ったのはω星団のエントリの最後で触れたように昨年1月17日でしたが、これは冬季の悪シーイングのせいでまともに写りませんでした。

それ以来冬季が見頃になる木星の撮影は気が乗らなくて、まるまる一年間木星を撮っていなかったのですが、昨日の横浜は春みたいな天気だったのでワンチャン行けるか?と思って重い腰を上げました。

22時頃に準備を始めて23時前から撮影を開始したのですが、シーイングはイマイチ。川底の石みたいにグニャグニャに揺れる真冬のシーイングほどではありませんが、細部が解像しない感じです。AS!4でスタックしてもAPを小さくすると「おせんべいノイズ」と僕が呼んでいるアーティファクトが出てしまいます。

「おせんべいノイズ」についてはこちらを。詳細は不明ですが悪シーイングで発生する継ぎ目破綻の亜種だと思っています。

APを大きめ(80)に取ると改善したので撮影続行しましたが、あまり期待もできないし木星も傾き始めてベランダの天井に隠れそうだったのでそろそろ終わりにしようと思った23:40頃、最後に撮ったデータを仮処理すると急にディテールがはっきりしだしたので撮影続行。24時前まで撮影しました。

して仕上げたのがこちら。

木星とイオ (2026/2/15 23:45)
木星とイオ (2026/2/15 23:45)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), AstroStreet GSO 2インチ2X EDレンズマルチバロー (合成F41.4), ZWO IR/UVカットフィルター 1.25", ZWO ADC 1.25" / ZWO AM3 / L:ZWO ASI290MM (Gain 313), RGB:ZWO ASI662MC (Gain 423), SharpCap 4.1.11817.0 / 露出 L:13ms x 1000/3000コマ x 3, RGB:17.6ms x 1000/3000コマ x 4 をスタック処理して de-rotation 後 LRGB 合成/ AutoStakkert!4 4.0.11, RegiStax 6.1.0.8, WinJUPOS 12.4.0, Photoshop 2026, Lightroom Classic

木星の北が上の構図です。絶好調とまではいきませんが悪くない写りです。大赤斑が見えない時間帯だったのが残念。北赤道縞の西側(画像の左側)*1 にバルジ*2 が見えています。最初にモノクロカメラのプレビューを見てこれが大赤斑かと思ってカメラの向きを逆さにセットして撮ってしまいました。

ガリレオ衛星は写野内にはイオとガニメデが入っているのですが、写真に写っているのはイオだけです。ガニメデはイオと木星の間にいるのですが、木星の影の中に入って見えていません。

というわけで思ったよりだいぶ良く撮れたのですが、明日からまた冷え込むようです。週末にはまた暖かい日が来そうなので撮ってみるかも。

今期の木星は真冬が見頃(1月10日が衝)でした。来期も真冬(2月11日が衝)です。とにかく日本の冬のシーイングは惑星撮影には厳しいので、春が見頃になる時期が来るのが待ち遠しいです…

Bluesky 使いませんか?

実は最近 X (旧 Twitter) をほとんど見ていません。日本の天文コミュニティではほとんどの人が X で交流しているのですが、僕は一昨年あたりからメインの SNSBluesky に移行しています。

天文関係の投稿も去年から Bluesky をメインにしていて、最近は Bluesky にだけ投稿しています。天文リフレクションズの公式アカウントもピックアップ投稿のみですが、アクティブなので、天文系のニュースも最低限は Bluesky 内で追っかけられます。

Bluesky は当初は動画投稿ができないなど使いにくい面がありましたが、現在は動画も投稿できるようになっていますし、サードパーティーのクライアントも出てきて使い勝手の面でも自由度があります。

個人的におすすめなのは日本製のクライアント TOKIMEKI です。

古き良き TweetDeck 風のマルチカラム表示をサポートしていて、Bluesky にはなかったブックマーク機能や下書き保存機能(どちらも最近公式で実装されましたが)などの機能を追加しています。

また、これが自分的には決定的だったのですが、X (旧Twitter)のツイートの埋め込み機能があります。TOKIMEK からツイートのリンクを埋め込み形式で投稿すると、TOKIMEKI のタイムライン上ではツイートの内容が埋め込みで表示されます。X を離れたとはいえ、情報源としてはまだ X を参照する必要がある場面が多いので、ライフログとして SNS を使っている身としては見やすい形でツイートの引用ができるのは助かります。

X を離れた理由は色々ですが、一番の理由は X のオーナーであるイーロン・マスクが信用できないことです。彼が Twitter を買収して以来、Twitter ブランドを投げ捨てて X というクソダサいわかりにくい名前にしてしまったり、運営スタッフを大量解雇したり、その後もマネタイズの強化の影響で広告が増えたり収益化目当てのスパム(いわゆるインプレゾンビ)が増えたり、タイムライン構築アルゴリズムに手をバトルを煽るようなものに改悪していったせいで恒常的に揉め事が発生するようになっており、SNS としての居心地は悪化の一途をたどっています。

ちなみにコミュニティノート機能(クラウドソーシング型ファクトチェック機能)だけは評価できる、という声をよく耳にしますが、コミュニティノート機能は元々イーロンの買収の前から実装されていたもので、日本でのリリースが遅れていただけなので、イーロンの功績ではありません。*3

タイムラインのアルゴリズムの問題については「X は対戦型ソーシャルメディアだ」と言っているように刺激的で論争的な極論が目立つようにデザインされ、ツイートの収益化システムがインプレッションを求めて過激なツイートを投稿する動機付けになっている面もあります。

「自分は「おすすめ」タイムラインを見ないから関係ない」とも言ってられません。フォローしているアカウントがRTで流すツイートもそのアカウントがアルゴリズムで見せられたツイートかもしれません。あなたが X に居続けることが他の人を X に留まることを動機付けて結果的に邪悪なアルゴリズムの餌食になっているかもしれません。

X のドメイン x.com がイーロンの私物ではないか?という点も懸念材料です。このドメインドメイン情報を見る限り登録者は GoDaddy.com のままで、イーロンが個人的に買い取った時のままのようです(twitter.com は登録者が Titter, Inc. になっています)。なのでイーロンが Twitter を手放したらツイートの埋め込みやリンクがどうなるかわかりません。

こんな埋め込みもどうなるかわかりません。イーロンが x.com ドメインを手放すことはなくても、Twitter を手放してから自分のサービスようにドメインを利用して x.com ドメインのツイートのリンクを全てリンク切れにしてしまう可能性は十分あります。

以上は X というSNSのシステム面での問題点ですが、それとは別にイーロン・マスク人間性とか政治的振る舞い、トランプ政権に参画してDOGEを率いてやらかした数々など、個人的に許しがたい面はたくさんあります。そのあたりは個人個人の政治的立場によっては容認できたり、なんなら歓迎する人だっているかもしれませんが…

諸々合わせて僕としては X に留まり続けることはリスクが大きいと考えて Bluesky に引っ越しました。Bluesky だってエコー・チェンバーでは?リベラル人口が多くて意見の多様性がないのでは?という意見には一理ありますが、それでも X よりはマシだと思うんですね。

SNSのエコー・チェンバーがどうのって話、多様な意見がある方がいいって言っても、分極化が進んだ意見の分布は果たして望ましい「多様さ」なのか?という問題はある。

極端な意見同士では対話が進まなくて分極化がますます進む悪循環になりうるし。

模式的に図にしてみたけど、右側の分布の方がある意味「多様さ」は少ないけどまだマシじゃない?

[image or embed]

— なんばりょうすけ (@rna.horobi.com) 2026年2月15日 12:45

ということで今後(というか既に)ブログの更新通知なども https://bsky.app/profile/rna.horobi.com で行っていきます。例外的な状況や知人の広報・宣伝に協力する等の事情がある場合を除いて基本的に X には投稿しません。

X のタイムラインの閲覧もなるべく減らしていきます。一切見ないと言っていた時期もありましたが、なかなかそうもいかないですね。でもタイムラインを常に見ていると期待しないでください。

一時期は主だったアカウントに通知設定して通知欄でチェックするようにしていたのですが、最近は通知漏れが発生したり、通知欄に「おすすめ」のツイートが交じるようになったり… さすがに広告だけは出てこないようですが、今後はわかりません。なので、通知も常にチェックしている・できているとは限りません。

DM 着信だけは今も通知設定を ON にしてありますので、何かあったら DM でお願いします。でも、できれば Bluesky の方で声をかけてもらえると助かります。

本当は X も Bluesky も Mastodon も一度にチェックできるマルチSNSクライアントがあればいいのですが、X はクライアントアプリ向けの API を閉じてしまったので*4 残念ながらそれも叶わぬ夢です…

*1:木星面に立った時に太陽が沈んでいく方向を西としています。天球上では東方向です。木星面上に日本地図を重ねた図を思い浮かべるとわかりやすいです(関西方面が西で関東方面が東)。

*2:barge: 濃い褐色の楕円形の斑点。参照: 今シーズンの木星の観測 -その見所と観測の際のポイント-

*3:元々 Bird-watch という名前で開発され2021年7月にリリースされたが、日本では2023年7月から利用可能になった。参照: 「日本における Twitter コミュニティノートの利用状況」The 38th Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2024

*4:これもイーロンの意向です。

4366黒点群 (2026/2/5)

あけましておめでとうございます。って、もう2月ですが… 1月は天文をお休みしてベランダにも出ずにアニメ、映画、読書の日々でした。まあ、もう少し暖かくなったら、と思っていたら何やら騒がしい黒点が出てきたと一般メディアでも話題になっていたので、昼休みに慌ててベランダから撮影しました。

話題の黒点は先月末に出現した4366黒点群です。

東側から姿を見せた時はまだ小さかったのですがだんだん大きくなって活発化し、今月に入ってXクラスの大規模フレアが繰り返し発生しています。1日にはX1.0、2日にはX8.1、X2.8、X1.6、3日にはX1.5、4日にはX4.2のフレアが発生しました。その後は少し落ち着いているようです。

というわけで撮影したのがこちら。

【注意!】 太陽の観察・撮影には専用の機材が必要です。専用の機材があっても些細なミスや不注意が失明や火災などの重大な事故につながる危険性があります。未経験の方は専門家の指導の元で観察・撮影してください。

4366, 4358 黒点群 (2026/2/5 12:29)
4366, 4358 黒点群 (2026/2/5 12:29)
高橋 FSQ-85EDP (D85mm f450mm F5.3 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー(合成F15.1), バーダープラネタリウム アストロソーラーフィルターフィルム, ZWO UV/IR Cut Filter / ZWO AM3 / ZWO ASI290MM (Gain 150), SharpCap SharpCap 4.1.11817.0, 露出 1/2000s x 750/2000コマをスタック処理 / AutoStakkert!4 4.0.11, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic で画像処理

4366, 4358 黒点群 (2026/2/5 12:29) (黒点番号付き)
4366, 4358 黒点群 (2026/2/5 12:29) (黒点番号付き)
撮影データは上に同じ。


4369, 4368, 4367, 4366黒点群 (2026/2/5 11:49)
4369, 4368, 4367, 4366黒点群 (2026/2/5 11:49)
高橋 FSQ-85EDP (D85mm f450mm F5.3 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー(合成F15.1), バーダープラネタリウム アストロソーラーフィルターフィルム, ZWO UV/IR Cut Filter / ZWO AM3 / ZWO ASI290MM (Gain 160), SharpCap SharpCap 4.1.11817.0, 露出 1/2000s x 750/2000コマをスタック処理 / AutoStakkert!4 4.0.11, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic で画像処理

4369, 4368, 4367, 4366黒点群 (2026/2/5 11:49) (黒点番号付き)
4369, 4368, 4367, 4366黒点群 (2026/2/5 11:49) (黒点番号付き)
撮影データは上に同じ。

4371, 4370, 4369, 4368, 4367 黒点群 (2026/2/5  12:09)
4371, 4370, 4369, 4368, 4367 黒点群 (2026/2/5 12:09)
高橋 FSQ-85EDP (D85mm f450mm F5.3 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー(合成F15.1), バーダープラネタリウム アストロソーラーフィルターフィルム, ZWO UV/IR Cut Filter / ZWO AM3 / ZWO ASI290MM (Gain 165), SharpCap SharpCap 4.1.11817.0, 露出 1/2000s x 750/2000コマをスタック処理 / AutoStakkert!4 4.0.11, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic で画像処理

4371, 4370, 4369, 4368, 4367 黒点群 (2026/2/5  12:09) (黒点番号付き)
4371, 4370, 4369, 4368, 4367 黒点群 (2026/2/5 12:09) (黒点番号付き)
撮影データは上に同じ。

写真の向きは天の北極方向が上です。太陽の北極方向は5日には14度くらい西側に傾いていたので、太陽の自転方向は左斜め上から右斜め下の方向です。今回は普通に(?)8.5cm屈折で撮っています。薄雲がずっと出ていたので諦めかけていましたが、雲がなるべく薄いタイミングで撮ったものは AS!4 で継ぎ目破綻も起こらずにちゃんと処理できました。

4366黒点群ですが、なかなかデカいです。発生時から東西方向に伸びていって、5日時点では地球10個分くらいの大きさに広がっています。西側の大きな丸い黒点の真っ黒な部分に地球が1個余裕で入ります。

とはいえ、昨年12月の 4296, 4294, 4298 黒点群や一昨年5月の3664黒点群と比べるとやや迫力には欠けますが…

今のところ地球にはあまり大きな影響は出ていないようですし、向きも地球から逸れていくので一安心ですが、ここ数年多いですね、こういうの。まだ当分続くんですかね…

オラ、ワクワクしてきたぞ!

ふたご座流星群 (2025/12/14)

12月14日の夜にふたご座流星群を撮りました。今年は14日の夕方に極大ということで13日の夜と14日の夜が見頃とのことでした。

しかし横浜は13日も14日も天気が悪く14日は昼頃まで雨が降っていて、今年は無理かー… と思っていところ、夕方には雨が上がって夜空は快晴に。ベランダはまだ濡れていたのですが、機材を出して撮影することにしました。

昨年と同様にカメラレンズ(Nikon Ai AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm F2.8D IF-ED)と冷却CMOSカメラ(ZWO ASI294MC Pro)での動画撮影です。

撮影準備中にPCから記録用のSSDが見えなくなるトラブルに気付き、これはPCを再起動するしか復旧手段がないのですが、既にカメラは冷却中で昇温して再起動してまた冷却というのも時間がもったいないので予備に回した古いSSDの容量を空けて撮影することにしました。

20:30頃から撮影を開始したのですが、15分ほどで星が2等星くらいまでしか写らなくなって、曇ったのかと思ったら空は相変わらず快晴。カメラを動かすと地上光のハレーションによるカブリがひどくて機材を動かして街灯を避けたり、ベランダの柵に段ボールを貼ってハレ切りにしたりと対策したのですが、星の写りは相変わらず。

一体何なんだ?と思ってレンズをよく見たら結露してる!?レンズの中央部だけ露で曇っていました。今までベランダで機材が結露したことは一度もなかったのですが、雨上がりでベランダも乾ききってなかったせいでしょうか。とりあえず衣服に貼るタイプの使い捨てカイロをフードに貼り付けたところ、以後結露することはありませんでした。

以後はトラブルもなく、というかトラブルを避けるために子午線反転は行わず、オリオン座が西に傾いた頃にはふたご座としし座の間あたりにカメラを向けて2:00頃に撮影終了。撮影時間の合計は約5時間、撮影データの合計サイズは約880GBでした。

その後ちまちまと作業して作ったダイジェスト版の動画がこちらになります。

ふたご座流星群 (2025/12/14 20:36 - 2025/12/15 02:01)
ふたご座流星群 (2025/12/14 20:36 - 2025/12/15 02:01)
Nikon Ai AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm F2.8D IF-ED (17mm, 開放), ZWO 2" IR-Cut Filter / ZWO AM3, 30mm f130mm ガイド鏡 + QHY5L-IIM + PHD2 2.6.13 による自動ガイド / ZWO ASI294MC Pro (Gain 485, -10℃, Bin2, RAW8), SharpCap 4.1.11817.0, 露出: 48.97ms x 4時間57分38秒(20.2fps) から流星の写っているコマを抜き出して動画化 / 自作スクリプト(MeteorDigestMovieMaker), ffmpeg 4.4.2 で画像処理。

暗い流星はどこに流れたか分かりづらいのでマーカー付きのバージョンも用意しました。

ふたご座流星群 (2025/12/14 20:36 - 2025/12/15 02:01) (マーカー付き)
ふたご座流星群 (2025/12/14 20:36 - 2025/12/15 02:01) (マーカー付き)

以下は動画毎に全フレームを比較明合成したものです。

ふたご座流星群(比較明合成) (2025/12/14 20:30:04 - 20:56:15)
ふたご座流星群(比較明合成) (2025/12/14 20:30:04 - 20:56:15)

ふたご座流星群(比較明合成) (2025/12/14 21:28:55 - 22:29:50)
ふたご座流星群(比較明合成) (2025/12/14 21:28:55 - 22:29:50)

ふたご座流星群(比較明合成) (2025/12/14 22:30:04 - 23:32:30)
ふたご座流星群(比較明合成) (2025/12/14 22:30:04 - 23:32:30)

ふたご座流星群(比較明合成) (2025/12/14 23:35:15 - 2025/12/15 01:05:15)
ふたご座流星群(比較明合成) (2025/12/14 23:35:15 - 2025/12/15 01:05:15)

ふたご座流星群(比較明合成) (2025/12/15 01:08:14 - 2025/12/15 02:08:14)
ふたご座流星群(比較明合成) (2025/12/15 01:08:14 - 2025/12/15 02:08:14)

約5時間で99個の流星が写りました。散在流星も結構あったと思いますが大半はふたご座群だと思います。星はギリギリ5等星ぐらいまで写ってて、流星の検出は比較明合成動画からの目視検出で、検出限界は4等台半ばまででしょうか。

これでフルサイズ換算35mmの写野で一時間あたり約20個(3分に1個)なので、結構な賑わいではないでしょうか。去年はこの半分くらいだったので当たり年だったのかも?

寒かったのでもっぱら部屋のモニターで眺めていたのですが、何度かベランダに出た時に肉眼でも流星を三つくらい見ました。トータルで10分ほどしか出てないのに結構見えたので運が良かったのかな?と思っていたら普通にそのぐらいの頻度で流れていたわけです。

99個の中に1個、流星かどうか迷ったものがあります。動画の1:08あたり(22:11:44)の16個目です。「流れて」はいないのですが急に出現して1等星ぐらいにまで増光してふわっと消えました。約0.5秒(10フレーム)かけてふわっと光って消えていったので、宇宙線ヒット等のノイズにしては不自然ですし、飛行機でもなさそうです。

人工衛星のフレア?Stellarium のシミュレーションでは近くに STARLINK-6131 が通過してはいるのですが、だいぶ位置がズレています。なので、ひょっとして静止流星では?と思って流星としてカウントしました。

そんなわけでやる気のなさの割にはなかなか盛況でした。CMOSカメラでの非圧縮動画撮影、画質はいいのですが、半導体やストレージの価格高騰もあってなかなか贅沢な撮影方法になってしまいましたが、今後もやれるだけやってみようかと思います。

なお、流星マーカーの描画は MeteorDigestMovieMaker (MDMM) v0.4 の新機能として実装したものです。

MDMM は手動で流星の出現時刻を記録したファイル(.mdmm ファイル)を元に流星動画を自動でカット編集してくれるツールですが、今回新たに .mdmm ファイルから流星の場所を示すマーカーの座標を自動でみつけてくれる機能を追加しました。

この機能は ChatGPT と相談しながら作ったのですが、まあまあうまく動いています。直線検出ではなく時間軸方向の変化を見て検出する方式で、静止流星もマーキングできますし、ベランダの天井などが写り込んでいても大丈夫っぽいです。パラメータ調整もあまり必要なさそうです。逆に言うとパラメータをいくら調整しても流星の流れ始めと流れ終わりの部分がイマイチ検出できなくてマーカーが小さめになる傾向がありますが。

流星の全自動検出もできそうな気がしますが、飛行機や人工衛星の扱いが面倒です。静止流星の可能性があるとなると移動速度で弾くわけにもいかないし、自分では使わない機能になりそうなので、イマイチ消極的です。

たた、今の比較明合成動画からの手動検出ももう少しなんとかしないと見逃しや記載漏れがちょいちょい出てきます。作業工程を工夫することでだいぶ改善しましたがもっと流れ作業的にできるようにしたいところです。流れ星だけに。

4296, 4294, 4298 黒点群 / ミューロン180Cで太陽撮影 (2025/12/7)

12月7日の朝、ミューロン180Cで 4296, 4294, 4298 黒点群を撮りました。まずは結果を。

【注意!】 太陽の観察・撮影には専用の機材が必要です。専用の機材があっても些細なミスや不注意が失明や火災などの重大な事故につながる危険性があります。未経験の方は専門家の指導の元で観察・撮影してください。

4296, 4294, 4298黒点群 (2025/12/7 11:21-11:22)
4296, 4294, 4298黒点群 (2025/12/7 11:21-11:22)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), バーダープラネタリウム アストロソーラーフィルターフィルム, ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MM (Gain 250), SharpCap SharpCap 4.1.12946.0, 露出 0.15ms x 1000/3000コマをスタック処理 x 2枚モザイク / AutoStakkert!3 4.0.11, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic, Microsoft ICE 2.0.3.0 で画像処理

黒点番号は左から 4296, 4294, 4298 です。天球の北を上にした構図なので、太陽の自転軸方向が半時計回りに15度くらい傾いています。

大きさの比較のために太陽の表面の位置に地球を30個並べた想定の画像も作りました。

4296, 4294, 4298黒点群 + 比較のために等距離に置いた地球30個 (2025/12/7 11:21-11:22)
4296, 4294, 4298黒点群 + 比較のために等距離に置いた地球30個 (2025/12/7 11:21-11:22)

なかなかの迫力ですが、正直この倍くらいは解像して欲しかった… シーイングのせいなのか筒内気流のせいなのか、像の揺らぎが激しくて口径18cmの解像力を活かしきれませんでした。大きなグニャグニャした揺らぎは日が昇るにつれて収まる瞬間が増えてきましたが、細かく泡立つような揺らぎはずっと続いていました。

ついでに撮った4299黒点群も貼っておきます。画像は上の写真と同じ倍率になるようにサイズを調整して貼ってます。

4299黒点群 (2025/12/7 10:53)
4299黒点群 (2025/12/7 10:53)
高橋 ミューロン180C (D180mm f2160mm F12 反射), バーダープラネタリウム アストロソーラーフィルターフィルム, ZWO IR/UVカットフィルター 1.25" / Vixen SX2 / ZWO ASI290MM (Gain 250), SharpCap SharpCap 4.1.12946.0, 露出 0.15ms x 1000/3000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 4.0.11, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic で画像処理


さて、今回始めてミューロン180Cで太陽を撮りました。元々このためにデカいサイズのアストロソーラーフィルターフィルムを買ったのですが、勇気がなくて今まで踏ん切りがつきませんでした。

今回は久しぶりに SX2 赤道儀を使っています。これは朝の早いうちからテストするのに高度の低い太陽に鏡筒を向けた際に鏡筒がベランダの柵にぶつからないようにするためです。AM3 用の純正三脚とハーフピラーでは高さがあまり稼げないので。ビクセンの三脚に AM3 が取り付けられるとよいのですが…

夜中のうちにベランダに赤道儀を出して極軸をよく合わせておきました。ちなみにワイヤレスユニットを久々に使ってみましたが、相変わらずファームウェアアップデートが途中で止まってしまう… と思ったら、3度目のトライでアップデートが完了しました!

が、自動導入開始後実際に赤道儀が動き出すまで30秒から1分くらいかかる現象が頻発し、手動操作による微動でも同様のことが起こり、これでは構図の調整もままならないので結局STAR BOOK TEN (SB10)に戻しました…

Wi-Fi のチャンネルを変えたらなおるのかもしれませんが、最悪11チャンネルあるのを全部試すことになるし、1回試すたびにワイヤレスユニット再起動とかやってられないので。ていうか自動で最適なチャンネル探すとかやってくれないんですかね?AM3 でも Star Adventurer GTi でも Wi-Fi チャンネルガチャとか必要なかったし。

SB10は既に生産終了で壊れたら入手は困難なのでなんとかワイヤレスユニットを使いこなしたかったのですが…

それはさておき赤道儀の調整が終わったらアストロソーラーフィルターフィルムのフィルター枠を6本入り2Lペットボトル用の段ボール箱2つバラして作りました。やり方は以前とほぼ同じです。

今回は外側に巻く2つ目の段ボール(上の記事の段ボールB)を幅広に作って筒先を飛び出してフードみたいになるようにしました。保管の際にフィルターに触れないようにしやすいと思って。でも今思うとフード状になっているとそこが温められて筒先の気流を乱す原因になっていたかもしれません…

ファインダー用のフィルターも作りました。今までは鏡筒の影を見て太陽を導入していましたが、長焦点鏡だとそんなアバウトなやり方では大変だと思って。

※ アストロソーラーには撮影用と眼視用がありますが、眼視用を使用しています。

7:00頃からフィルターのテストを開始。早めに始めたのは日が低いうちの方がフィルターの性能が足りなかった場合でもダメージを軽減できると思ったからです。先に鏡筒とファインダーにフィルターを取り付けて、西向きのホームポジションの SX2 に鏡筒を載せました。ミューロン180Cの接眼部のフタは無塗装のアルミ製なので万一でも大丈夫だろうと思いそのまま太陽を自動導入。

ファインダーを覗くのは勇気がいりました。覗く前に接眼部に手のひらを当てて熱を感じないのを確認してかそっと覗くと真っ白な太陽が見えました。表面の黒点もはっきり見えました。眩しいという程ではなかったので落ち着いてレティクルの中心に太陽を導入して、今度はミューロンの接眼部にカメラを取り付けます。

また手のひらを接眼部に当てて何もないのを確かめてから UV/IRカットフィルター付きの ASI290MM を取り付けます。普通にプレビューが映りました。センサー温度は22℃。センサー温度は日が昇るにつれて上がっていきましたが、11:23の時点で38.5℃でした。ASI290MM の動作温度は-20℃〜45℃とのことで、まだ余裕があります。

とはいえ冬でこれなら夏はどうなのか?と思って、過去の撮影でのセンサー温度を確認したところ、アストロソーラーのファーストライトをやった2023年8月には48.1℃まで上がっていました… まあこのくらいまでは大丈夫ということでしょうか。また、NDフィルター時代の記録ですが、2020年12月の撮影では38.5℃が記録されており、冬に38℃になったからと言ってあわてるようなことでもなさそうです。

【注意!】 以下太陽の眼視観望についての記述がありますが、知識や経験があっても些細なミスや不注意で失明等の重大な事故につながる危険性があります。基本的にはおすすめしません。詳細は追記を参照してください。

最後にファインダーだけでなくミューロン180Cでも眼視で太陽を見てみました。笠井31.7mm90°DX正立プリズムを使い、*1 アイピースセレストロン ズームアイピース8-24mm北軽井沢観測所 Lavendura 40mm です。念の為、正立プリズムの対物側に ZWO UV/IR Cut Filter を付けておきました。

セレストロンのズームアイピースは18mm(300倍)までで見ました。それ以上は飛蚊症みたいな影が視野で目立ってしまい黒点が極めて見にくくなるからです。135倍、225倍、300倍で見ましたが、どれも太陽面は真っ白で粒状班などは視認できませんでした。黒点は半暗部が薄いオレンジ色、暗部は暗い茶色っぽい色に見えました。写真のようなザラザラした感じはないですが、暗部の複雑な形はどの倍率でも視認できました。Lavendura 40mm の135倍が一番見やすかったです。とはいえ何らかの減光フィルターを使った方がもっと色々見えたかも。

というわけでミューロン180Cでも太陽を撮れるようになりました。が、期待したほどの解像は得られず… 元々太陽撮影はシーイング的に厳しくて歩留まりが悪いのですが、それに輪をかけて厳しい感じです。もっとこう、磁石に吸い付く砂鉄みたいな模様が黒点の周りにうじゃうじゃと見えてほしいんですが…

追記: 望遠鏡による太陽の眼視観望について

コメント欄で注意書きが甘いのではないかというご指摘がありましたので、文中に特に眼視観望については基本的に推奨しない旨追記しました。

ただ、やるな、おすすめしない、だけでは止められない想いもあるでしょうから、以下で自分が何を気をつけたかを追記します。以下を守ってもなお危険なものは危険ですので、やるなら片目を失う覚悟で。

まず、一般に太陽用の減光フィルターには撮影用と眼視用があります。撮影用の方が減光量が少ないです。これは低感度フィルムで高速シャッターが切れるようにそうなっているのですが、今どきのデジタルカメラの感度ではほぼ無意味なので眼視用一択です。間違って撮影用を買ってしまったら捨てて買い直した方がいいと思います。フィルム自体は見ても区別がつかないですし、取り違えた時が怖いので。

次にフィルター枠についてですが、観望中の脱落の危険性を少しでも低減するために、なるべく長い筒の、太さは鏡筒に十分フィットしたものを作ります。着脱に苦労するくらいがマストです。僕が作ったものは筒の長さが20cmです(先端のフード状になった部分を除く)。もっと長くていいと思います。

また、フィルター枠の作りが甘いと観望中に分解してしまう危険性があります。最後の仕上げ(この記事の図の⑦)で使うガムテープには粘着力の強いものを十分な長さで貼り付けましょう。図の貼り方では甘いかも。⑥の時点で既にやり直しはきかないので、ぐるぐる巻きにしてしまう方がいいかも。

風が強い日は風圧でフィルターフィルムが裂けたりフィルター枠が脱落したりする危険性があるので観望を中止しましょう。

フィルターの使用前にはフィルターフィルムに穴や裂け目ができてないか確認します。単純な目視チェックだけでは小さな穴などを見逃してしまうので装着前にフィルターフィルム越しに太陽を肉眼で見てチェックします。

フィルター枠の装着時に空気圧で裂けたりすることもありますので装着後にもフィルターフィルムを目視で確認します。これは外観しかチェックできないですし、見逃した小さな裂け目がチェック後になって広がる可能性もありますので、チェックすれば安全安心ということはありません。

フィルター枠の装着はゆっくり慎重にやります。鏡筒にフィットする良い作りのフィルター枠ほどフィルターフィルムにかかる圧力が高くなってフィルターフィルムが裂けるリスクがあります。開放型の反射望遠鏡にフィルター枠を装着する際は接眼部のフタを外すと空気が通りやすくなって装着しやすくなります。

フィルター枠の装着後は先にカメラでの撮影または電子観望を行います。フィルターに問題があればここでカメラが損傷することになりますが、失明するよりはマシです。CMOSカメラを使っているならセンサー温度も確認しておきます。50℃以上になっていたら何か問題があると思います。

眼視の際にはUV/IRカットフィルターを使用しました。アイピースに取り付けてもいいですが、アイピース交換時にフィルターを付け外しするのが大変なので天頂プリズム側に付けておきました。

アイピースを取り付ける前に接眼部に手を当てて熱を感じないか確認します。感じるほどの熱があれば何か異常があるので観望は中止しましょう。

こんなところでしょうか。これだけ気をつけても安全安心ということはありません。基本的にエクストリーム・スポーツ的な何かだと思っておくべきだと思います。

*1:バローレンズの記載漏れがあったので追記しました。なお、文中の倍率の値はバローレンズ使用時の倍率で、正しい値です。(2025/12/14)

4296, 4294, 4298 黒点群 (2025/12/5)

12月5日の午前中は体調が悪くて仕事を休んでいたのですが、布団の中で天リフピックアップ作業配信を見ていたら太陽黒点の話題になっていたので、今のうちに撮らなきゃ!となって慌てて撮影しました。

話題になっていたのは 4926, 4294, 4298 の3つの黒点群が連なった領域です。

天気はほぼ快晴。10:00頃から準備して10:30までには撮影を開始していたのですが、シーイングが安定せずピントも追い込めなくて、ダメかなーと思っていたら11:00前くらいから安定してきてピントも合いました。ピントは SharpCap のストレッチ機能で右端の縦線と真ん中の縦線の幅を縮めて指数関数のグラフみたいな感じにして黒点と粒状班のコントラストを上げると追い込みやすくなりました。

結果はこちら。

【注意!】 太陽の観察・撮影には専用の機材が必要です。専用の機材があっても些細なミスや不注意が失明や火災などの重大な事故につながる危険性があります。未経験の方は専門家の指導の元で観察・撮影してください。

4296, 4294, 4298 黒点群 (2025/12/5 11:01)
4296, 4294, 4298 黒点群 (2025/12/5 11:01)
高橋 FSQ-85EDP (D85mm f450mm F5.3 屈折), 笠井FMC3枚玉2.5倍ショートバロー(合成F15.1), バーダープラネタリウム アストロソーラーフィルターフィルム, ZWO UV/IR Cut Filter / ZWO AM3 / ZWO ASI290MM (Gain 127), SharpCap SharpCap 4.1.12946.0, 露出 1/2000s x 1000/3000コマをスタック処理 / AutoStakkert!3 4.0.11, RegiStax 6.1.0.8, Lightroom Classic で画像処理

上の方に2つ見える小さな黒点は左から 4300, 4295 黒点群です。そして下半分にズラズラと並んでいる黒点が話題の黒点で、左から 4296, 4294, 4298 黒点群です。全部合わせた幅は太陽の直径の1/3くらい、つまり地球の直径の約30個分です。なかなかの威容ですが今のところ大規模な活動はないようです。

太陽の端が見切れているので大きさがピンとこないですね。太陽全体は撮れませんでしたが太陽の端から端まで黒点のあるあたりをモザイク撮影しました。

太陽 (5枚モザイク) (2025/12/5 11:02-11:06)
太陽 (5枚モザイク) (2025/12/5 11:02-11:06)
各パネルの撮影データは上に同じ。Microsoft ICE 2.0.3.0 で画像処理。

黒点番号を書き込んだのがこちら。

太陽 (5枚モザイク) (2025/12/5 11:02-11:06) (黒点番号付き)
太陽 (5枚モザイク) (2025/12/5 11:02-11:06) (黒点番号付き)

こうして見ると結構エグいですね… 3つ合わせると昨年5月の3664黒点群よりもデカいです。


とはいえ、3664黒点群ほど密な感じではなく細長く広がっているので肉眼(日食メガネ使用)で見えるか?という疑問もあったので、撮影後に実際に見てみたところ、ギリギリ見え、、た!?細長い引っかき傷のようなものが見えた気がします。日食メガネをお持ちの方は確認してみてください。

ちなみに実は今一番ホットな黒点は左上の 4299 黒点群で、東の端から出てきた12月1日にX1.9の大規模フレアを起こしています。今回の大黒点群で発生しているフレアは今のところCクラス止まり。まあ、今正面向いてて何かあると地球への影響が大きいのでその方がいいんですが… でもデカくて活発な黒点を見てみたい、という気持ちはあります。

先月世界各地、そして日本でもオーロラを発生させた4274黒点群を見逃したのは残念でした… あれも3664黒点群に匹敵するデカい黒点だったんですよね。残業続きで全く余裕がありませんでした。

まあ、3664黒点群も正面向いたあたりから領域展開(?)してデカくなったので、今回の黒点群たちにも頑張って欲しいです!いや、頑張らない方がいいのか…




以上の内容はhttps://rna.hatenablog.comより取得しました。
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