今日は、松下龍之介さん著の小説『一次元の挿し木』の感想を書こうと思いますです。
冒頭のあらすじを紹介する程度のネタバレがありますのでお気をつけくださいませ。
主人公の悠くんは、遺伝子の研究をしている大学院生です。
悠くんは、ちょっと複雑な家庭環境で、親の再婚でできた血のつながっていない紫陽という妹がいました。
いましたってのは、紫陽ちゃんは4年前に失踪しているからなんです。
父親は「そろそろもう未来を見据えて生きなさい」というのですが、悠くんは個人で紫陽ちゃんの行方を追い続けていました。
そんな折、大学院生としての仕事の一環で、インドのループクンド湖から持ち帰られた200年前の人骨のDNA解析を行うのですが、その骨のDNA情報が、紫陽ちゃんのものと完全一致してしまうっていう事件が起きるってところからお話が始まるんです。
このループクンド湖ってのが実在する湖らしく、800人の、時代や出身地の違う人骨が沈んでいる謎の湖なんだそうです。みなさんご存知でした?ぼく知りませんでした。
なんでそんな場所から持って帰った骨が、紫陽ちゃんと一致するのか?
悠くんが混乱している最中、何者か研究所に侵入し、人骨が盗まれ、悠くんの周りで殺人事件が起きます。
って感じで始まるのですが、なんかもー面白そうじゃないですか?
ここまででグッと惹きつけられてしまって、あとは一気に読んでしまいました。
察しの言い方はここまでで、人骨と紫陽ちゃんの関係も気づくのではないかと思うんですが、ミステリーというよりは、SFとサスペンス色が強い印象で(なので◯◯なのでは?と思われてもネタバレコメント厳禁でお願いしますね!?)、この物語には「樹木の会」という政界・財界・芸能界に遍く根を張る新興宗教が存在していて、その宗教の陰謀みたいなものが絡んでくるのですが、そんな大きな存在に、大学院生の悠くんがどう立ち向かっていくのか?っていうのが、ハラハラドキドキでとても面白かったです。