こんにちは!
今回は梓澤和幸著「報道被害」の感想です。
- 作者:梓澤 和幸
- 発売日: 2007/01/19
- メディア: 新書
あらすじはこんな感じ↓
大きな事件や事故が起きるたびに、マスコミは被害者や遺族を取り囲み、マイクを差し出す。松本サリン事件をはじめとして、犯人視報道も後をたたない。深刻な被害をもたらすこの問題に、弁護士として取り組む著者が、報道のあり方を検証し、被害の救済方法について解説。権力的なメディア規制によらずに取材と報道を変える道を提言する。
2020/2/27閲覧
- 発売日: 2005/01/26
- メディア: 単行本
自分は法学部出身なので、けっこう知っている話がありましたね。
「石に泳ぐ魚」事件とか、「宴のあと」事件とか。
- 作者:柳 美里
- メディア: 単行本
この本で言われているのは、日本のメディア報道のやり方、特にコメントを取るために被害者の家に押しかけたり、疑惑のある人を囲んだり付きまとったりして追いつめたりする方法が良くない、ということです。
普通に生きていた人が、いきなり何十人という記者に追いかけ回され、新聞やテレビ、ネットで自分の知らないところで自分についての情報が氾濫する。
そんな状況で精神がおかしくならないわけはありませんし、自殺する人もいるでしょう。
さらに悪質なのは、日本では「無罪推定原則」が通用しない、ということ。
- 作者:柳 美里
- メディア: 単行本
一応、無罪推定原則とは
犯罪事実があったことを証明するのは検察官の役割です。そして有罪判決を受けないかぎり、被疑者や被告人は無罪と扱われます。憲法31条は「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」としています。ここには、法律の定める手続きによって有罪判決を受けるまでは、刑罰を科せられないという無罪推定の原則が含まれると解されています。無罪推定の原則は国際人権規約B規約第10条2項a号などにも明文化されています。
ただ、現実には、逮捕・起訴されれば有罪であるかのような報道がなされることが多いのです。これは無罪推定の原則から問題があるのみならず、裁判員候補者に無用の予断を抱かせる点でも問題です。そうならないように、日本新聞協会やNHKは、裁判員制度開始にあたって指針を設け、「被疑者の対人関係や成育歴等のプロフィ(ー)ルは、当該事件の本質や背景を理解するうえで必要な範囲内で報じる。前科・前歴については、これまで同様、慎重に取り扱う」としています。しかし実際は、守られていない報道が多いように思います。
https://imidas.jp/judge/detail/G-00-0072-09.html 2020/2/27閲覧
- 作者:大門 剛明
- 発売日: 2019/01/16
- メディア: 文庫
「疑いがある」というだけで犯人扱いされ、プライバシーが暴露される。
後で間違いだったとわかっても、謝罪すらしない。
それこそが日本の報道の問題点だ、というお話ですね。
ただ考えなければいけないのは、そういう報道を求めているのはこの国の国民だ、ということですね。
国民が求めるからそういう報道をメディアがするわけですから。
だからただ「メディアが悪い!」というのではなく、同時に自分の中にある「ゴシップ意識」みたいなものにも注意を向けなければいけませんね。
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