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生産性のないやつらはさっさと死ね? 戸梶圭太作「自殺自由法」 感想

こんにちは!

 

今回は戸梶圭太作「自殺自由法」の感想です。

 

 あらすじはこんな感じ↓

 ある日突然、日本に「自殺自由法」が施行された。しかし、国民は相変わらずの無関心だった。それぞれの目的で、公共自殺幇助施設「自逝センター」に向かう人の群れ。そして、それを取り巻く人間たちの思惑…。「死ぬ自由」を得た人間たちの姿を、著者独自のビターテイストな文体で描く問題作。

 

 

 

政府が自殺をしたい人のために「自逝センター」を作った未来の日本のお話。

この本では基本さまざまな理由から自殺する人が出てくる。

 

だからこれは生きることに無気力な若者たちを皮肉った作品だ、なんていう人もいるかもしれません。

でも僕は、これは寓話だと思います。

 つまり、この悲惨で悲痛な物語の裏に、直接は書かれていない(間接的に書かれている)ことにこそ作者の本当に伝えたいことがあるんじゃないかなと。

 

 

 

もし自分がこの「自由に自殺できる制度」というアイデアそのものを書くんだとしたら、後半部分ではこの法律の立法者VS自殺自由法で家族を失った主人公、みたいなドラマチックな展開にすると思う。

 

でもこの物語は、多少転調はするものの、基本的には死にたがる人々の話に終始する(時々陰謀が見え隠れはしますが)。

 

で、核心つまりこの本を通して作者が伝えたかったことは何かというと「このままでいくと、この国は弱者を切り捨てる国になるぞ」ということ。

それをもっともわかりやすくする手段として自殺自由法が用意されてるわけです。

 

 

それが分かりやすい二つのエピソードをご紹介しましょう。

 

一つは、刑務所にいる服役者のお話。

ここでは服役者たちが、超過酷な肉体訓練(?)を二日間させられ、人間としての尊厳を失われ、判断能力をなくしたところで、バスに乗せられ「自逝センター」に行くことになってしまう話。

 

もう一つは、生活保護受給者や無職、病気を抱えた人々など、いわゆる貧しい人が住むマンションに「自逝センター」の宣伝カーが乗り付け、一日中大音量で「自逝センター」の案内を流し続け、自己嫌悪に陥った人々が「自逝センター」に行くことを決意する話。

 

 

 

この二つのエピソードに象徴されるメッセージとは、「今の政府は前科者・無職・生活保護受給者・病気の人々など、生産性のないやつらはさっさと死ね、と言っているぞ」ということ。

 

 確かに彼らが国に与えるプラスとマイナスを比較したら、もしかしたらマイナスの方が大きいかもしれません。

でもだからといって死ななければならないのか?

有能な人間以外には生きる権利すらないのか?

 

 

 

そんなことを考えさせられる本です。

必読です、是非読んで下さい。

 

ただひとつだけ不満があるとするとオチですね。

あのラストは「自逝センター」とアウシュビッツ収容所が重ねられていると自分は読み取ったんですが、だとしたらもういっそ「日本人は絶滅しました」くらいのオチの方が、寓話としての完成度は高まったんじゃないのかなあ。

 

いや、あのオチでもいいんですが、あれだとちょっと軽すぎる気がするんですよねえ。

 

 




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