結論から言うと、馬をブラッシングしたら『馬に怒られた』
これだけ書くと何がなんだか分からないので、何が起きたのか順を追って書いていく
レッスンが終わって洗い場(馬をつないでおくところ)に戻ってきたので、馬をブラッシングしてやろうと思ったのだ
レッスン前は馬装で忙しく、また馬も乗り気ではなかったためやめておいた
しかし、その馬は見るからに抜け毛が浮いていたり、あちこちに床材のオガ粉だのワラだのがついていた
ブラシをしていろいろ綺麗にしてやった方が馬も喜ぶだろうと、ブラシを構える

が、馬が嫌そうにしている
明らかに耳が後ろに倒れている。お怒りである
だがこの汚いまま馬房に返すのも気が引けるので、ブラシをかけてやった方が気持ちよかろうとブラシを近づける
すると前脚が上がった
確実に、蹴ろうとしている
ブラシを離すと脚は下がり、また近づけると上がった
しかも今度は蹴るデモンストレーションまで見せつけている
耳は絞られ、歯を食いしばり、鼻の穴は閉じ、目はガン開きである
そんなに嫌なのか……?
そこまで嫌がるならやめようと、そのまま馬を馬房に返した
どんな馬でもブラシをされて喜ぶわけではないし、「綺麗になったらうれしかろう」と考えるのはこちらの都合や思考の押しつけなのだなあと学んだ機会だった
そして思い出したのは昨今の社会問題「ハラスメント」だ
「よかれと思ってやったことでも他人にとっては迷惑ならハラスメント」と認定される
つまり、今回この馬にブラッシングをしようとしてキレられたのは、馬からすれば「ブラッシングハラスメント」だったのだろうか……
人間と馬は全く違う生き物だ
人間は手を使ってかゆいところをかけるし、目の前に飛んできた蚊を叩き潰せる
馬は違う
かゆいところは何かにこすりつけて掻くし、腹の周りを飛び回るサシバエを尻尾で追い払うしかない
そんな馬だからこそ「ブラシをかけてやってかゆいところをかいてやったりマッサージしてやろう」と考えたのだが、結果はこのザマである
「こうしたら馬は喜ぶに違いない」
なんて自分の都合で考えずに、馬の都合と気持ちを考えていくことが大事なのだなあと勉強になった出来事だった
なお、後日同じ馬に乗った後に、今度は大丈夫だろうとブラッシングしようとして今度は前蹴りを食らった
自分は一体何を学習したのかと思いながら、今この記事を書いている