以下の内容はhttps://rheb.hatenablog.com/entry/roadmap-2026より取得しました。


Virt 屋のひとりごと : これからの OpenShift Virtualization

※本記事は OpenShift Virtualization アドベントカレンダーの 25 日目の記事です。

qiita.com

皆さんこんにちは、OpenShift Virtualization とストレージを生業にしている Red Hat のうつぼ(宇都宮)です。

さあアドベントカレンダーも今日が最後です。まさか Virt で全部埋まるとは思っていなかったのですが、責任感の強い仲間達のおかげでなんとか完走できました。私は幸せもんです。
お付き合いくださった読者の皆様も、本当にありがとうございました。

最後はこれからの OpenShift Virtualization について、ロードマップ的なものを紹介したいと思います。

OpenShift Virtualization(以下 Virt)は結構にエンハンスされてきていて、割とリッチな feature を持っていると思います。
12/20 の記事で我らが坂井さんが、これまでの update について紹介してくださっています。

rheb.hatenablog.com

しかし世界中でユーザーさんがガンガン増えており、たくさんの RFE(Request for Feature Enhancement)が届いております。
そのため Virt は止まることなく今後も開発が進みます。

OpenShift Virtualization: What's Next

Red Hat 社内には、お客様やパートナー様との打ち合わせで使えるような Virt の Roadmap のスライドがあります。
公開可ではあるのですが、さすがにブログで直接スライドを出すのは違う気もするので、スライドの内容を文字で紹介していきます。スライドで見たいという方はお近くの Red Hat 担当者までお声がけ下さい。

それでは今後リリースされる予定となっている feature の一部(全部じゃない)をカテゴリごとに紹介しつつ、注目度の高いものをいくつかピックアップしてご紹介していきましょう。

Ease of Migration

  • Live migration of VMs and Storage across clusters
  • GA of Storage accelerated migration to OpenShift
  • Migration from Hyper-V
  • Self Guided Migration assistant

ここで注目するのは何と言っても、クラスタまたぎの VM / Storage Live migration

OpenShift クラスタを複数持つという選択肢は割と普通にありますが、その間で Live migration ができるようになります。
Blue/Green クラスタアップグレードをするために 2面クラスタを持つ場合、クラスタ間で VM を Live migration できれば、ダウンタイムを抑えられるのでいいですよね。
これは現在 Technology Preview として出ていますが、GA になる予定です。

docs.redhat.com

なお、ここで開発の進捗が見られます。
https://issues.redhat.com/browse/VIRTSTRAT-96

Networking

  • BGP and stretched L2 networks across clusters
  • Single stack IPv6

ここでの注目はクラスタ間で L2 ブロードキャストドメインを共有し、VM が同一の L2 セグメント上に存在する構成です。これを実現するのに BGP と EVPN (Ethernet VPN) を使います。

L2 を前提としたプロトコルを使うアプリが動く VM でもクラスタを自由に動けるようになったり、ハイブリッドクラウド構成を実現したり、様々なメリットがあると思います。クラスタまたぎの Live migration もこれを使うことでスムースにできるようになるでしょう。
マネージドサービス上の Virt にも L2 延伸的なアプローチができるかは、正直わかりません。GA になるまでのお楽しみとさせて下さい。

upstream の KubeVirt では次のように開発が進んでいます。 kubevirt.io

Simplified & Scaled Administration

  • Comprehensive multi-cluster virtualization and VM management
  • VM Right Sizing actionable guidance
  • Guided VM networking configuration
  • Simplify troubleshooting with OpenShift AI

ここではマルチクラスタにおける包括的な VM 管理について紹介します。
またまたマルチクラスタ関係ですが、複数クラスタにある VM を一元的に管理することができます。これを ACM(Red Hat Advanced Cluster Management)の機能として提供します。最新の ACM 2.15 では Technology Preview として出ています。

https://www.redhat.com/rhdc/managed-files/styles/default_800/private/image2_154.png.webp?itok=OwTPuj4p

現在は上のような非常に既視感の強いツリービューがありましてこの中で各クラスタの VM が一元的に見ることができます。これが Redesign されて GA になる模様です。
https://issues.redhat.com/browse/CNV-69174

Edge to Cloud

  • Two node HA Solution (no arbiter needed) for Edge deployments
  • GA support for ARM platforms
  • GA of GCP

ここでは エッジコンピューティングユースケース向けの2ノード構成に注目します。
TNA(Two Node with Arbiter)という構成が 4.20 でリリースされているのは、先の坂井さんの記事でも紹介されていますが、これは正真正銘の2ノード構成です。
split brain を回避するために Pacemaker を使って Fencing を織り込むため、TNF(Two Node with Fencing)とも呼ばれます。
TNF 構成自体は OpenShift 4.20 で Technology Preview になっていますが、Virt の文脈ではもっと先になることが予想されます。 Chapter 2. Two-node with Fencing | Installing a Two Node OpenShift Cluster | OpenShift Container Platform | 4.20 | Red Hat Documentation

なお、TNA も TNF も基本的にエッジコンピューティングでの利用を想定しています。

Storage & Data Protection

  • Change block tracking for Incremental backup

元のスライドにこれ1個しかないのでこれを紹介します。
CBT(Change Block Tracking)はストレージ上で write/rewrite されたブロックを記録するもので、差分(増分)バックアップや DR の差分レプリケーション、移行などで主に利用されます。
VMware では CBT が VMDK レイヤーの機能として実装されていますが、それに相当するものを QEMU レイヤーで実装しようというのがこれです。

これによってバックアップや DR を管理するソフトウェアが、独自で差分検知の実装をしなくて済むのでとっつきやすくなり、結果としてソフトウェアの選択肢が多くなります。
10月にあった KubeVirt Summit でこれについてのめっちゃ詳しく説明されているので、よかったらご覧ください。

www.youtube.com

Security and Performance

  • Optimized defaults for multiple live migrations and databases
  • VM vulnerability reporting in RHACS
  • Compliance Operator for Hardened OpenShift Virtualization

ACS(Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes) はコンテナセキュリティを監視するソフトウェアですが、コンテナだけでなく今後は VM の中までカバーするような書き方があります。
ぶっちゃけ実際どう実装するのかは不明ですが、やはり最近はシステムセキュリティは最重要の課題ですし、Virt ユーザも日に日に増えているので、責任持って対応するという姿勢であると思われます。
また、以下のような OpenShift Virtualization をよりセキュアにするためのプラクティスが集まっているドキュメントが公開されていますので、是非参考にして下さい。
Red Hat OpenShift Virtualization Hardening Guide - Red Hat Customer Portal

まとめ

今回は6つのカテゴリで今後の Virt のロードマップについて紹介しました。
この他にも多くの取り組みが予定されていて、まだまだ Virt は留まるところを知りません。
Virt はどんどん機能が豊富になっていくのは間違いないですが、Virt で満足して終わって欲しくないというのが私の思いです。
OpenShift を飯の種にする者としてはやはり、お客様には現在の運用やアプリ開発を改善すべくコンテナや AI を使ったモダナイゼーションに取り組んでいただきたいですし、そこには OpenShift を使っていただきたいです。
OpenShift は、今は VMware からの置き換えに過ぎないとお考えかもしれませんが、間違いなくモダナイゼーションを実現できるプラットフォームとしての価値があります。
ですので、お客様が Virt を踏み台にしてさらに次のより良い世界へジャンプアップしてもらえると、私としてはこれ以上望むものはありません。

ということで、今年はここまで。お付き合いいただきましてありがとうございました。メリークリスマス & 良いお年を。




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