『ドングル付属で用途が広がるハイエンドモデル！』 AKG N9 Hybrid [ブラック] 鴻池賢三さんのレビュー・評価

装着イメージ	ドングルはハウジングに収納可能	付属のセミハードケースに収めた状態

このレビューの投稿とは無関係にメーカーから提供を受けた評価機（メディア用）によるレビューです。PCやスマホと組み合わせて確認しました。

【デザイン】
デザインには好みがあると思いますので、写真などを参考にご判断頂ければと思います。
造型は全体的にフラットかつスムーズで上質な印象。ハウジング外側に施された幅広のダイヤカットがブランドのアイデンティティとして個性的に感じます。

【高音の音質】
高域はエネルギー感がやや強いものの煩くは感じず、華やかな音調として楽しめるでしょう。音数が増えるとやや平面的に感じますが、混濁というほどではなく、まずまずまとまりの良いサウンドと言えます。
なお本機は、アプリを利用すると「Personal-Fi」という機能が利用でき、これはテストトーンを用いて聴覚を測定し、EQを最適化するもの。測定に必要な時間が長く退屈で、最後まで集中力を持続するのが大変でした。しかし、きっちり行うと効果はなかなかのもの。上述の気になっていた高域の張りが収まって相対的に中域が充実し、よりまとまりのある落ち着いたトーンに。またEQは左右独立していて聴覚のアンバランスが軽減されるのか、当方の場合は立体感も向上。ご試聴の際は「Personal-Fi」も含めて評価されると良いと思います。

【低音の音質】
ズシーンと重量感のある低域が魅力。歪が少ないのか、例えばバスドラムのアタックは鮮烈でありながらうるさく感じず音色もリッチ。クリーンで中高域を濁すこともなく、ゆったりと低く深みのある低域に気持ちよく浸ることができます。イヤホンではなくヘッドホンを利用する価値も感じられるでしょう。

【フィット感】
挟圧は適度でイヤーパッドも柔らか。全体的にスリムな印象ですが、包み込まれるような快適な装着感が得られます。フィット感は大変良好です。

【外音遮断性】【音漏れ防止】
ANC機能を搭載しています。
大型スピーカーから各種騒音を鳴らして疑似的に確認しました。
当方の聴感では、航空機内のゴーッという騒音はヘッドホンを装着した時点で3割減、ANCをオンにするとさらに6割減する感覚。
カフェ内のような雑然とした騒音は、イヤホンを装着した時点で3割減、ANCをオンにするとさらに低中域を中心に5割減する感覚。中高域が少し残りますが、低中域はしっかりとANC効果が感じられ、左右の均整も含め不自然に感じず、長時間の利用も快適でしょう。

【携帯性】
小さく折り畳みはできませんが、ハウジング部を90度回転してフラット形状にでき、上質なファブリック地の薄型ケースも付属。携帯性への配慮を感じます。

【総評】
本機の特徴はやはり音質重視のヘッドホンとしては珍しくドングルが付属していることでしょう。
ドングル利用時はLC3plus接続との事で、遅延の少なさに期待する方は多いでしょう。分かり易いピアノアプリで試してみましたが、追随性が素早く速弾きも可能。Bluetooth接続との違いをはっきりと体感できました。
AKGブランドや高音質といった魅力に加え、ドングル付属で仕事を快適にしたり、ゲーミング用途との相性も良好。安価ではありませんが、必要な方にとって価格以上の価値を感じられる製品だと思います。