安定の高品位モデル。「ULT」の感じ方で決定を!
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装着イメージ |
ULTボタンが重低音志向をアピール! |
付属のセミハードケースに収めた状態 |
メーカーデモ機(メディア用)をお借りしてのレビューです。
各種プレーヤーやスマホと組み合わせて確認しました。
【デザイン】
デザインには好みがあると思いますので、写真などを参考にご判断頂ければと思います。
質感ですが、ハウジングなど樹脂素材部分は塗装されていないものの、微細な梨地でマット感と艶感をバランスさせた印象。高級感こそ感じませんが安っぽくはなく、製品の位置づけや価格に照らして妥当な水準だと思います。
【高音の音質】
音質として悪くはありませんが、特段の特長は感じず、抜け感が伸びやかさも凡庸。少しネガティブな表現になってしまいましたが、個性やクセが抑えられている分、幅広い音楽を安定して鳴らすことができ、無難な高品位を求める方に適すると思います。
なお、アプリには「ファインド・ユア・イコライザー」という機能があり、これは音楽を聴きながら、予め用意されたパターンで聞こえ方の変化を確認しつつ、2段階で好みを選択すると、イコライザーがカスタマイズできるというものです。当方の場合、スッキリとして高域が映えるサウンドにできました。EQの利用に抵抗を感じない方にとっては、使い易さも含めて良い機能と言えると思います。
【低音の音質】
本機は重低音サウンドが売りですが、「ULT」ボタンで、「ULT1」「ULT2」の切替ができ、音楽や気分に応じて低域成分を増強できます。「ULT1」「ULT2」を選択すると、低域の量感が増えて質感が鞣される印象。低く深みを増す方向ではなく、ブーミーになりがちなので、ユーザーを選びそうです。
なお、「ULT1」「ULT2」の重低音度合いは、アプリで調整が可能で、ユーザーに応じてカスタマイズできるのは良いと思いました。
【フィット感】
挟圧は適正でイヤーパッドも充分な厚みがあり、フィット感は良好です。パッドは蒸れを感じますが、一般的なヘッドホンと比べて同等の印象です。
【外音遮断性】【音漏れ防止】
ANC機能を搭載しています。
大型スピーカーから各種騒音を鳴らして疑似的に確認しました。
当方の聴感では、航空機内のゴーッという騒音はヘッドホンを装着した時点で3割減、ANCをオンにするとさらに5割減する感覚。カフェ内のような雑然とした騒音は、イヤホンを装着した時点で5割減、ANCをオンにすると低域を中心にさらに5割減する感覚。
ソニーの基準として本機のANC性能は星3つで、最上位の星5つと比べると、中高域のノイズ軽減は敵わないようです。
【携帯性】
折り畳みが可能で、写真の上質なセミハードケースが付属しています。安心して携行できると思います。
【総評】
音質は凡庸と感じつつも、幅広いジャンルの音楽を難なく鳴らし、「ソニー」の安心感は絶大です。特段にコスパが優れた印象はありませんが、失敗なく高品位なヘッドを選びたい方にとって、本機は良い選択だと思います。
最終的に本機が気に入るか否かは、重低音「ULT」機能の感じ方によるでしょう。HiFi志向の当方の場合、緩めでブーミーな重低音は魅力を感じませんでしたが、若年層の方には受けるのかもしれません。購入の際はご試聴をお勧めしたいと思います。