『QC Earbuds2と同じ音、同じ接続性』 Bose QuietComfort Ultra Earbuds [ブラック] mk9aさんのレビュー・評価

QC earbuds2の音に大変満足していたのですが、どうにも端末切り替え時の接続が不安定なので、改善されていることを期待して購入しました。
結論としてはQC earbuds2と変わりません。装着感と音とノイズキャンセリングは最高で、マルチペアリングの接続性は最低のイヤホンです。

【ノイズの問題】
左にノイズがあるという書き込みを多数見かけますが、運が良かったのか、自分が手に入れたものにはノイズはありませんでした。自分はかなりノイズにはうるさい方で、過去には世間で評判の良かったSonyのヘッドホンアンプなどにもノイズの不満を持っていました。しかし本製品では特にそのような問題を感じません。ノイズキャンセリングで取りきれない音がホワイトノイズのような形で残るのは以前からありますが、残り方はQC earbuds2と同等です。
なお、iOS機器でしか使っていないので、aptXで繋ぐとノイズが出るのであれば当方の環境では発生していないことになります。

【接続の問題】
QC earbuds2と完全に同じ挙動です。今回QC ultraでも同じだったことで、個体不良でないことが確認できました。
端末を切り替えると接続に失敗することがあり、初期化しないと繋がらなくなります。QC earbudsの接続が壊れる時には、同じBoseアプリに登録しているsoundbar 900も巻き込まれて接続が壊れ、そちらも本体初期化しなければ繋がりません。複数のiOS機器でこの現象を確認しています。また我が家のWindiws PCに繋ごうとすると、高確率で他の機器でのペアリングが壊れます。QC earbuds2発売直後にはiOS機器とのマルチペアリングに成功したこともあったのですが、今は初期化すること前提で繋ぎ直して使っています。なお、これまでバージョンアップによって何度か挙動が変わり、ペアリングの安定手順も変わっています。
今の所、iOS機器のマルチペアリングの安定手順は以下の通りです。

1) 全ての端末のBoseアプリから該当イヤホンの登録抹消後、Boseアプリを再起動(重要) & 端末側のBluetooth設定から登録抹消
2) ペアリング初期化を行う(ケース裏ボタンを30秒長押し) この際、白点滅後に青で点滅を始める(ペアリング待機中のようになる)けれど、そこではペアリングを行わずに一旦ケースを閉じてしばらく待つ。これでイヤホンがオフになる。
3) 再びケースを開いて、イヤホンを入れたままで背面ボタンを2秒押して青点滅(ペアリング待機中)にする。Boseアプリの「+」ボタンから新規登録。イヤホン名が表示された上で「ペアリング」という選択が出れば成功。代わりにペアリングする機器を選ぶリスト形式のウィンドウが出ることがあり、その場合でもイヤホン名が見えているけれど、この画面が出た時は失敗。
4)２つ目以降の端末へのペアリングは、一旦イヤホンをケースに戻して蓋を閉め、しばらく待った後で行う。

なお、30秒長押しは「ペアリングの初期化」なので、イコライザーやその他の設定は消えません。完全初期化の方法もあるようです(恐らく更に長押し)が、自分はこれまでペアリング初期化のみで接続できています。

【音質】
イマーシブオーディオが追加された以外は完全にQC earbuds2と同じです。音量を上げなくても低音が強めで、聞き疲れのしないBoseの音です。

【イマーシブオーディオ】
イマーシブオーディオには2種類のモードがあります。「静止」モードでは、左右のみでなく上下方向に関しても大変的確に音源位置が固定され、首を動かしても違和感なくその場所から音が聞こえてきます。位置の固定されたテレビに映像を出している時は良いかもしれません。「移動」モードでは、通常通り首を向けた正面からの音になり、単純に音場が広がったような感覚です。不思議なことに、「移動」モードでも首を動かすと、少しだけ遅れて音の方向が追従します。洋ゲーに多い慣性カメラのような挙動です。
面白くはありますが、音質傾向がややスカスカ感のある中音強調に変わるので、元のBoseの音が好きだった人が単純に上位互換として使えるものではありません。中音をイコライザーで大きく落とすと違和感は減りますが、音場の広がり感も減ります。また何故か聞き疲れしないという良さは失っています。DevialetのGeminiと同じ耳の内壁の痛さがあり、耳の特性に合わせて音場を調整する処理をしている説明も一緒なので、ここに何か自分に合わないものがあるのかも知れません。
自分としては、常時使う気にはなれないけれど、たまには使いたいと思う機能でした。過去にはノイズキャンセリングでも周波性特性が変わっていたのが、今では違和感なく切り替えられるようになったので、何世代か後にはもっと違和感のないイマーシブオーディオが実現するかもしれないと期待しています。

【iOSアプリ】
iPad用レイアウトを用意しているくせに相変わらず縦画面限定です。Apple自身もカメラ位置を変更するほど、横画面の方が一般的だと認められて来ていると思うのですが。
モード切り替えがアプリの最上位画面で行えず、使い勝手は大変悪いです。多数TWSを持っている中で、モード切り替えの階層が深いのはBoseだけです。